第23話【残り238日:文化祭の準備】
第23話【残り238日:文化祭の準備】
夏休みが終わり、学校は文化祭の準備で慌ただしくなっていた。
マサオも基地内で何かを一生懸命カリカリと書いていた。
ヒヨコたちも謎の音楽をかけて、ダンスの猛特訓。
向こうも忙しそうだ。
僕は両手で段ボールや買い出し品を持って運んでいた。
「おい神奈月、ちょっと話がある」
(うわ、またか)
中庭。火車くんが近づいてきた。
「今、忙しいんだけど」
「お前・・・」
「・・・」
「あの変なペンギンを使って、岬さんの気を引こうとしてるだろ」
「え? してないよ」
「岬さんは最近ペンギングッズにハマっている」
「・・・そうなんだ」
その時。
「――待て」
壁から人のような影だけが見える。
「誰だよ!」
「黙れ愚民! 岬に恋して使用済みのボールペンを狙う暇があったら、炭酸水を飲め!」
「なんで俺の心の声、知ってんだよ!!」
火車くんが絶叫した。
「岬は、ペンギンと“ペンギンを可愛がるやつ”をいじめるやつは嫌いだぁ!」
(この声、マサオだな)
「あと、最近はモンブラン味のプロテインにもハマっている!」
火車くんが僕の方に振り返る。見たことのない笑みだ。
「神奈月、仲よくしような」
「え」
「あのペンギンにも、よろしく言っといてくれ」
火車くんは去っていった。
反対に後ろの方から騒がしい声が近づく。
「ペンギンの目撃情報を確認!」「あっちよ!」「捕まえなさい!」
風紀委員3人組が網を持って駆けて来た。
「あ、ヤベ!」
マサオは逃走した。
――残り238日




