54 上海観光
『メグちゃん、ジョーちゃん、やっとホテルに着いたよ』
「みぃー」『朝から大変だったの』
「じかんがかかったのー」
『ホテルでパスポートを見せないといけないから、飛行機に乗ってきたけど、中国の入国審査でパスポートにハンコを押さなかったね。ヴァルキュリア紅で直接きたら良かった気も』
「みぃー」『次にくる時はヴァルキュリアくれにゃいできたらいいの』
メグちゃんとジョーちゃんは飛行機のキグルミ姿だよ。メグちゃんがブーイング社の飛行機で、ジョーちゃんがエアボス社の飛行機だそうな。わたしには見分けがつかなかったよ。2人は飛行機の中で追いかけっこをして楽しそうに遊んでいたね。
今日は上海のホテルに着くまでが大変だった。わたしの飛行機ベテランぶりが、ここまで通じないとは思わなかったよ。
出国審査や入国審査を受けたり、外国人入境/出境カードを書いたり、初めて指紋をとられたり、初めて両替えをしたり。数多の試練を乗り越えて、なんとかたどり着いたよ。バス乗り場まで案内してくれた親切な日本人女性に感謝を捧げておこう。
ホテルは重厚感あふれる西洋風建築の建物で、後ろには大きなビルが建っている。地図を何度見直してもあの建物でまちがいないね。
『すっごいホテルだねー』
「みぃー」『美紀ちゃん、おどおどしてるの』
『わたし場違いな気がするからね。見てよ。エントランスの床も白い大理石でピカピカだよ』
「みぃー」『あっちの階段は、貴族のお屋敷の階段みたいにゃの』
「シャンデリアもキラキラなのー」
「みぃー」『受付が日本語にゃの』
『旅行代理店で日本語が使えるホテル紹介してもらったからね。日本語が通じるっていいね』
観光する場所を聞いてみたら、日本語で書いてる観光案内マップをくれたよ。
晩ご飯は、中国にきたら中華料理だよねということで、ホテルの2階の中華レストランにきたよ。
『上海料理に四川料理、いろいろな料理があるねー。どんどん頼んじゃおうよ。残ったらアイテムボックスにいれて持って帰ればいいし』
「たくさんたのんで、たくさんたべるのー」
「みぃー」『わたしは伝説のアレをやるの。ここからここまで全部持ってきてにゃの』
『本当にやるの?』
「みぃー」『やるのー』
『最初は普通に頼もうよ。後で伝説のアレでもいいから』
「みぃー」『わかったの。最初は普通にするの』
豚の角煮、なず菜のスープ、豚肉と野菜とお餅の甘辛炒め、エビ野菜ワンタン、麻婆豆腐、蒸し上海ガニ、白玉甘酒がテーブルにところせましと並んでるよ。おいしそう。
『いただきます』
「いただきますなのー」
「みぃー」『いただきますにゃのー』
『砂糖醤油の味つけでおいしいねー。これだったら養護院のちびっこたちも食べられるね。お持ち帰りできるか聞いてみるよ』
「みきちゃー、これからいー」
『ジョーちゃん、この白玉は甘いよ、口直しだよ。ジョーちゃんのカタキはわたしがとるよ。覚悟だ、麻婆豆腐め!』
『メチャクチャからー。ダメだこれー』
「みぃー」『2人のカタキはわたしがとるの』
「みぃー」『辛いのー。返り討ちにあったのー』
『これはタッパーにいれて持って帰るよ。養護院で味変してパスタのソースにしちゃうね』
「みぃー」『恐ろしい罠だったの』
「みぃー」『前菜はこれくらいでいいの。これからがメインにゃの。上海料理をどんどん頼むの。辛い四川料理はやめておくの』
『大食いチャンピオン、メグちゃんジョーちゃんのファイトを見せてもらうよ』
「たくさんたべるのー。しゅうまい、あげまんじゅう、しょうろんぽうからいくの」
2人の大食いチャンピオンは止まらなかったよ。3時間にわたって食べ続けたよ。もうグランドチャンピオンと呼んでもいいかもしれないね。
◇
『朝ご飯はホテルの朝食ビュッフェだよ。好きな物を好きなだけ食べていい夢の贅沢ご飯だよ』
「すごいのー」
「みぃー」『和食コーナーもあるのー』
