176 ガルタイト王城内
残りの敵を鴫野達や七絵と由伸君以外の後輩、そしてゼイドラムの戦車隊などに任せて、俺達はついに正面からガルタイトの城内に入り込んだ。
念のため、クリスタがトラップをサーチしてみたが、反応はなかったようだ。
「トラップが仕掛けられてないのは救いだね」
「ああ。 だが、代わりに奴らが出て来たぞ」
『残りのクローンホムンクルスか』
『確か4体でしたわね……』
「くそっ! まさか、ここまで来るとは……!!」
「まだだ! ここで足止めをして、時間を稼がせないと……!」
安川の姿をしたクローンホムンクルスの4体が、俺達に気付いて戦闘態勢を敷いた。
奴らは足止めと言ったか?
多分、合成魔獣の事なんだろうけど、こっちとしてはそうはいかない。
「悪いけど、時間稼ぎはさせないから」
「お、お前は……!」
「湊の暗殺だったり、胡桃のいじめの援護だったりとよくもやってくれたわね。 まずは、クローンのあんた達を倒すから!」
「やってみろよ、裏切り者があぁぁぁぁ!!」
七絵が安川のクローンホムンクルスを挑発し、奴らを怒らせる。
自分の思い通りにいかないと発狂するのは、聞いてはいたが実際にこの目で見るのは初めてだな。
「言っておくけど、倒すのは私じゃないから」
「何を……げばぁっ!?」
「一番槍ってね」
「余りにも真っすぐ過ぎて私達に気付かなかったようですね」
「な、なぁぁ!?」
発狂して七絵に突撃する二人のクローンホムンクルスの側面から、由奈とイリアさんがそれぞれ二人を槍で心臓部を貫いたり、爪で抉り取るように引き裂いた。
片方がかなりグロいが、まだ二人残っているし、手早く片付けたいな。
「二人がこうもあっさりと……!? 俺様達は、強化されて強くなったってのに……!」
「悪いな。 俺達もここまでボーっとしてたわけじゃないからな。 ここに来るまでに強くなってるんだよ」
「う、嘘を言うなぁぁぁ!!」
「アキトさん!」
「冷静さを無くしてるか。 オリジナルに比べると所詮クローンってか」
「があぁぁぁぁっ!!」
一体のクローンホムンクルスが発狂して俺に襲ってくるが、余りにも真っすぐすぎるので、回避しやすい。
七絵達が召喚されて間もない時のクローンホムンクルスの方が冷静だったんだがなぁ。
「うおぉぉぉぉ!!」
「……クロスブレード」
「がはぁっ!!」
一方で、由伸君に襲って来たクローンホムンクルスは、由伸君が持つ【勇者】の技で切り裂かれた。
ただ、死ぬには至っていない。
止めは、当然彼女が受け持つからだ。
「えいっ!」
「ごぼっ!」
由伸君の背後から胡桃が魔導銃でクローンホムンクルスをハチの巣にした。
かなりいい部分に命中したので、それによってクローンホムンクルスは絶命した。
「な、よ、4号!?」
「4号ねぇ。 じゃあお前はクローンホムンクルスの1号って奴か?」
「う、うるさぁぁぁい!!」
「お前やオリジナルが無能と罵った胡桃に撃たれたのが気にくわないか?」
「があぁぁぁぁっ!!」
がむしゃらに剣を振るう最後のクローンホムンクルスは、俺の言葉に我を失ってる。
奴が無能扱いにした胡桃に撃たれた事が気にくわなかったようだ。
そろそろ遊びを終わらせようか。
「ぬぅん!!」
「ごぼぁぁ!!」
まず、俺が目一杯のボディーブローを腹部に繰り出す。
腹部を殴られたクローンホムンクルスは、蹲る。
「さて、そろそろ止めといこう。 じゃあな」
「が……っ!」
蹲るクローンホムンクルスの心臓部分を狙って剣で突き刺した。
貫通された奴は、そのまま血を吐いて息絶えた。
「これで、クローンホムンクルスは駆逐したか」
「ボク達はあまり出番がなかったね」
「うん……」
クロウ中佐がそう呟く傍らで、エミリーとクレアは出番がなかったことに残念そうにしていた。
キミらの出番はそろそろあるから、そういう発言はやめようか。
「次は安川とヘイトだね。 そろそろ玉座に向かわないと……」
「まさか、ここまでしてやられるとはなぁ……」
「っ!!」
ひなたがそろそろ玉座に向かわないとと言った矢先に、声が聞こえた。
警戒をしながらその声の主に殺意を向ける。
「クローンホムンクルスもいなくなったし、俺様が出るしかないよなぁ」
「安川……! 安川 凶……!!」
「そのオリジナルのお出ましか……!」
クローンホムンクルスよりは目つきが厳しいが、見た目がイケメンの性格が最悪の七絵や胡桃にとっては嫌な男。
オリジナルの安川 凶が、ついに俺達の前に現れたのだ。
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