36 マジックバッグ
『横浜ダンジョンを経由すると、寮の部屋からサザビール社まで10分でこれるね』
「らくなのー」
「みぃー」『美紀ちゃん、サザビール社に入る前に認ちき阻害と隠密を解除ちないとダメにゃの』
『忘れるところだったよー。ありがとね、メグちゃん』
『いくらで売れるかなー』
「おおもうけなのー」
『時間停止機能付きの大容量マジックバッグ3個だからねー』
「みきちゃん、ぐへへなのー」
『しまった。またわたしの探究心があふれちゃったよ』
「たんきゅうしんじゃないのー」
「みぃー」『欲望にゃの』
『最近、ジョーちゃんのツッコミまできびしくなってきたよ。さあ行くよ』
サザビール社に入ると、また受付ブース横のテーブルに、ていねいに案内されたよ。これだけでうれしいね。
担当の女性にマジックバッグ3個の買い取りをお願いしたら、山本さんという60、70歳くらいの男性が出てきて、白手袋をはめて虫メガネを持って、マジックバッグをみたよ。
「みぃー」『あれはアイテム鑑定ルーペにゃの』
『鑑定ルーペ、初めてみたよ。数が足りないからダンジョンから出たら、企業や政府で取り合いになるって授業で聞いたよ』
「ルーペほしいのー。たんていごっこするのー。めいたんていコナキなのー」
『お店に虫メガネを買いに行こうか』
「みぃー」『鑑定ルーペにゃら作れるそうにゃの』
『マジで?』
「みぃー」『マジにゃの。魔水晶と白光大梟の魔核で簡単に作れるの』
『それだったら3個作って、みんなでお揃いにしようか』
「やったのー。おそろいなのー」
「田中さま、マジックバッグはデザインも良くキズも全くありません。極めて良い品です。3個ともオークションへの出品をオススメします。オークションへの出品の場合、手数料が落札額の5%となります。いかがしますか?」
「オークションでお願いします」
「かしこまりました。手続きをしてまいります」
『夏鈴ちゃんにバッグのデザインが褒められたことを教えてあげよう』
「かりんちゃんもよろこぶのー」
「みぃー」『夏鈴ちゃん、レベルが上がるほど加工魔法がうまくにゃっていたの』
『夏鈴ちゃんが練習したのもあると思うけどね。レベル、もっと上げちゃおうか』
「あげたほうがいいのー」
「みぃー」『夏鈴ちゃんは、自分で作った物を売ったお金で普通の高校に通うの。だからたくさん作れるようにレベルを上げて魔力を増やちておいた方がいいそうにゃの』
その後、戻ってきた山本さんにサザビールグループのクレジットカードを作るように勧められたから作っておいたよ。クレジットカードは後日郵送で届くそうな。
『探索者税20%、サザビール社手数料10%、オークション手数料5%で、35%も引かれるんだね』
「みぃー」『次からはオークションにちなければいいの。大量販売にゃの』
「おおもうけなのー」
『そうだったよ。大量販売で大儲けだったね』
◇
「夏鈴ちゃん、ミスリルブレスレットに魔力を流してみて」
「流したよ、えっ」
ミスリルブレスレットの上に積層魔法陣が出てきて、アイテムボックスの個人認証が完了したよ。
「ミスリルブレスレットはアイテムボックスもついているんだよ。今までのマジックバッグより機能が上だから使ってみて。個人認証したから夏鈴ちゃんしか使えないからね」
「個人認証……」
「ミスリルブレスレットは三つ子にも卒院の時に渡すつもりだから」
「三つ子……」
「それとこれ。夏鈴ちゃんが作ってくれたバッグが売れたボーナス。1個あたり100万円だね。高校に行く時のためにアイテムボックスに入れておくといいよ。次からバッグの買い取り価格は1個100万円にアップするから。じゃあまた」
「えっ? こんなに?」
◇
『とおー』
「とおーなのー」
「みぃー」『とおーにゃのー』
わたしたちは華麗に島屋ダンジョンの南側の塀を飛び越えたよ。
