表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちび白猫と小さな赤ちゃんと現代ダンジョンへ  作者: 南瓜と北狐


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/90

17 ひさしぶりのダンジョン

「あおーげばー♪ とおーとしー♪ わがーしのー♪ おんー♪」


 中学校の卒業式もつつがなく終わって、女子は制服の第2ボタン狩りをしている。メグちゃんとジョーちゃんはその見学に行っているよ。

 ちょっと不良の入っていた男子の一部がボンタン狩りじゃーと騒いでいた。テレビでやってた映画の[ピーパップハイスクール]の影響を受けたみたいだ。


 クラスの子たちが、高校や連絡先の話をしている。みんなキラキラ光って見えるよ。わたしはドヨーンだ。4月からの進路も住むところも決まってないからね。

 探索者高校の2次募集の合格発表は今週の金曜日。結果を聞くまで落ちつかないよ。


『神さま仏さま、合格できるようにお願いします。もうあとがないんです。天国のお父さん、お母さん、力を借して』


 清美ちゃんたちは軍学校に入るまでに、お金を稼いでおきたいと言って、養護院の当番が休みの時にダンジョンに潜っているよ。

 浅いところだと儲からないから、明日から10日間ほど泊まりがけでダンジョンに潜る予定。深いところまで潜る時は、途中の魔石や魔核は拾わないと聞いたわたしは、落ちつかない気分を紛らわすために新作マジックバッグを作ってみた。これでもったいないオバケも大丈夫。


 ○巾着袋形マジックバッグ

   巾着袋1万円、魔核3千円 加工費0円

    マジックバッグ

     容量  2m×2m×2m

     入出庫 手動

     検索  無し

     保管  通常時間

     補助  無し


 これならどこにでもあるありふれたマジックバッグだから目立たないよね。

 清美ちゃんたち4人には進学祝いとして。院長先生、福田先生、マリア先生、佳代ねえ、哲雄にい、スキンヘッドおじさんにはお世話になったお礼で。計10個完成。さっそく渡してこよう。


 ◇


『落ちたー落ちちゃったよー』

「こころのあせなのー? なみだなのー?」

『ジョーちゃん、ごめんね。もう涙が止まらないんだ。なんでー、なんでー』

「みきちゃ、ないたら、めーなのー。ヨシヨシなのー」

「みぃー」『探索者高校を燃やちてくるの!』

「わたちも、もやちにいくのー」

『メグちゃんー、ジョーちゃんー。もう泣きやんだよー。燃やしに行くのはダメだよー。メグちゃん、ジョーちゃん戻ってきてー』


 ◇


「こんにちはー。グチにきましたー」

「グチ? ウチはそんな商売はやってないぞ」


 危ういところで放火事件を未然に防いだわたしは、スキンヘッドおじさんのところにグチをこぼしにきたよ。養護院で泣いていたら、ちびっこたちが集まってきちゃうし、メグちゃんとジョーちゃんが放火犯になっちゃうからね。


「残念だったな……やはり高校に行きたいのか?」

「行ければ行きたいです」

「俺の知り合いが、今年、東京ファーイーストインターナショナルスクールを開校する。9月開校だ。初年度だから生徒の集まりが悪いそうだ。今から準備すれば入学はできるぞ」

「東京ファー? インターナショナル?」

「年間学費は400万円だ。お前なら問題ないだろう」

「それは……」

「講師は全て外国人。授業も全て英語だ。国際バカロレア資格が取れるぞ」


『英語で授業かー。バカロレア?バカの最上級とか?』

「みぃー」『おもちろい言葉にゃの。バカロレアにゃの』

「ばかなのー。ろれあなのー」


 院長先生の知り合いに雇ってもらうにしても、東京ファーイーストインターナショナルスクールに行くにしても、先立つものは必要。わたしは八つ当たりも兼ねてダンジョンに潜ることを決意したよ。


