↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちび白猫と小さな赤ちゃんと現代ダンジョンへ  作者: 南瓜と北狐


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/141

40 毒対策

「ウクライナで行なわれた住民投票の結果、ウクライナはロシアに併合されることが決まりました」

「この温泉は別名スライム温泉と言われており、美肌効果、マッサージ効果もあることから人気を集めています」

「鈴木魔機社が軍用魔道甲冑納入にかかわる贈収賄で1年間の入札停止処分を受けました」


 寮の食堂で、カツのとじ煮のころもに出汁がしみていておいしいよね、ご飯の上にのせてミニカツ丼にしちゃうよと、ニコニコおいしくいただいていると、テレビから聞きおぼえのある社名が聞こえたよ。

 バッと振り向いてテレビを見てみたら、まちがいなかった。


『鈴木魔機社だ。わたしの株のところだー』

「みぃー」『事故は買い、事件は売りって、本に書いてあったの』

『どうしようー』

「うるのー」

「みぃー」『そうにゃの。一度売った方がいいの』

『そうしてみるよ』


 あんなにうまうまだったミニカツ丼のおいしさが消えてしまったよ。



『2日連続ストップ安だー。マイナス額が多すぎ』

「みぃー」『みんな売ってて、美紀ちゃんのはちょっとしか売れにゃかったの』

『こうなったら塩漬けにするよ。きっと買った値段に戻るはず』

「みぃー」『売って他で取り戻す手もあるの』

『いや、ここは初志貫徹だよ』

「みきちゃん、りんきおうへんもあるっていってたのー」

『そうだった臨機応変……こうなったらナンピンで平均買い値を下げるよ。きっと底値のはず』

「みぃー」『落ちるナイフに手を出すなって本に書いてあったの』

「おちるナイフなのー」


 ◇


「正月太りですわ。今朝、制服のスカートがいつもよりキツかったのですわ」

「わたしも。食べすぎた」

「撫子ちゃん、海里ちゃん。ダイエットの薬ならあるよ」

「美紀ちゃん、本当ですの?」

「脂肪代謝促進薬っていうんだけど、胸やお尻もいっしょにやせちゃうみたい」

「胸もですの……あきらめますわ」

「薬、たくさんある?」

「使ってみる? これだよ」


 ダンジョンの宝箱から出た美容品5点セットは、メグちゃん(アドバイスさん)が作り方を教えてくれたよ。

 わたしも日焼け止めと肌ハリツヤ薬は愛用している。大人女子のたしなみらしいからね。今からのケアが大切なんだそうな。だから素材が宿敵の魔核でも、気にしないよ。


「売って」

「お金はいらないよ。ダンジョンから出たやつだし、簡単に作れるからね」

「たくさん欲しい。だから払う」

「探索者協会の人に聞いたんだけど、わたしがダンジョンアイテム取り扱い店に売るのは問題ないけど、他の人や普通の店に売るのは薬機法に引っかかるんだって」

「じゃあこの10個だけ。ありがとう。親戚に送って相談する」

「海里ちゃんが使うんじゃないんだー」

「わたしじゃない」

「海里ちゃん、スタイルいいですわ」

「だよねー。だからちょっとびっくりしたよ」

「わたし太った。おなかつかめる」

「ダンジョンに行ったら、すぐにやせますわ」

「ダンジョン出たら甘い物たくさん食べる」

「みんな、そうですわ」


 冬休み明けのクラスはけんけんがくがくの大騒ぎになっていたよ。

 クラスのアイドル菜々子ちゃんの交際疑惑が浮上したからだ。そして菜々子ちゃんと友達の会話で疑惑が事実であることが確定。

 菜々子ちゃんは、中学時代の特進クラスで同じパーティだった子とおつきあいを始めたそうな。

 男子はわかりやすく動揺したり、落ち込んだりしている子もいれば、わかりにくいけど顔が紅潮していたり、目がキョロキョロして落ちつきが無くなっている子もいる。5分の4ほどの男子がそんな感じかな。