「スキンへじゃない伊集院さん、マジックバッグ、オークションで1個32億円で売れましたよー」
「お前か。そりゃあ売れるだろう。あの容量で出し入れも思考操作で手を使わずにできるからな。32億でも安いくらいだ」
「収入が税金手数料を引いても20億8千万円ですよ。いきなり大金持ちです」
「お前、そういうことを絶対に周りに言うんじゃないぞ。友人でもだ。変なやつが寄ってきたり、犯罪に巻き込まれるぞ。気をつけろ」
「わかりましたー」
「これの買い取りもお願いします」
「いつものレベル59の魔石か。今回も多いから3回に分けて計量器に入れてくれ」
「はーい」
『とおー』
「とおーなのー」
「みぃー」『とおーにゃのー』
◇
「田中さま、マジックバッグ6個ですか?」
「はい、これをお願いします」
「拝見します」
サザビール社に行ったら、今度は応接室みたいなところに案内されたよ。山本さんもすぐに出てきたね。
「前回のオークションで32億円でしたので、こちらは1個30億円での買い取りでいかがでしょうか? 税金、弊社の手数料を引きまして、田中さまの元には1個あたり21億円となります」
「それでお願いします」
「今後もマジックバッグの売却予定はございますか?」
「はい」
「承知しました」
「田中さまに提案がございます。弊社サザビールグループ、サザビール証券の口座作成はいかがでしょうか? サザビール証券であれば1つの口座で、イギリス、ドイツ、アメリカの株式取引も可能です」
「みぃー」『株取引にゃの! 超富豪ゲームでやったの。とうちや企業買収で超富豪を目指すの! 美紀ちゃん、口座を作るの!』
「ちょうふごうゲームなのー。わたちもやるのー」
『証券口座を作るから、メグちゃん落ちついてね』
「証券口座の作成をお願いします」
「書類を持ってきますので、少々お待ちください」
『メグちゃん、急にどうしたの? びっくりしたよ』
「みぃー」『超富豪ルーレットで超とうち術発動なの。超錬金術なの』
『メグちゃん、超富豪ゲーム、好きだったねー』
「わたちもすきなのー。わたちもかぶとりひきしたいー」
『超富豪ゲーム、わたしが株取引するとお金がすぐになくなったんだよね……』
「みぃー」『美紀ちゃんがルーレットを回すとトラブルや災害が起こったの。でも、あれはゲームにゃの。現実では大丈夫にゃの』
『そうだよね。あれはゲームだよ、ゲーム』
「そうなのー。ゲームなのー」
『メグちゃんもジョーちゃんも株取引やってみたいんだね。だったら証券口座のお金を3つに分けて、みんなでそれぞれ好きなように株取引してみようか?』
「やったのー、かぶとりひきなのー」
「みぃー」『わたちの腕がにゃるのー』
山本さんに、株式取引をするなら伝話があった方がいいと言われたから、携帯伝話の契約をしたよ。
ジョーちゃんは携帯伝話機に興味があるみたいで、その日のうちに情報板領域に取り込んじゃった。だから普段はジョーちゃんに携帯伝話機を持ってもらっているよ。
◇
養護院の院長先生に寄付を申し出てみたよ。
院長先生が寄付金集めに苦労しているのを由美ちゃん情報でよく知っているからね。
わたしがまだ高校生だと言って、院長先生がうなずかなかったから、またスキンヘッドおじさん(伊集院さん)に相談して、説得に参加してもらったよ。
スキンヘッドおじさんには、お礼をたくさん送っておこう。
ついでに料理ができる大人が1人いればいいなということで、院長先生に誰かいないか聞いてみたよ。ご飯作りは結構な重労働だからね。
前に養護院に来ていた佐藤先生が料理が得意だから頼んでくれるって。
うまくいけば中学生女子組は、ご飯作り主任からご飯作りお手伝いに格下げだね。
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