172 対ガルタイト中間基地
「あ、もしかしてあのコテージみたいな建物じゃないかな?」
「どうだろうな。 アイリス、確認を頼むよ」
「うん、待ってて」
改造された魔導馬車の中でゆったり一晩過ごした次の日の朝。
ガルタイトへ向かう際の最初の目的地でもある、中間基地にもうすぐたどり着く。
出発前にクリストフ国王がアイリスに教えた目印を早速アイリスに確認してもらう。
「間違いないよ。 あの青い朝顔の旗印はゼイドラムの国旗だからね。 あと、魔族の国の旗印の竜の顔もあるよ」
「偽装の可能性は?」
「魔族の地でしか採れない素材で作られた布で急ごしらえて作った旗だからね。 まだ、ヤスカワのユニークスキルのクールタイム中に作ったみたい。 だから大丈夫だよ」
確認したところ、ゼイドラムの旗印と魔族の旗印が確認されたので間違いはないとの事。
由奈が偽装の可能性を指摘したが、安川がまだユニークスキルが使えない期間に作られた旗のようなので問題はないようだ。
しかも、魔族の地でしか採れない素材で作られた布とか……、そこも気になるなぁ。
「あ、向こうでイリアさんが手を振ってる」
「本当だ。 後輩達や鴫野達にも中間基地に到着したと伝えてくれ」
「うん」
基地に近づいていく所で、俺達に気付いたのか、イリアさんが手を振っているのをひなたが確認した。
そこで俺は、アイリスに鴫野達や後輩達に基地に着いた旨を伝えるように言った。
魔導馬車も少しずつスピードを落としていく。
「じゃあ、降りる準備をしようか。 一応、トイレは済ませてくれよ」
「うん、分かったよ。 アルトちゃん達は?」
「もちろん連れて行く。 彼らも戦力だしな」
『承知した』
みんなにはトイレなどを済ませるように伝えた。
本丸へ向かう時にもそのタイミングはあるが、おそらく最終確認が長引く可能性もあるからな。
当然ながらメイジフォックスウルフの家族も連れて行く。
テイムした魔物の中では最高の戦力だしな。
女性陣がトイレを済ませたタイミングで、丁度馬車は中間基地に到着した。
「アキトさん、皆さん、お待ちしてました」
「ガルタイトの様子は?」
「ここまでまだ激しい動きはないですね。 多分、合成魔獣作成に集中していたのでしょう」
イリアさんにガルタイトの様子を聞いたが、やはり合成魔獣作成に集中しているのか、大きな動きはないようだ。
そうなると、ガルタイト内で確実に合成魔獣と戦う事になりそうだな。
「やあ、アキト君。 改造した魔導馬車の調子はどうかな?」
「怖いくらいに順調でしたよ、クロウ中佐」
イリアさんの後ろからクロウ中佐も出てきて、改造された魔導馬車の調子を聞いて来た。
ある意味怖いくらいに調子が良かった事を伝えると、笑みがこぼれていたようだ。
「大きな動きはないようだが、兵士型のホムンクルス少数と一体のクローンホムンクルスの小競り合いはあったな。 まぁ、我が軍とイリア嬢たち魔族の力ですぐに片付いたが……」
「おそらく、斥侯のような役割を担ってたのでしょう。 基地を見つけられる前に偵察部隊で片付けました」
とはいえ、一度は小競り合いがあったようだ。
斥侯的な役割を担った兵士型ホムンクルス少数と一体のクローンホムンクルスが基地付近を偵察していた部隊が発見し、これを処理したと言う。
今の所、それ以外は動きはないという事だろう。
「別の方角から他国の部隊も来ますので、彼らが到着し次第、作戦会議に入ります」
「分かりました」
「アキト君達にも期待してるぞ」
「はい!」
他国の部隊が到着し次第、作戦会議に入るようだ。
イリアさんもクロウ中佐も俺達に期待している。
ガルタイトにいい思いがない俺達だが、二人の期待には応えないといけないな。
そう思いながら、中間基地の中へ馬車と一緒に入るのだった。
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