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ちび白猫と小さな赤ちゃんと現代ダンジョンへ  作者: 南瓜と北狐


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18 アパートの賃貸

 本屋さんやおもちゃ売り場、100円ショップで買い物を済ませたわたしたちは1階の食料品売り場にきたよ。カートに買い物カゴを乗せたら、買い物ツアースタートだ。


「みきちゃー、3わりびきシールなのー」

『でかしたよ、ジョーちゃん。チキン南蛮弁当だって。買いだー』

「みぃー」『おにぎりは1割引にゃの。美紀ちゃんがお昼に食べているツナマヨおにぎりもあるの』

『メグちゃん、ありがとう。わたしの好きなツナマヨおにぎりは10個まとめ買いだー』

「みきちゃー、つなまよおにぎりしゅきー。わたちもしゅきー。かうのー」

『ジョーちゃんが食べられるようになった時のために、欲しい物があれば買ってアイテムボックスに入れておくといいよ。メグちゃんも欲しい物があったらどんどん買っちゃおう』

「みぃー」『おかち売り場に行きたいの』

『行っちゃうよー』

「みぃー」『これにするの』

『チョコフレークかー。いいね。5袋買いだー。好きな物をカゴに入れてくれればいいよ。後でわけよーね』

「わたちはこれー」

『キャンディー、いいね。わたしも買っておくよ』


 みんなでワイワイ買っていたら楽しくなって、レジかご4個分も買っちゃったよ。2往復してね。調子にのって冷凍食品も買ったけど、レンジを買ってしまうのもいいね。どこでもお弁当や料理を温められるよ。


 ◇


「すいませーん。アパートの賃貸物件を見たいんですが」

「きみ、お母さんは?」

「いえ、わたしが借りたいんです」

「春休みだからって、いたずらはダメよ。お母さんといっしょにきてね」

「いたずらじゃないです。わたしが」


 探索者銀行の口座にお金が貯まったから、養護院の当番を休ませてもらって、新しく住む家を探しにきたよ。1軒目の不動産屋さんはいたずらだと思われてしまって失敗。


「みぃー」『美紀ちゃん、次の不動産屋さんに行ってみるの』

『そうだね。メグちゃんとジョーちゃんと住む新しい家だからね。がんばるよー』

「わたちもがんばるのー」

『いっしょにがんばろうね』


「すいませーん。アパートの賃貸物件を見たいんですが」

「いらっしゃいませー……お嬢ちゃん、ひとり?」

「はい。わたしが借りたいんです」

「ダメだよ。小学生の子供には貸せないからね。借りたいなら保護者といっしょに来なさい」

「わたし、中学校を卒業しています。それに探索者免許証だってあります」

「お嬢ちゃん、いたずらでも探索者免許証を作ったら警察に捕まるからね。今日は見なかったことにするから、もう帰りなさい」


 2軒目の不動産屋さんでは、小学生とまちがわれて失敗。わたしは中学校を卒業しているのにね。


『わたしはこんなことではくじけないよ。みんなの家のために突撃だー』

「とつげきなのー」

「みぃー」『とつげきにゃのー』


『メグちゃん、ジョーちゃん。わたしはもうダメみたい。ここはわたしにまかせて先に行って』

「みぃー」『美紀ちゃん、ここは頼むの。わたちたちは先にボスをたおちて待ってるの。必ずくるの』

「?? みきちゃー、いっちょにいくのー。めーなの」

『ごめんね。ジョーちゃん、上手くいかないから、メグちゃんと劇をして遊んでいたんだよ。メグちゃんもやるね。ちゃんと合わせてくるなんて』

「みぃー」『ラノベのテンプレにゃの。バッチリにゃの』

「げきなのー? びっくりちたのー。めーなの」

『びっくりしたんだ。本当にごめん。さすがに5軒まわって全部ダメだったから、ちょっと気分転換してみたんだよ』


 7軒目でなんとか話を聞いてもらえたけど、高校進学じゃなく、専業探索者で保証人もいないと言ったら、ていねいにお断りされて退散。口座の金額を見せる暇もなかったよ。

 一度養護院に帰って戦略を練り直すことにしたよ。残念。


 ◇


 養護院に帰ったわたしを待っていたのは、探索者高校からの郵便だった。なんだろうね?


『メグちゃん、ジョーちゃん、これ見て。やったよ! 補欠合格だって! 入学手続きだって! 寮にも入れるって!』

「ごうかくなのー。もやさなくてよかったのー」

「みぃー」『良かったの。本当に良かったの。どうにゃるかと思ったの。燃やさにゃくて良かったの』

『今日はちょっとくじけそうになったけど、最後に幸せが待っていてくれたよ』

「しあわせなのー?」

『そうだよ。幸せー』


 補欠合格を養護院の子たちにも知らせたよ。みんな実はわたしのことを心配してくれていたんだって。院長先生は新しい4歳組の子たちを迎えに行っていてお出かけ中。スキンヘッドおじさんにも知らせにいかないと。清美ちゃんたちはまだダンジョンから戻ってきてないね。予定より2日くらいは延びるかもとは言っていたけど。早く教えたいね。

 本当に良かったーー。



 ◇


「みんなー整列。清美ちゃん、由美ちゃん、智也、孝弘のこれからの活躍を祈って、敬礼!」


「みぃー」『けいれいにゃの』

「けいれいなのー」


 わたしの合図に合わせて、養護院の子供たちが一斉に敬礼をする。ちょっと揃ってないけど、そこはご愛嬌だね。これだけの人数で敬礼すると圧巻だ。おもしろそうだから、みんなで練習してみたよ。メグちゃんとジョーちゃんもかわいく敬礼に参加だ。

 今日は3月31日。清美ちゃんたちが卒院して、軍学校に移る日。明日にはもう入隊式があるそうな。ずっといっしょだった4人ともこれからは別の道を進むことになる。


「見送りありがとうなー。差し入れ持ってくるからなー。美紀ちゃんもまたなー」

「こんな風に見送られると照れるわ。みんなも美紀ちゃんもまたね」

「まずい。俺の左目の封印が解けそうだ。力が抑えきれない。みんな、俺に力を借してくれー」


「ひだりめなのー、ちからをかしゅのー」

『ジョーちゃん、智也の真似をしたら中二病になっちゃうよ』


「みんな、僕の活躍を期待しておいて。ビッグな男になって帰ってくるよ」


 智也と孝弘は最後まで相変わらずだったね。これでずっといっしょだった4人とは別の道を歩き始めることになる。ちょっと置いていかれたような気がしてさびしいね。と言っても軍学校と松高探索者高校は歩いて20分のご近所さんだから、会おうと思ったら、毎日でも会えるけどね。

 4人には、餞別に魔鉄のブレスレットを贈っておいたよ。身体に気をつけて使っておくれ。


 ○魔鉄のブレスレット(物理魔法防御力10%増、状態異常耐性10%増)

    材料 ブレスレット2万円、魔核6万円


 探索者高校の入学式は4月7日だから、わたしが養護院を卒院するのは4月5日の予定。それまでに養護院の厨房用マジックバッグ(時間停止)や畑用マジックバッグ(時間停止)を作って使い方を教えておこう。マジックバッグを活用すれば節約できて、ご飯レベルが上がるはず。

 魔力灯やテレビ、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、レンジ、掃除機他用に魔石も確保しておこう。島屋ダンジョンに行ったら、すぐに集められるし。

 メグちゃん、ジョーちゃんとお花見にも行かないとね。


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