表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちび白猫と小さな赤ちゃんと現代ダンジョンへ  作者: 南瓜と北狐


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/114

99 異世界へ

 今日はスマホ工場建設のMMJ側の副リーダーとして、クローエアリエル聖樹国の工場の完成式典に出席するよ。聖樹国側の代表者はちびっこ王女だそうな。

 こういうのは偉い人が出席した方がいいよねということで山梨工場長におまかせしようとしたけど逃げられた。リーダーの秋山さんにおまかせしようとしたけど、クローエフロリア妖精国で国王陛下と謁見予定だった。スケジュールがブッキングしちゃったんだ。痛恨のミスだったよ。


 大宮ダンジョンの塀の中にある仮設プレハブにきたよ。ここで出国手続きと入国手続きをまとめてやるんだ。ちゃんと調べてきたよ。プレハブの中にはエルフが30人くらいいて、バタバタといそがしそうにしている。

 案内を見るとまずは税関からだね。税関は上海旅行にいった時に経験済みだ。あの時の経験をいかすよ。

 [マジックバッグを所持している方は内容物を申告してください]。ふむふむ。


『わたしのはアイテムボックスだからセーフだね』


 [100万円相当以上の現金、外国製の時計やネックレス等は申告してください]。ふむふむ。


『多少ひっかかる物があるような気がしないでもないね。でも大丈夫。全てはアイテムボックスの闇の中だよ』


 わたしはドキドキしながら税関をスルーして、出入国審査カウンターにきたよ。ほうほう。


『この機械に魔力を流して、魔力波を登録するんだね。上海は指紋だったけど聖樹国は魔力波かー。ところ変わればだね』


 出入国審査を華麗にクリアしたわたしは両替カウンターにきたよ。みんなのお土産を買うから20万円両替だ。


『この小さな青いクリスタルをかざせば、お金を払えるんだ。MMJのクレジットカードにこのクリスタルをつけたら便利かも』


 プレハブを出たら、メグちゃんに言われたことをやっておかないと。認識変換魔法を自分に3回がけだ。


『宿敵はカボチャ』『宿敵はカボチャ』『宿敵はカボチャ』


 これを30分に1回絶対にやるように言われているんだ。そうしないとわたしが暴れて逮捕される可能性が高いそうな。淑女のわたしは暴れないと思うけど、メグちゃんの言うことだからね。忘れないようにキッチンタイマーをセットだ。


 これで準備は整ったね。わたしは大宮ダンジョンのモノリスの裏側の黒いウネウネ記号にふれて、カボチャがうごめく恐ろしい異世界に果敢に突入したよ。


 ◇


「急に起こされてまだ眠いのクロ。最近の管理コアは人使いがあらいのクロ」

「本当クロ。おつかいは100年に一度にしてほしいクロ」

「管理コアに抗議しておくのクロ」

「ついでに目覚ましの音も変えてもらうクロ。寝てると、音が大きくなってくるクロ。ゆっくり寝られないクロ」

「管理コアはガンコなのクロ。もっと柔軟性を持つべきなのクロ」

「いたクロ。美紀ちゃんクロ」

「今度はヴァルキュリア紅じゃないのクロ。良かったのクロ」

「あのヴァルキュリア紅はおかしいクロ」

「本当なのクロ。外から干渉できなかったのクロ」

「ジョーちゃんはいないクロ。残念クロ」

「すぐに会えるのクロ。……美紀ちゃん、ずっとカボチャカボチャ言ってるのクロ」

「ジョーちゃんが美紀ちゃんはたまに変になるって話してた憶えがあるクロ」

「わたしも思い出したのクロ。懐かしいのクロ」


 ここはどこだろう? 起きようとしても目があかないね。身体にも力が入らない。さっきから黒金魚のクロっぽい話し方をする2人の女の子の話し声が聞こえるよ。

 思い出した。モノリスの黒いウネウネ記号にふれた瞬間、立ちくらみみたいに頭がすーっと冷たくなって、そのまま視界がまっ黒になったんだ。


「さっさとジョーちゃんに管理権を渡しておくクロ」

「わかったのクロ。ていっなのクロ!……ダメだったのクロ」

「どうしたクロ?」

「ジョーちゃんのラインが閉じられたのクロ。困ったのクロ」

「美紀ちゃんに渡してみるクロ」

「ていっなのクロ!」


 わたしのシックスセンスがカボチャを受け取ったらダメだと叫んでいるよ。絶対拒否だ。そう決意するとわたしの身体の中から力があふれてきたよ。なんだろうね、これは。


「……美紀ちゃんは受取拒否なのクロ」

「人間が拒否できるクロ? そんなことできないはずクロ」

「拒否されたのクロ。それに管理権が2つに増えたのクロ。おかしいのクロ」

「本当に増えてるクロ……。どういうことクロ?」

「知らないのクロ。勝手に増えたのクロ」

「めんどうだから頭にくっつけておくクロ。そのうち受け取るクロ」

「そうするのクロ。置いておくのクロ」


 わたしの頭に2つのなにかがくっついて、そこから身体の中の力がシューッとて抜けていったよ。なんだろうね、これは。


「くっつけたら金髪になったのクロ。花がはえたのクロ」

「ジョーちゃんといっしょの髪クロ。花の2本くらい問題ないクロ」

「大きさが違うけどユグドラシルの花に見えるのクロ」

「気のせいクロ。託宣を出して帰るクロ」

「言われたのと違うことになっている気がするのクロ」

「託宣の中身は管理コアにまかせておけばいいクロ。わたしたちは予定通り託宣すればいいだけクロ」

「いいのクロ?」

「もうおやつ時間クロ。さっさと済ませるクロ」

「おやつなのクロ。わかったのクロ」

「始めるクロ」

「待つのクロ。キグルミを忘れているのクロ」

「そうだったクロ。ひさしぶりだから忘れていたクロ。装着クロ」

「2年前なのクロ。この前なのクロ。装着なのクロ」


「「オラクルクロ」」


 養護院の朝のチャイムの音が鳴りだした。早く起きなきゃ。


「「[託宣クロ]」」

「「[仮初めの異空間は正しく世界に生まれ変わったクロ]」」

「[世界は新たな時代を迎えたクロ]」

「[世界が拡がったクロ]」

「[この世界にとどまってもいいクロ]」

「[地球に移り住んでもいいクロ]」

「[新たな可能性が生まれたクロ]」

「[新たな選択が生まれたクロ]」

「「[新たな世界の誕生を言祝ぐクロ]」」


 2人の女の子の声がよくわからないことを言ってるよ。また養護院の朝のチャイムの音だ。


「変な託宣だったのクロ。世界が生まれたのクロ?」

「ここの管理権はもう渡したクロ。あとはジョーちゃんたちにまかせるクロ」

「そうだったのクロ。美紀ちゃんはどうするのクロ」

「もう起きてるクロ」

「だったら大丈夫なのクロ。帰っておやつにするのクロ」

「おやつを食べたらのんびりお昼寝するクロ」

「早くおウチに帰るのクロ」


 今度はキッチンタイマーの音だ。メグちゃんに言われたことをやらないと。自分に認識変換魔法を3重がけだよ。


『宿敵はカボチャ』『宿敵はカボチャ』『宿敵はカボチャ』

ブックマークや★★★★★評価をいただけるとうれしいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