『和食朝ご飯、洋食朝ご飯、中華朝ご飯、デザート。なんでもあるね』
「おにぎり、まきずし、チラシずしがあったのー」
「みぃー」『お味噌汁は、好きな具をトッピングしてって書いてるの』
『こっちの中華がゆも好きな具を好きなだけトッピングしていいんだよ』
「みぃー」『おかずも焼き餃子、水餃子、焼き魚、だし巻き玉子、目玉焼き、スクランブルエッグ、他にもいろいろあるのー』
『スープもコーンポタージュスープにコンソメスープ、中華スープ、いろいろあるよ』
「みぃー」『パンにベーグル、ホットケーキもあるの』
「ぜんぶたべるのー」
メグちゃんとジョーちゃんがクルクル飛びまわって、うれしそうだ。楽しそうに朝ご飯をとっている。
『メグちゃん、ジョーちゃん、そろそろ観光に行くよ。2人が全部食べたら、他の人が食べられなくなっちゃうよ。朝食ビュッフェは5人分までにしようねー』
「みぃー」『確かにそうにゃの。5人分にしておくの』
「5にんぶんにするのー」
メグちゃん、ジョーちゃんがまたピューと飛んでおかわりを取りにいったよ。もう10人分は食べたよね、今から5人分じゃないよ。
夢の朝食ビュッフェに、養護院の子たちを連れてきたいけど、利用できるのは宿泊客だけだそうな。でもメグちゃんとジョーちゃんの分の料金も払えて、3人で利用できたからワンチャンあるかも。認識阻害の力、すごい。
◇
メグちゃんとジョーちゃんはひらひらした古代中国の漢服ドレス姿だよ。こんなのまで作れるようになったんだ。メグちゃん、ジョーちゃんの練習の成果だね。
メグちゃんオススメの観光名所バンドは、100年前の西洋にタイムスリップしたような光景で、古い西洋式高層建築の街並みが1キロに渡って続いているところだよ。
「みぃー」『かわいいビルが並んでるのー』
『きれいな街並みだねー』
「ひとがいっぱいなのー」
『人気の観光地だから、人も集まっちゃうんだよね』
「みぃー」『バンドは夜景もきれいにゃの』
「やけい、みるのー」
ジョーちゃんオススメの観光名所七宝老街は、中国古来の水郷で、ここの南大街は食べ歩き街になってるんだって。
『ここは京都並みの人の多さだね』
「みきちゃん。ペンギンとパンダとアヒルとヒヨコとモモのおまんじゅうが、たくさんほしいの」
『かわいいお饅頭だね。養護院の子たちも喜びそう』
中国語が話せないから、欲しい物を指差して両手の指で数を出すボディランゲージ作戦だ。これが上手くいって、いろいろなお饅頭をたくさん買えたよ。わたしのボディランゲージも中々のものだね。
「パンダクッキーもたくさんかうのー」
『これも養護院の子たちへのお土産によさそう。たくさん買っちゃうよ』
「みぃー」『美紀ちゃん、豚足を買うの』
『これは甘辛味でおいしいね』
「みぃー」『そうにゃの。たくさん買うの』
「みぃー」『美紀ちゃん、こっちのも買うの』
『これスズメの丸焼きだよ。メグちゃん食べるの?』
「みぃー」『おいしい気がするの』
『……1本だけ買って半分こしようよ』
「みぃー」『普通の味にゃの』
『メグちゃん……頭の方を残したね……』
『スズメの頭って、なんだか灰色の味だ……』
「わたし、わかったのー」
『ジョーちゃん、どうしたのー』
「ひらひらしたふくは、ごはんをたべるのにじゃまなの。ジャージがいちばんなの」
『すごいよ、ジョーちゃん。2歳にしてその真理にたどり着くなんて』
わたしオススメは豫園だよ。明時代の中国式庭園で中国の古い建物が残っている庭園。そこにある小籠包専門店が有名なんだって。わたしのボディランゲージの見せどころだね。
静安寺は3世紀にできたお寺で空海もきたそうな。ライトアップがキンキラキンですごかったよ。明るすぎ派手すぎでお寺のイメージが変わったよ。
こんな感じで上海観光をしたよ。
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