  女子はオモテに出さないけど、それをニヤリと観察しているね。

 小学生の頃見た学園ドラマでこんなシーンがあったような気がするよ。

 学園ドラマの続きはまた今度だね。


 ◇


 島屋ダンジョンの91階層からは谷間の地形になっていて、切りたった崖に囲まれていたよ。


 87階層 レベル206 シャドウヒポグリフ

 88階層 レベル211 シャドウキメラ

 89階層 レベル216 シャドウギガース

 90階層 レベル246 シャドウエルダーリッチ[ゲートキーパー]

 91階層 レベル223 シャドウグリフォン

 92階層 レベル230 シャドウカトブレパス


『黒くて大きな首長牛だね』

「めがまっかなのー」

「みぃー」『カトブレパスだそうにゃの』

『もうすぐ晩ご飯の時間だし、ちょっとだけ行ってみるよ』

「みぃー」『美紀ちゃん、ちょっと待つの。ジョーちゃん、キュアキュアにゃの』


 入口ホールから走り出たら、わたしの身体がピカピカ光り始めたよ。 ジョーちゃんが巫女服にチェンジして玉串をバサバサ振ってるね。


「はらいたまえーなの。きよめたまえーなの」

「みぃー」『美紀ちゃん、入口ホールに戻るの。毒状態にゃの。周りの空気が毒ににゃってるの。ジョーちゃんがキュアを連続でかけてくれてるの』

『ごめんね。すぐに戻るよ』


 入口ホールに戻って、浄化魔法をかけて身体や装備についた毒を落としたと思ったけど、まだ身体がピカピカ光っている。ジョーちゃんの玉串バサバサも続いているよ。


「みぃー」『肺の粘膜のところに毒が残っているの。清浄魔法の方がいいの』


 清浄魔法でジョーちゃんの玉串バサバサも止まったよ。


「なおったのー。よかったのー」

『メグちゃんもジョーちゃんもありがとね。あれだけキュアをかけてもらっていたのに身体がだるくなってたよ』

「みぃー」『美紀ちゃん、この前からちょっと焦りすぎにゃの』

『ごめんね。自分でもわかってるんだけどね。株のマイナスのことが頭から離れなくて』

「みぃー」『しばらく株価を見ない方がいいの。忘れておくの』

『そうだね。見ないようにしないと。でもナンピン作戦が』

「みぃー」『にゃンピン作戦もお休みするの』

『わかったよ。そうするね』

「よかったのー」

『でもカトブレパスの毒って状態異常耐性50%増の指輪をつけていてもダメなんだね』

「みぃー」『カトブレパスの死の息の毒が、霧状になって空気に混ざっているの。目や鼻、肺の粘膜から身体にずーっと入ってきているの。毒耐性が上がっているし、ジョーちゃんがキュアをかけ続けてくれたから、身体がだるいくらいで済んでるの。レベルが低かったら死んでるの』

「きゅあきゅあなのー」

『だから巫女服に玉串なんだね。ジョーちゃん、かっこいいよ』

「かっこいいのー」


 きゅあきゅあは、巫女服で玉串を持って戦うヒロインが、子供女子に大人気のアニメだよ。


「みぃー」『短時間にゃらあのまま毒状態でキュアをかけにゃがら戦ってもいいけど、長時間にゃらちゃんと毒対策をした方がいいそうにゃの』

『毒対策ってガスマスクみたいなの』

「みぃー」『カトブレパスの弱い毒にゃら、ガスマスクもいいそうにゃの。でも強い毒にゃら皮膚からも身体に入るから全身装備の方がいいそうにゃの』

『全身装備……ダンジョンだと軍用魔道甲冑くらいしかないけど、この階層だとすぐに壊れちゃうよ』

「みぃー」『ふっふっふーにゃの。それを解決するいい方法をアドバイスさんが教えてくれたの。そのにゃも……魔装化にゃの。魔力で作った鎧をまとうの』

『魔装化、魔力の鎧、かっけー。わたし、やりたい! やってみたいよ』

「わたしも、まそうかやるー」

「みぃー」『ジョーちゃんはもう半分できているの。わたしたちのアバターは魔力の固まりにゃの。中に入れば魔装化ににゃるの』

「ヴァルキュリアのまそう、つくるのー」

『わたしもー。魔装でヴァルキュリアの魔道甲冑を作るよ』

「みぃー」『美紀ちゃんもジョーちゃんも魔力が多いからどんな物でも作れるの。がんばるの』

ブックマークや★★★★★評価をいただけるとうれしいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。