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ちび白猫と小さな赤ちゃんと現代ダンジョンへ  作者: 南瓜と北狐


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24/90

24 宿題と髪色派閥

 撫子ちゃんと学食に行ってみたよ。メグちゃんとジョーちゃんは初めての学食に興奮して飛びまわっている。


「美紀ちゃん、そんなに食べられますの? どう見ても取りすぎすぎですわ」


 自分のトレイを見てみた。うどんにカレー、親子丼が乗っていた。トレイからはみ出しそう。どれもおいしそうで、目移りしているうちに全部とっちゃったんだよね。撫子ちゃんはうどんだけだ。


「わたしは成長期だからね。これくらいはペロリと食べられるかも。成長期だから」

「無理だと思いますわ」


 トレイにギリギリ乗ったお昼ご飯たちと、お腹にギリギリの戦いを繰り広げたよ。食べすぎたよ。お腹がポンポコで動けなくなった。動いたら危険。


「食べすぎですわ」


 そんなことないよ。近くの席に座っていた村上海里ちゃんは、トレイ2枚いっぱいに乗せたお昼ご飯をペロリとたいらげていたよ。わたしの2倍の量だよ。


  学食、おいしくて安かったです。ごちそうさまでした。毎日、来よう。ダンジョンに行ってたら来れないけど。

  学食の横の売店で売ってるメロンパンもおいしそうだったよ。メロンパンの間にクリームが挟んであって、チョコがちょこっとコーティングされてるやつ。明日、買ってみよう。


 ◇


「宿題多すぎ。7限目までの授業全部に出てるから山盛りだよ」

「座学の日はずっとこんな感じだそうですわ。2年の人が言ってましたの」

「これがずっと……」

「探索者高校では、ダンジョン実習で授業時間が減っていますの。だから宿題をレポート代わりにして単位をとっていくそうですわ」

「単位かー。でもこんな量、終わらないよね。明日も宿題が増えるし」

「探索者高校では、みんなで手分けして宿題をやって写し合うのが伝統だそうですわ」

「伝統……」

「ひとりでやるなら提出を待ってもらって、土日に片づける方法もありますわ」

「撫子ちゃん、いっしょにやろ」

「わたくしはそのつもりでしたの」

「宿題いっしょにやろ。昼寝できない」


 斜め前の席の村上海里さんが、グルッと振り向いて、わたしたちに話しかけてきたよ。いつもの眠たげな表情じゃないね。


「村上さん?」

「宿題無理。お願い」

「村上さんもいっしょに3人でやりますわ」

「村上さん、よろしくね」

「海里でいい」

「海里ちゃん、よろしくね」



 こうして宿題グループに村上海里ちゃんも加わったよ。無口気味な女の子だ。

 海里ちゃんは、ダンジョン実習のパーティもまだ組んでなかったから、パーティも3人で組むことにしたよ。


 ダンジョンアタックはお休み中。平日は宿題に追われて行けないし、土曜は撫子ちゃんや海里ちゃんと買い物に行ったり、遊びに行ったり、メグちゃんやジョーちゃんと遊んでいるからね。高校生になれて良かったー。


 日曜は毎週養護院に行ってるよ。ジョーちゃんも黒金魚のクロに会いたがっているし。養護院を卒院した時の月イチ訪問計画? 計画は見直されるためにあるんだよ。

 今は寮のご飯の幸せシステム「ご飯、お味噌汁おかわり自由システム」を養護院に導入することが優先。おコメと業務用炊飯器、出汁入り味噌とワカメを差し入れして、ご飯当番の子たちと炊飯してお味噌汁を作って、アイテムボックスに作りためている。

