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ちび白猫と小さな赤ちゃんと現代ダンジョンへ  作者: 南瓜と北狐


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62 ヴァルキュリア紅、また発進

「本日午前0時、ネバダ州のダンジョン消失跡の魔物密集地にアメリカ軍による核攻撃が実行されました」

「本日午前0時頃、ガーゴイルの同時多発氾濫が発生しました。現在までにわかっている氾濫が発生した国、地域は次の通りです。日本、アメリカニューヨーク、アメリカロサンゼルス、アメリカヒューストン、中国北京、中国成都、中国香港、台湾、ロシアモスクワ、ロシアノボシビルスク、ドイツ、インドネシア、インド、ブラジル、アルジェリア、オーストラリア、カナダ……」

「埼玉大宮ダンジョンのガーゴイルの氾濫は、従来の氾濫と異なる様相を見せています。通常の大規模氾濫では約12秒に1体の魔物があらわれますが、今回のガーゴイルの氾濫は約8秒に1体と1.5倍のペースになっています」


 朝、起きてテレビをつけると、世界同時多発氾濫のニュースをやっていたよ。


『朝ご飯に行くけど、イーちゃんがいないね』

「よなかにいそいでダンジョンにいったの」

「みぃー」『「島屋ダンジョンで氾濫がおきるのです」って言って飛び出していったの」。アドバイスさんに聞いたら、イーちゃんは島屋ダンジョンの氾濫を止めようとしたけど、氾濫するダンジョンをずらすだけで精一杯だったそうにゃの』

『あとでイーちゃんにお礼を言わないとね。新しいゲームソフトでもプレゼントしないと』

「新しいゲームソフトなのです。やったのです」

「イーちゃん、おかえりーなのー」

『イーちゃん、おかえりー』

「みぃー」『イーちゃん、おかえりにゃの』

「ただいまなのです。氾濫は自動システムなのが困るのです。システムを変えた方がいいのです」

『イーちゃん、島屋ダンジョンの氾濫を止めてくれたんだってね。本当に助かったよ、ありがとね』

「トラコンクエスト5が欲しいのです」

『もっとたくさんでもいいよ』

「イーちゃん、おもちゃうりばにいって、たくさんえらぶのー」

「行くのです。たくさん選ぶのです」


 ◇


「うそつきおじさんがテレビにでてるのー」

「みぃー」『うそつきおじさん、ひさしぶりに見たの』

『生中継の会見だね』


 テレビで池田陸軍司令長官の会見が始まった。鼻の下の変な口ヒゲは健在で、横にまっすぐ伸びて端がピンとハネ上がっている。この人、作戦行動中を理由にしてずっと取材拒否していたんだよね。オモテに出てこなかったから、いるのを忘れていたよ。


