第31話【残り41日:岬さんを誘え】
第31話【残り41日:岬さんを誘え】
3月26日
放課後。
コロッケ屋さんの前に僕たちはいた。
マサオはスケジュール表みたいな紙を睨むように見ていた。
「じい調べだと、岬は運動部の仲間と帰りに、ここのコロッケを食べる習慣があるらしい」
「そうなんだ」
「ここで岬を誘え」
「無理だよ、友達と一緒だし」
「弱音を吐くんじゃねぇ! 岬以外は俺と子分どもで引き付ける」
岬さん達が笑いながら歩いてきた。
「よし行け! 子分ども!」
ヒヨコたちが岬さんの仲間の足元にピヨピヨ鳴きながらすり寄る。
岬さんの仲間はヒヨコに夢中だ。
徐々に岬さんと距離を開く。
仲間が離れた隙に、マサオが僕を背後から蹴飛ばした。
「いたっ!」
岬さんの前に飛び出す形になった。
「ペンギンさんの友達」
「あ・・・神奈月です」
「何してるの」
「あ、ええと・・・」
物陰から見守るマサオ。
(遅ぇ! 言い出しがが遅すぎる! このヘタレが!)
我慢できずに飛び出す。
「おい、岬! そいつと・・・・・・うっ!!」
―—バタッ!!
マサオがその場に倒れた。
「マサオ! 大丈夫!?」
慌てて抱き上げる。呼吸が荒い。
「・・・何でもねぇよ」
マサオが呼吸を整える。
「下ろせぇ!」
暴れ出す。
「オラァ、ちゃんと誘えよ」
後ろからベシベシ叩いてくる。
僕は戸惑いながら、とりあえず一歩前に踏み出そうとした。
が、後ろに引っ張られた。
マサオが僕の服を後ろから掴んでいた。
「マサオ?」
服を放す。またベシベシ叩いた。
「早くしろぉ!」
「神奈月くん」
「は、はい」
「ペンギンさんは神奈月くんのこと大好きなんだね。辛そうだから一緒にいてあげてよ!」
僕たちの様子を見ていた岬さんがキリッとした顔で笑う。
そして仲間の元へ向かっていった。
――残り41日




