第26話【残り167日:ふわふわ神奈月家】
第26話【残り167日:ふわふわ神奈月家】
11月20日
「おい、俺が入るコロコロ持って来い」
「なんで」
「お前の家に行くんだよ」
「なんで!?」
執事の長谷川さんが後ろに控え、すでに高級のお肉を手土産に用意していた。
――
神奈月家。ふわふわした空間。
「あらぁ~、冬太のお友達? 可愛いペンギンさんね。こんなに高級なお肉、悪いわね~」
エプロン姿の母さんが出迎える。長谷川さんが答えた。
「いつも高級な炭酸をいただいているそうなので、どうぞお受け取りください」
(いや、自動販売機なんだけど)
「今から感謝の手紙をしたためるから、冬太の部屋で待っていてもらって~」
階段を上がるのにゼィゼィ言うマサオ。
以前よりも体力が落ちたようだ。
抱き上げようとしたら、バシッ!と叩かれた。
2階、冬太の部屋。
「なんだよ、したためるって、いらねぇよ」
「もらってあげてよ。 喜びが溢れるそうなんだよ」
マサオは部屋をキョロキョロと見ていた。
写真が飾ってある前で止まる。
幼い柴犬と兄と僕。大きくなった後の僕たち。
「兄さんと、ユキマルだよ」
「・・・」
「どうしたの?」
「・・・お前の家、狭いな」
「普通だよ」
「うちは地下にワインセラーがある」
「ペンギンだよね」
ガチャっ!!――兄、登場。
「あ、兄さん。おかえり」
「ペンギンが来てるらしいな!」
「ガァー」
「こいつ、目つき悪いな。面白い!鯖缶やるよ」
マサオの目の前に鯖缶を置いて去っていく兄さん。
「庶民の食べ物なんて・・・」
と、ブツブツ言っていたが。
「俺専用の食器をくれ」
「ないよ、そんなの」
「庶民の食器でいいから持って来い」
食べる気満々なので鯖缶を開ける。
「美味い!庶民の食べ物やるじゃねぇか!」
「良かったね」
1階を探検するマサオ。おばあちゃんと遭遇。
「誰だこいつ!気配がないぞ」
「隣の家のおばあちゃんだよ。目が悪いから気をつけてあげて」
「お饅頭食べるかい?」
「いただこう」
「マサオ、お腹空いてるの?」
「美味い!」
夕食のテーブル。
貰ったお肉でしゃぶしゃぶになった。
マサオもテーブルを囲む。
母さんと兄さんと僕、マサオの4人で一緒に食べていた。
食後、母さんと兄さんはお酒を飲み始めた。
マサオは既に炭酸で出来上がっていた。
「おい、マム!料理上手いな!俺の専属シェフにしてやるよ」
「あら、光栄ね」
「喋るペンギン面白いじゃん」
(馴染んでいる)
翌朝。
「俺、吞み過ぎて、ペンギンが喋る幻覚を見たわ」
「私もよ。ペンギンさん可愛かったわね」
マサオは夜中に長谷川さんが回収していった。
――残り167日




