表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちび白猫と小さな赤ちゃんと現代ダンジョンへ  作者: 南瓜と北狐


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/90

32 魔法陣開発

「市立図書館には、付与魔法陣の開発のしかたを説明をしているような本は見当たらないですね。魔法科のある大学の図書館で探した方がいいと思います」

「検索してみましたが、県立図書館にはそのような専門書がないようです。魔法の専門書を置いている書店ならあるかもしれないです」


 図書館の司書さんにお願いして、付与魔法陣の各部の解説や開発のしかたを書いてある本を探してもらったけど、図書館にはないみたい。

 付与魔法の魔法陣の作り方や開発のしかたは、刻印魔法の魔法陣作りにも使えると、メグちゃん(アドバイスさん)が言っていたから、付与魔法陣の本を探しているところだよ。刻印魔法の本なんて、どこにもないし。


「なかったのー」

「みぃー」『専門書にゃの』

『魔法科の大学の図書館ってわたしたちも入れるのかな?』

「みぃー」『たぶん入れるから、ちしょさんもオススメちてくれたの』

「おおきなほんやさんにいくのー」

『近くにあるから行ってみようか。メグちゃんのラノベやジョーちゃんの絵本も買っちゃおう』

「きんぎょのほんにするのー」

「みぃー」『ちん刊が出ているはずにゃの。いくの』


  おもしろい本を見つけたよ。もちろんマンガの最新巻もいろいろあったけど、今回はそれじゃないよ。

  30年前に画期的だと言われた温水魔法の付与魔法陣、温水魔法陣を開発した時の苦労話を書いてある本だ。

  この温水魔法の登場以前は、出水の付与魔法陣で水を出して、着火の付与魔法陣で水を温めるのが主流だったけど、この2つの魔法陣を重ねて描いて、直接温水を出すようにしたそうな。

  これで魔力消費が大幅に減って、温水魔法陣の温水器が一気に普及したんだとさ。

  開発には魔法陣を重ねる角度を1度ずつ変えたりと、試行錯誤したいろいろな方法が載っていた。

 わたしは、この本に書かれた方法を試してみることにしたよ。


 ◇


 やって来ました。島屋ダンジョン31階層。黒ウサギが駆けまわってるのどかな草原だね。


『発表します! わたしは、この大プロジェクトに魔法陣開発プロジェクトと名づけましたー』

「ぷろじぇくと、かっこいいのー」

「みぃー」『拍手にゃのー』

『ありがとうございます。ありがとうございます。皆さんの清き1票をお願いします』

「さっきのくるまのまねちてるのー」

『まずライトアローの魔法陣に他の魔法陣を重ねて試しちゃおうと思います。わたしはこれに集中しちゃうから、メグちゃんとジョーちゃんはボードゲームでもして遊んでてね』

「わかったのー」

「みぃー」『何か手伝うの』

「わたちもー」

『ありがとね。でも本を読みながら、少しずつ試していくからね。お手伝いを頼む時はお願いするよ』



『え〜と、魔法陣のオモテ面とオモテ面を重ねて描いてと。重なる角度も1度ずつずらしていく。ウラ面とウラ面の組み合わせ。オモテ面とウラ面も。これで1440通り。2つの魔法陣を描く順番も入れ替えて試して2880通り。大変だーこれ』

『実験開始!』


  実験では1秒に1つのペースでライトアローとファイヤーアローの魔法陣の組み合わせを試していったよ。

 温水魔法陣の人たちの時は、全部手描きでやるしかなくて、魔法陣の組み合わせを1組試すのに丸1年もかかったそうな。

 わたしは情報板領域と情報板が使えるから、1組50分くらいでできるんだよね。これがチートなのかも。メグちゃんは初級魔法の魔法陣を教えてくれたし、ジョーちゃんは情報板を使わせてくれている。2人に感謝だね。

 組み合わせた魔法陣は、ほとんど発動しなかったけど、なぜか黒煙が出たり小さな爆発が起こる物もあった。光と火の組み合わせなのに不思議だね。そして30分もしないうちにファイアアローと明らかに違うまばゆい光をまとった炎の矢が飛んでいった。