 業務用炊飯器は40個追加注文したよ。お味噌汁も炊飯器で作れるそうだし、炊飯器ごとアイテムボックスに入れておく方が手間が減るからね。

 業務用炊飯器が重くてひとりで運べない問題は、小さなマジックバッグを、持ち運び用に作って解決済み。これでたぶん大丈夫。


 ◇


 今夜の寮の晩ご飯は、豚肉のショウガ焼き+キャベツ、ご飯、味噌汁、お新香。

 お肉が毎晩続いているから幸せだ。養護院のみんな、ちゃんと食べてるかな? 肉まんの差し入れとお肉の差し入れ、どっちがいいか迷うね。両方にしよう。

 豚肉の生姜焼きにはマヨネーズが合うよね、とおいしくいただいていると、食堂のテレビで北朝鮮の軍事侵攻のニュースをやっていたよ。


「本日未明、北朝鮮が韓国に軍事侵攻を開始しました。北朝鮮軍は既に韓国の首都ソウルに入り、韓国軍との市街戦が起こっている模様です。ソウル支局からの中継です」

「こちらソウルでは北朝鮮軍の物と見られる魔道甲冑部隊と韓国軍の魔道甲冑部隊の間で激しい戦闘が続いています。北朝鮮軍の物と見られる軍用魔道甲冑はロシアの物と酷似しており、北朝鮮がロシアから供与または技術提供を受けたとの見方が広がっています……」

「大日本帝国政府は事態の推移を注視すると共に邦人の救出を行なうと発表しました。海軍による邦人救出のための船を派遣するほか、対馬沖に艦船を移動させ警戒を強める方針です。空軍も対馬基地に航空機を移動させ即応体制に入る見込みです……」


  ソウル支局の人、まだ中継を続けているよ。早く避難した方がいいと思うよ。さっき隣で何か爆発していたし。


 豚肉の生姜焼きマヨネーズ和え、おいしかったです。ごちそうさまでした。

 

  1月のロシアのウクライナ侵攻は、国際連合臨時総会でアメリカが中心になってロシアへの非難決議を採択したんだって。非難決議の賛成国はギリギリ過半数で残りは反対か棄権。

 国際連合軍は派遣される見込みがないんだとか。世界ダンジョン不戦条約は効力をうしなったという話が出ているそうな。


 ◇


 Hクラスの男子は、金城くんの金髪派閥、赤間くん赤髪派閥、青山くんの青髪派閥に別れて、三つどもえの派閥抗争を繰り広げている。揉めている原因は菜々子ちゃんのパーティ所属だって。

 派閥の男子は髪を染めるルールがあるのか、ほとんどの男子の髪は金髪赤髪青髪に変わってしまった。クラスの浸食率はそろそろ6割を超えそう。わたしも染めないといけない気がしてきたよ。



 朝のホームルームの時間、ゴリラみたいな筋骨隆々の紫髪男が教室に乱入してきた。学年主任兼A組担任の大久保先生だそうな。


「探索者高校は軍学校の衛星校と言われている。理由はわかるな」

「「「「はい! 」」」


 わたし、わからないよ?

 金髪の金城くんや赤髪の赤間くん、青髪の青山くんもハキハキ返事をしているね。いつもの偉そうな態度どこいった?


「そうだ。探索者高校には軍学校の受験を失敗した奴が多い。つまりお前らの事だ」

「「「はい! 」」」

「お前らは陸軍大学校、陸軍省、ダンジョン省を目指している」

「「「はい! 」」」

「お前らのライバルは多い。全国の陸軍学校、衛星校。そしてお前らの隣にいる奴らだ。馴れ合う奴らは弱い。馴れ合うな。ライバルは蹴落とせ」

「「「はい! 」」」

「仲間を作るのは陸軍大学校や陸軍省、ダンジョン省からだ」

「「「はい! 」」」


 清美ちゃんたちは軍学校でどうしてるかなー。清美ちゃん、由美ちゃん、智也は大丈夫だと思っているけど、孝弘はなー。捕まらないように祈っておくよ。


「魔物を1体でも多く倒せ。1秒でも長く、深くダンジョンに潜ってレベルを上げろ」

「「「はい! 」」」

「挫折を経験したお前らは強い。エリートづらした軍学校の連中を見返してやれ!」

「「「はい! 」」」

「お前らを落とした軍学校を見返してやれ!」

「「「はい! 」」」

「学校対抗戦で勝って、お前らの強さを思いしらせてやれ!」

「「「はい! 」」」


  大久保先生は教室の扉を乱暴に閉めて出て行った。


『すごかったねー』

「びっくりちたのー」

「みぃー」『変にゃ先生だったの』

『やっと金城くんたちが学校対抗戦に執着している理由わかったよ』


  のんびり素敵高校ライフの実現は、難しそうだね。

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