表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちび白猫と小さな赤ちゃんと現代ダンジョンへ  作者: 南瓜と北狐


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/125

64 一流料亭

  料亭の玄関に入ると、広間になっていて、右奥には重要文化財っぽい屏風が見える。ところどころに一輪挿しの花が飾ってあったり、御簾が掛かっているのが目を引くね。左側にはカウンターがあって、着物姿でちび黒猫を頭の上に乗せた女将が、わたしたちを迎えてくれたよ。


「ようこそおこしやす、みなさま。当院の女将の山科ですぇ。よろしぃおたのもうします」


『イーちゃん、ちび黒猫はなんで女将の頭の上に乗ってるの?』

「みゃう」『仮想空間のお店に仮想女将を作るのです』

『仮想女将……なんだかすごいね』


 ちび黒猫付き女将が離れの茶室に案内してくれた。今日の部屋だって。二間続きの部屋で奥の床の間には一幅の掛け軸と一輪挿しの花が飾られている。部屋からはライトアップされた日本庭園が見える。ちび黒猫たちは、20畳の部屋をフヨフヨウロウロしている。


  ちび黒猫付き女将に今日のお品書きを渡されて、説明を受けたよ。七五三のお祝いだから、本膳に7つのおかずの七菜、二の膳に五菜、三の膳は三菜にして、七五三のお膳にしているそうな。フムフム。


 今日のお品書きがこれ。


 ○七五三お祝い本膳料理(大人用)

 本膳  赤飯と白米

     香の物(京野菜の漬物3種)

     白味噌の汁(甘鯛つみれ、あわび、ごぼう、大根、椎茸)

     土瓶蒸し(松茸、紅葉鯛、鳥、銀杏、結び三つ葉)

     煮物(はまぐり、赤貝、椎茸、栗、ニンジン)

     紅白なます(蟹、大根、ニンジン、生姜、栗)

     紅葉鯛と伊勢エビの昆布じめいちじく酢

     秋茄子といちじくの胡麻酢

     イクラと鮭の柚子おろし和え

     ボタン海老と数の子の抹茶和え


 二の膳 すまし汁(鳥・松茸・舞茸・麩・結び三つ葉)

     柚子釜焼き(ホタテ、あわび、フグ白子)

     田楽ナス釜焼き(松茸、ボタン海老、加茂ナス)

     蟹と鮭とボタン海老の焼き物 

     握り寿司(ワサビ抜き)

     京野菜煮浸し


 三の膳 鯛の潮汁

     海老の舟盛り(伊勢海老、ブドウ海老、ボタン海老、北海シマ海老、シバ海老)

     紅葉鯛とズワイ蟹と鮭の天ぷら

     炙りキノコとほうれん草のウニ和え


 与の膳 紅葉鯛の尾頭付き塩焼き


 五の膳 栗きんとん、栗羊羹、芋羊羹



 ○七五三お祝い本膳料理(子供用)

 本膳  赤飯のおにぎり、ツナマヨおにぎり

     オムライスおにぎり

     香の物(京野菜の漬物3種)

     豚汁

     土瓶蒸し(松茸、紅葉鯛、鳥、銀杏、結び三つ葉)

     鮭とシソとイクラの花巻

     生ハムとチーズと百合根の花巻

     ほうれん草と蟹身の梅マヨネーズ和え

     炙りキノコとローストビーフのクリームチーズ和え

     鳥の照り焼き(焼き野菜添え)

     ほうれん草入り出汁巻き卵


 二の膳 すまし汁(鳥・松茸・舞茸・麩・結び三つ葉)

     ベビーホタテと鮭と紅葉鯛の焼き物

      (バター焼き、西京焼き、紅葉焼き)

     蟹とキノコの和風グラタン

     和牛フィレのサイコロステーキ焼き野菜添え

     手毬寿司

     京野菜の煮浸し


 三の膳 鯛の潮汁

     お造り(伊勢エビ、ブドウ海老、紅葉鯛、ズワイ蟹、鮭)

     天ぷら(紅葉鯛、ズワイ蟹、キノコ、京野菜、チーズ)