「我が大日本帝国陸軍の誇る精鋭、中央直轄軍が氾濫で現れた憎っくきガーゴイルどもを明日より討伐予定である。吉報を待て。我が大日本帝国陸軍に栄光あれ」


 それだけ言うと会見場を出ていってしまった。なにか手違いがあったのか司会の人が固まっている。スタジオで「池田陸軍司令長官の会見でした」と言ってCMに入ったよ。


『明日、中央直轄軍の出陣式があるんだって』

「しゅつじんしきなのー?」

『魔物と戦いに行く人たちが集まって、えいえいおーってやるんだよ』

「えいえいおーなのー」

「みぃー」『中央直轄軍って精鋭にゃの?』

『中学校の時の授業でそう習ったよ。たしか全国から軍閥貴族の精鋭を集めている部隊だって』

「みぃー」『軍閥貴族を集めてるの?』

『少しまずい気がしてきたよ。でも軍閥貴族って30万人もいるって話だし、たぶんマトモな人も……』


 ◇


「会場からの中継です。今回の作戦では、帝都東京の守護神、中央直轄軍6万人が一斉出撃します。軍用魔道甲冑は3万機が投入されるとのことです」


 テレビには中央直轄軍の出陣式が映っている。6万人も並んでいると壮観だね。


「メグちゃん、ジョーちゃん、そろそろ宇和島ダンジョンに転移するよー」

「みぃー」『九州の魔物も迷惑にゃの。海を泳いでこにゃくていいの』

『本州と九州の間の橋を落としちゃったからねー。大分と愛媛の間の海峡もせまいから、泳いできちゃうんだよねー』

「MMJのこうじょうがあぶないのー」

『そうだよー。宇和島にあるからね。岩本社長も宇和島に引っ越したし』

「MMJをまもるのー。えいえいおーなのー」

『わたしもえいえいおーだよ』

「みぃー」『わたしも言っておくの。えいえいおーにゃのー』


 ◇


『メテオシャワーメークアップ』

「みぃーうみぅーみぃみゃーみぃー」

「メテオシャワーメークアップなのー」


『メグちゃん、ジョーちゃん、なかなかやるね。かっこいいポーズの後ろに爆発エフェクトを入れるなんて。ますますかっこよさがアップだよ』

「みぃー」『ふふふーにゃの。ジョーちゃんと考えたの』

「もっとかっこよくするのー」


 紅色に輝いてかっこいいヴァルキュリア紅に乗り込んだよ。


「みぃー」『空気清浄化システム、エアコンシステム作動にゃのー』

「じょうほういた、てんかいなのー。ぜんしゅうモニター、そとをうつしたのー。おんみつまほう、にんしきそがいまほうさどうなのー」

「みぃー」『情報板に戦術情報を載せたの』

「システム、オールグリーンなのー」

『動作チェック済んだよ。全て良好』

「みぃー」『ヴァルキュリアくれにゃい、発進にゃのー』

「はっしんなのー」

『ヴァルキュリア紅、発進』


 宇和島ダンジョンから飛び出したわたしたちは空に上がったよ


『総員、戦闘準備! 目標、愛媛に上陸した魔物および九州全土の魔物』


 わたしはかっこよく右手を振ってキーワードを宣言。


「さくてきレーダー、アクティブモードで、きどうなのー」

「みぃー」『アウターネットの討伐承認おりたのー』

『戦術コア起動ー。オールウエポンフリー』

「みぃー」『思考加速システム、起動なのー』

「せんじゅつコアきどうかくにんなのー」

「みぃー」『アウターネットから地形建物情報ダウンロード、情報板にうつすのー』

『拡散型ジャッジメントレイ10枚展開』

「じょうほういた10まいてんかいなのー」

『メグちゃん、ジョーちゃんに子供制限モード適用』

「みぃー」『子供制限モード、適用したの』

『防御システム起動』

「ぼうぎょシステムきどうしたのー」

『愛媛に上陸したやつから片づけていくよ』

「みぃー」『アイアイサーにゃのー』

「アイアイサーなのー」

『魔石魔核収集コア起動』

「ませきまかくしゅうしゅうコアきどうしっぱいなのー」

『クッ、今回もわれわれはもったいないオバケに負けるしかないのか』

「みぃー」『もうあきらめるの。戦術コアの処理能力を超えてるの』

『ギガントオリハルコンゴーレムの魔核を使っても、やっぱりダメかー』



『戦術コア、攻撃目標周囲の魔物、照準ロック追尾モード』

「みぃー」『照準ロック確認にゃのー。この射線にゃら人への誤射もにゃいの。1斉射で片づくの』


 〈拡散ジャッジメントレイ斉射〉


 10枚の情報板から白い光が魔物に降り注いで、上陸していた魔物が全て動かなくななったよ。


「もくひょうぜんすうクリアなのー」

『次は海にいる魔物を攻撃するよ』


 ダンジョン実習を2日間サボらせてもらったけど、九州全土に氾濫していた魔物は大体討伐できたよ。メグちゃん、ジョーちゃん、ありがとね。今度、お疲れさまパーティーを開催しようね。



「美紀ちゃん、沖縄の修学旅行が中止になったのですわ」

「マジで? なんで中止に?」

「ガーゴイルいっぱい。羽田空港、成田空港、ずっと閉鎖」

「空港の閉鎖で航空機が足らなくて、予約していた沖縄行きの航空便が飛ばなくなったのですわ」

「そんな因果関係が……」

「他のところに変更ってできないの。京都とか大阪とか」

「修学旅行は来週だから無理ですわ」

「ガーゴイルが今日中にいなくなったら、修学旅行の再開っていけるかな?」

「さっき職員室で先生と旅行代理店の人が民泊や船のキャンセルの話をしていたのですわ。たぶん無理だと思いますわ」

「そっかー。中央直轄軍どうしたのかな。出陣式の日のニュースがあったけど、それから何もニュースがないよね」

「ガーゴイル、ほとんど倒せてない。里江おばさん、言ってた」

「ニュースは赤の魔道甲冑の九州奪還のことでいっぱいですわ」

「そう、いっぱい」


 ジョーちゃんが川スポの赤の魔道甲冑の記事を見て、クルクル飛びまわって喜んでいたね。


 こうしてわたしの初修学旅行は中止になったよ。


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