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186 そして、終戦

今回はかなり短いです。

「ガルタイト王都から光が……!」


「結界を最大限に! 爆風が来る!!」


 魔導馬車でスピードを速めてガルタイト王都から離れる事に成功した途端、その王都から光が発生し……。


「ぐううっ!!」


 その直後に爆風がこちらまで及んできた。

 結界を張っているおかげで、魔導馬車などにダメージはないが、衝撃は伝わってくる。


「あの爆風……、まるで私達の世界での核爆弾レベルだよ……」


 未だに止まない爆風にひなたがそう嘆く。

 戦後に産まれた俺達が、核爆弾がどれだけヤバいのかは実感できないが、今回の安川が仕込んだものは確かにそれに匹敵するヤバさだった。

 それを証明するかのように、ガルタイト王都の周辺がほぼあの【時限爆弾(パイツァダスト)】によって壊滅したのだ。


「ひどいね……」


「うん。 王都周辺や森などがほぼなくなってる……」


『幸いなのは、特殊な物質反応がないという事だな』


『ええ。 しばらくすれば、ガルタイト地方の再開発も可能になるでしょうね』


 合成魔獣(キメラ)に仕込んだ【時限爆弾(パイツァダスト)】の威力を見て、アイリスやエミリーが怒りを露にするも、アルトの言うように特殊な物質……、いわば放射線反応が無いのが幸いか。

 ならば、サクラの言うように、少ししてからガルタイト地方の再開発も行えるだろう。

 そんな事を考えていたら、アイリスが持つ水晶玉が反応した。


「はい、アイリスです」


『こちらクロウ。 無事か?』


「はい。 私達はみんな無事です。 他の人達は?」


『他の魔導馬車に乗っている者もみんな無事だ。 しかし、まさかヤスカワがあんな仕込みをするとはな……』


 水晶玉による通信相手はクロウ中佐だった。

 彼によれば、鴫野や後輩達が乗った魔導馬車も戦車隊もみんな無事だったようだ。


「唯一の救いは、メイジフォックスウルフのアルトちゃん曰く、あの爆発に特殊な物質反応がないらしく、少し待てばガルタイト地方の再開発が可能になると」


『確かにな。 とにかく君達も無事でよかった』


「これで……、終わったんですよね」


『ああ、そうだ。 色々後始末があるが、禁術を使ってまでかき乱したガルタイトによる混乱は終わったんだ』


 終わった。

 確かにそうだ。

 勝ったのでも負けたのでもない。

 ただ、今回の戦いが終わったんだ。


 その証拠として、終わった故の代償がたくさんあった。

 今さっきの爆発によるガルタイト周辺の森などの消失だったり、ヘキサ公国の壊滅だったり。

 数えだしたらキリがないだろうな。

 俺もひなたも、何人かかつてのクラスメイトや糞だったとはいえ教師を殺してるしな。


『とにかく中間基地へ戻ろう。 お疲れ様会は、そこで行うとしよう』


「そうですね……」


 未だに燻る煙を見ながら、俺達を乗せた魔導馬車や戦車群は、中間基地へ目指して進めていった。


 とにかく、本当に疲れたな……。

 そう思いながら、由奈にもたれ掛けるように意識を失った……。



次回からエピローグ数話挟みます。

人物像もそこで後書きか前書きに載せて行きます。


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