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第25話【残り199日:成長しないヒヨコ】

第25話【残り199日:成長しないヒヨコ】


10月19日


「ピョ」

「・・・ねぇ、マサオ」

「なんだよ」

「ヒヨコ、成長してなくない?」


空気が止まる。


「・・・何だと?」


見比べる。

変わっていない。

全然。


「お前ら怖ぇよ!」

「喋るペンギンに言われたくないよ」


ヒヨコ達が僕の靴の紐をかじったり、引っ張ったりしていた。


「わ!やめて」


ヒヨコは跳んだり跳ねたりしている。

元気アピールみたいに。


「ごめんね。元気なら良いんだ」


マサオが異形のものを見るような目で。

ちょっと怯えていた。


(変なやつだな)

(マサオが一番普通じゃないのに)


「オラ、子分ども」

「エサ食え」


マサオがミミズに慣れてきていた。

背後から執事の長谷川さんが現れた。


「じい!遅いぞ」

「本日は最高級の牛肉の赤ワイン煮込みでございます」

「置いといてくれ」

「神奈月様、失礼いたします」


僕に一礼して、銀のトレイをテーブルに置く。

その後。

マサオがヒヨコ達にミミズを与える。

その勇姿を執事の長谷川さんは温かい目で見守っていた。


ヒヨコ達へのエサを与え終える。

「ふう」と、ひと仕事やり終えた感のマサオ。


「マサオ様」

「何だよ」

「ヒヨコ専用フードが販売しております」


「それ早く言えよおぉぉぉおおお!!」


マサオはブチギレた。

羽をジタバタ。ゴロンゴロン転げまわる。


「俺は虫が大嫌いなんだよおぉぉ!!」


執事の長谷川さんはニコニコの笑顔をしていた。

マサオの真似をして、ヒヨコ達もジタバタする。


(こいつら、今日も可愛いな)


今日も僕は、この非日常に癒されていた。


――残り199日


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