     細巻き寿司


 与の膳 栗餡のチーズケーキ

     栗餡のあんみつ

     抹茶豆乳プリン


 五の膳 紅白饅頭、千歳飴

     柿とブドウとイチジクの和風タルト


 ちび黒猫付き女将と話していると「失礼いたします」という声が掛かって襖が開いた。ちび黒猫を頭に乗せた仲居さん3人が両腕をまっすぐに伸ばして、脚付きの大きな角膳を捧げ持って入ってきた。座布団の前にお膳を置いていく。部屋を出たり入ったりしながら並べていく。3人の動作はこわいくらいピッタリと揃っていた。


「みぃー」『訓練された動きにゃの』

『さすが一流料亭だね。シンクロ率100%だよ』


 わたしには大人用本膳料理1人分。メグちゃん、ジョーちゃん、イーちゃんには子供用本膳料理3人分+大人用本膳料理3人分。合計7人分の角膳35個が部屋に並んだよ。おいしいご飯の匂いが部屋にあふれているね。


「よろしおあがりやす」


 そう言って女将は、ちび黒猫を頭に乗せたままさがっていったよ。



「おいしそうなのー」

「みぃー」『料亭ご飯がいっぱいにゃの。おいしそうにゃの』

『これだけ並ぶと壮観だね。まだ湯気が立ってるのもあるよ。サイコロステーキはまだジュージューいってるね』

「みぃー」『できたてにゃの』

『熱いうちにマジックバッグに入れておいたんだね。さすが一流料亭。量も多いね。女将が食べきれなかったら、折り詰めにしてくれるって』

「これならペロリなのー」

「にゃう」『わたしも大丈夫なのです』



『メグちゃんとジョーちゃんの七五三のお祝いを始めるよ』

「みぃー」『料亭ご飯、早く食べるの』

『メグちゃんとジョーちゃんの3歳の成長をお祝いしてかんぱーい』

「かんぱーいなのー」

「みぃー」『かんぱーいにゃの』

「にゃう」『かんぱーいなのです』


 メグちゃんはツナマヨおにぎりからいったね。小さなメグちゃんが普通サイズのおにぎりを持つと、おにぎりが巨大に見えるよ。

 ニコニコなメグちゃんがツナマヨおにぎりにかじりついたよ。もぐもぐしたメグちゃんの目がカッと大きく見開かれた。両目がまん丸になっている。


「みぃー」『美紀ちゃん、女将を呼ぶの』

『メグちゃん、どうしたの? 何かあった?』

「みぃー」『ツナマヨおにぎりがおいしいの。感想を言うの。マンガで見たの』

『そんなマンガあったっけ?』

「みぃー」『寮の食堂に置いてあったマンガにゃの。本家と宗家と元祖が料理対決するの。兄弟対決にゃの』

『女将を呼んだら、料亭ご飯をのんびり食べられなくなるよ。女将にじっと見られながら食べるのも、おいしくなさそうだし。最後にごちそうさまとおいしかったって言えばいいと思うよ」

「みぃー」『わかったの。そうするの』


 みんな、あっちの料理、こっちの料理とふよふよ飛びまわってパクパクモグモグ食べているよ。ウンウンうなづいたり、ニパッと笑顔に変わったりして見てるだけで楽しくなるね。


「みぃー」『これはにゃの!』、「みぃー」『いい仕事にゃの』、「みぃー」『本物を見せてやるの』、「みぃー」『シェフを呼ぶの』、「みぃー」『くー、うまいの。この一杯のために生きてるの』、「みぃー」『フレッシュでジューシーにゃの』


 メグちゃんだけ、みぃみぃ変な独り言を言いながら食べてるけどね。

 わたしもみんなに負けずに食べたけど、全部食べきれなくて途中でギブアップ。今日はお昼ご飯もたくさん食べたからね。

 みんなは千歳飴だけお土産にすると言って、その他は全て完食。相変わらずの大食いチャンピオンぶりを見せてくれたよ。

 ジョーちゃん、さっき千歳飴はお土産にするって言ってたよね。今、ペロペロ舐めてるのがお土産の千歳飴だよ。


「おおきに」


 女将のはんなりな京言葉に見送られて一流料亭を出てきたよ。女将と仲居さんたちがずっと頭を下げて見送ってくれたのが印象的だった。

ブックマークや★★★★★評価をいただけるとうれしいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