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171 いざ、ガルタイトへ

 そして翌日の昼。

 トイレや荷物などの準備を終えて、改造された魔導馬車に乗って北地区の門までゆっくり向かっている。

 というのも、他国からの兵士がガイアブルクの南へ出発していると聞いているので、安川に悟らせないようにこっちは北の方から回り道して、まずはイリアさんやクロウ中佐のいる中間基地へ向かうという事になったのだ。


「この魔導馬車、トイレの個室も増えてるし、ボク達みんなが寝やすいように拡張されてるね」


「そうだな。 クレハ共和国解放戦後に貰った時は、4人くらいが限度だった気がするな」


「ああ、私達が迎えに来た当時を思い出したけど、あの時はトイレは一個だけだったね」


「シャワー室は広くなってるし、快適になったね。 あと、門を出てからガルタイトまで1日で着くのが楽しみだね」


「どれだけのスピードで走るかだね。 普通の馬車とかだと近道を通っても7日、改造前の魔導馬車でも3日か4日は掛かるしね」


 改造された魔導馬車の内部でエミリー達が周りを見回しながらそう言いあっている。

 確かに、前はトイレが一つしかなく、シャワー室も狭く、乗り込める人員は最高で4人くらいが限度だった。

 それを魔改造して俺達みんなと荷物を収容できるように大きくしたようだ。

 あと、馬型の魔導人形(ゴーレム)も重力魔法の強化とスピードの強化が図られた。

 これで、どれだけ悪い道を走っても重力魔法が働いて揺れないし、倒れないようだ。

 人の手によって倒されない限り。


 ゼイドラムの魔法技術、恐るべし!


「あ、お父さんがいる」


「国王も見送りにきたのか?」


 さて、もうすぐ北地区の門に差し掛かる所で、クリストフ国王が騎士団と共に待っていた。


「やあ」


「お父さんも見送りに?」


「そうだね。 私は国を守らないといけないから、ここにいないとダメなんだがね」


「なるべく早く片付けて戻ってきますよ」


「うん。 アキト君達も因縁の地だろうと、自分達の信じる強さで立ち向かって欲しい」


「はい」


「他のみんなもアイリスと共にアキト君やひなた君、ユナ君やクルミ君を支えて欲しい」


「「「はい!」」」


 クリストフ国王は、簡単に俺達へ向けた激励の言葉を紡ぐ。

 俺やひなた、由奈、胡桃や鴫野達や後輩達にとってはガルタイトは因縁の場所だろう。

 それでも、ここまで来た自分達の強さを信じて戦う事が重要だろう。


「それでは、後続の馬車に居る人たちにも激励しないといけないが、まずはイリア君達がいる中間基地を目指すといい」


「はい。 クロウ中佐から場所を教えてもらったので、インプットしております」


「なら話は早いな。 では、必ず生きて帰って来るように! 健闘を祈る!!」


「「「「はいっ!!」」」」


「では、行ってきます。 国王様」


 クリストフ国王による話が終わり挨拶を交わした後で、いよいよ俺達の魔導馬車は、北地区の門を出る。

 そして、次第に馬車のスピードは上がっていく。


「すごいね。 窓から見てもスピードが上がってるのが分かるよ」


「でも、揺れないね。 すごいよ」


「後続もついてきてるな。 ゼイドラムの【クラフター】の人達がやってくれてるんだろう」


「クロウ中佐から連絡が入って、場所を教えてもらったって言ってたね」


 エミリーが言うように、馬車はかなりのスピードで走るが、重力魔法を強化してくれたおかげで全く揺れない。

 なので、1日はゆっくりできるな。


「中間基地まで1日掛かるし、その間はゆっくりしようか。 魔物や盗賊は結界に阻まれて何もできないっぽいし」


「そうだね。 また色々なお話をしようか?」


「ついていける話で頼むぞ?」


「あはは……」


 1日の時間を雑談に費やすあたり、俺達らしいというか何というか……。

 とにかく俺達はガルタイトへ向けて馬車を走らせるのだった。


 待ってろよ、安川。

 そして、ガルタイト!



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