 ◇


「こんにちはー。買い取りお願いしまーす」


 スキンヘッドおじさんにもらった防具と鼻ティッシュを装備して、ダンジョンに潜った成果がこれ。養護院の当番の合間をぬってだけどね。


 11階層 ワイルドボアゾンビ

        レベル14魔石 523個 収入54万9150円

 12階層 ワイルドウルフゾンビ

        レベル15魔石 551個 収入61万9875円

 13階層 レッドブルゾンビ

        レベル16魔石 511個 収入61万3200円

 14階層 キラービーゾンビ

        レベル17魔石 525個 収入65万2800円

 15階層 キラースパイダーゾンビ

        レベル18魔石 497個 収入67万950円

 16階層 キラーバイパーゾンビ

        レベル19魔石 471個 収入70万6500円

 17階層 ホブゴブリンゾンビ

        レベル20魔石 503個 収入75万4500円

 18階層 オークゾンビ

        レベル21魔石 467個 収入73万5525円

 19階層 グール

        レベル22魔石 483個 収入79万6950円

 20階層 リビングアーマー[ゲートキーパー]

        レベル28魔石 10個 収入2万1000円

 21階層 キラーセンチビートゾンビ

        レベル23魔石 624個 収入107万6400円

 22階層 キラースコーピオンゾンビ

        レベル24魔石 603個 収入108万5400円


 5日間で魔石の収入が合計828万2250円。もうびっくりだよ。

 島屋ダンジョンは10階層ごとに広くなるようで広くなった分、魔物との遭遇が増えたよ。魔物が多すぎて立ち止まったら囲まれるのも1階層と同じ。

 魔石個数のアップに貢献したのは新兵器のアイテムボックスだ。見ただけで魔石を拾えるから、たぶん拾い残しなし。メグちゃんもジョーちゃんもお手伝いで大活躍してくれたよ。


 20階層のゲートキーパー部屋では、リビングアーマー10体と宝箱1個が出てきたよ。みんなの合唱による宝箱開封の儀を経て、出てきた中身がこれ。


 ○美容品セット 10セット

   皮膚改善薬(シミ消し薬) 1個

   皮膚再生薬(肌ハリツヤ薬)1個

   紫外線遮断薬(日焼け止め)1個

   皮膚調整薬(基礎化粧品) 1個

   脂肪代謝促進薬(やせ薬) 1個


 開封済みの宝箱は、ジョーちゃんがおいしくいただきました。ジョーちゃんの宝物を入れるために宝箱を集めるんだって。宝箱の正しい使い方だね。宝物を見せてもらったら[表面がつるつるピカピカの土団子(ジョーちゃんの自信作)]と[ウネウネ模様の石]、[金魚形の髪飾り]、[金色のボタン]、[小さなコップ]、[竹とんぼ]、[押し花]他バラエティーに富んでいたよ。赤ちゃんの成長は早いね。


 ◇


「協会のデータベースに買い取り価格が記載されているから、買い取りはできるが安いぞ。1セット1万円だ。やせ薬には特記が付いているな。[身体全体の脂肪の減少と合わせて顔面、胸部、臀部の脂肪も減るため、販売時は添付文書にて警告、使用の結果が全て自己責任になることについて許諾書の記名捺印を求めること(過去民事訴訟に発展)]」

「胸やお尻の脂肪も減っちゃうってことですね」

「そうだな」


「みぃー」『清美ちゃんたちは、そろそろおしゃれをするとちごろにゃの。プレゼントすればいいの』

「おちゃれなのー。わたちもしゅるのー」

『わたしもオシャレをする年頃だったよ。これはキープだね。せっかくだからスキンヘッドおじさんの奥さんにも使ってもらおう』


「これは持ち帰りますね。せっかくだから1セット奥さんにでもどうぞ」

「いらん。お前が使えばいい」

「失礼しまーす」


 わたしはそのまま出張所から飛び出したよ。桜が咲き始めているね。わたしの桜は散ったけど、メグちゃんやジョーちゃんとお花見に行くのもいいかも。


「おい、待て」


『あーばよ。スキンヘッドのとっつぁん』

「あーばよなのー。しゅきんヘッドなのー」

「みぃー」『またやってるの』

『お昼ご飯の買い置きがなくなったから、スーパーに寄るよー。メグちゃんもジョーちゃんも好きな物を買っていいからね』

「みぃー」『今日はちんかん発売日にゃの。買うの、買いに行くの』

「びーだまかうのー」


ブックマークや★★★★★評価をいただけるとうれしいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