『変なの出たー。ちょっと微調整してと。11.4度の角度が一番いいかな』


 あっさり成功した事でわたしの心にムクムクと欲望じゃなく探求心が湧いてきたよ。

 実験の成功が出るたびにわたしの心は更なる探求心に支配されていった。

 欲望じゃないよ。立派な淑女は暑がらず寒がらず欲しがらずらしいからね。そんな人いないような気もするけど。



「みぃー」『美紀ちゃん、もう晩ご飯の時間……変な笑い方をしてるの』

「ぐへへなのー」

『ぐへへなんて言ってないよ』

「みぃー」『言ってたの』

『うぐっ……今日の成果を披露するよ』


『ライトアローとライトアローの組み合わせが一番攻撃力があったんだよ。いくよー。ファイエル!』


 ライトアローとライトアローの魔法陣を組み合わせた魔法陣から、強い光が出て地面を削った。遠くの方で黒ウサギがキョトンとこちらを見ている。


「みぃー」『光属性の中級魔法レーザーだそうにゃの。成功ちたの。おめでとうにゃの』

「ぷろじぇくとせいこうなのー」

『ジョーちゃん、まだまだプロジェクトは続くよ。わたしの探求心に火がついてしまったからね 』

「ぐへへーなの」

「みぃー」『美紀ちゃん、また変な笑い方にゃの』


 探求心だよ。欲望じゃないからね。


 アドバイスさんがメグちゃん経由で、組み合わせ魔法陣隠蔽用の刻印魔法陣をくれたよ。前にもらった魔法陣隠蔽用の魔法陣とは違う物だね。他で組み合わせた魔法陣を使う時には、この魔法陣を必ず重ねてほしいそうな。

 メグちゃん談によると、アドバイスさんにもいろいろ事情があるんだとさ。


 ◇


 夏休みに入ってから2週間、びっくりするくらいの成果が出ているよ。メグちゃんとジョーちゃんは飽き始めているけど。


 攻撃魔法では、ファイアアロー✕ファイアアローでフレイムランス。ファイアボール✕ファイアボールでファイアボム。ロックバレット✕ロックバレットでロックキャノン。ウィンドウカッター✕ウィンドウカッターでウィンドウボム……

 

 回復魔法では、キュア✕キュアでハイキュア。ヒール✕ヒールでハイヒール。ライトヒール✕ライトヒールでライトハイヒール。ウォーターヒール✕ウォーターヒールでウォーターハイヒール……


 防御魔法では、ファイヤーウォール✕ファイヤーウォールでファイヤーフィールド。ウォーターウォール✕ウォーターウォールでウォーターフィールド。障壁✕障壁で結界……


 補助魔法では、パワー✕パワーでハイパワー。クイック✕クイックでハイクイック。隠蔽✕隠蔽で隠密。浄化✕浄化で清浄。認識阻害✕認識阻害で認識変換……


「よくぼうのちょうりなのー」

『欲望の勝利じゃないよ。探求心の勝利だからね、探求心』

「みぃー」『欲望ぐへへに見えたの』

『メグちゃん、ジョーちゃん、この成果はメグちゃんの初級魔法陣情報とジョーちゃんの情報板、そして何より温水魔法陣の開発ノウハウという先人の大きな知恵があったから、得られたんだよ。わたしの探究心の話なんて小さな話だからね』

「わかったのー。ちいさなはなちなのー」

『先人たちの苦労に報いるために、もっと開発するよ』


 わたしはココロに燃え盛る欲望のままにいってみることにしたよ。昨日寝る前にピコンとひらめいた中級魔法陣を組み合わせたらどうなるかを。レーザー魔法陣✕レーザー魔法陣で。


『ふっふっふー。メグちゃんとジョーちゃんに今日の成果を披露するよ』

『総員、耐ショック耐閃光防御用意!』

「みぃー」『いつでもいいの』

「じゅんびしたのー」

『じゃあ、ファイエル!』


  レギオン戦で見た時のような強い光が地面を大きく削っていったよ。


「みぃー」『光属性の上級魔法ジャッジメントレイだそうにゃの』

『ジャッジメントレイ。名前もかっこいいね。わたしの必殺技に決定だよ』


 ちょっと興味があったから、ジャッジメントレイの魔法陣に魔力をたっぷり注入して最大威力の確認してみた。魔力たっぷりジャッジメントレイは地形破壊兵器だったね。取扱注意だ。

ブックマークや★★★★★評価をいただけるとうれしいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