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168 閑話~その頃のクロとミナト~

今回は閑話です。

クロと安川に一度殺され、ガルタイトのメイドホムンクルスに憑依転生したミナトの話です。

 暁斗達が安川にいいようにされたガルタイトへの決戦に向けての訓練を行っている頃、クロとミナトはエリス王女と共にあるアジトへと向かっていた。

 エリス王女率いる諜報部隊が発見したのは、排他主義思想をも抱えている他国民の受け入れ反対派のアジトだ。

 場所はガイアブルクから西へ魔導馬車で2日掛かる森の中に構えているようだ。


「新たな魔導馬車がゼイドラムから支給されてなかったら、もっと時間がかかってましたね」


「そうですね。 トイレの問題もありますし。 この魔導馬車、トイレが完備されてますし」


 ミナトとクロは、魔導馬車内でそんな話をしていた。

 二人の実力は、エリス王女も認めているので、早期の壊滅の為に頼んだのだ。


「それにしても、他国からの移民の受け入れを徹底して反対する派閥ね……。 確かに移民の中に問題ある者が含まれているのは理解できるけど」


「徹底的な排他主義が問題視されてたようですね。 国同士のつながりも重要なのに、それすらも反対しているっていう事実が新たに分かったようですし」


「ボクが一度殺されて、今の身体に憑依転生される前にそういう事件があったみたいですよ」


「オリジナルが使ったダンジョンを作る禁術によるものですか。 あのスタンピードの前にもあったんですね」


 自国ファーストなのと、移民の中に問題のある者が含まれているのは二人も理解していた。

 だが、今回壊滅させるアジトにいる者が抱えている思想は、徹底した排他主義でもあるのだ。

 国同士のつながりでさえ、猛反対していたという。

 その思想を抱えた兵士たちによるトラブルもあった事をエリス王女から教えてもらったようだ。


「国同士の繋がりすら認めない思想は、国際問題につながるから早期の排除に動いたんでしょうね」


「そのための私達なのでしょう。 決戦の為にも早期に片付けましょうか」


「うん。 そうですね」


 今回の思想は、かなり危ない思想であり、国際問題にも繋がるようで、エリス王女はそれを防ぐために早期の排除に動いたようだ。

 ミナトとクロをスカウトしたのも、その要員としてだ。


「あ、見えましたね。 どうやらあそこが目的の森のようですよ」


「そこにアジトがあるんですね。 腕が鳴りますよ」


「程々にしましょうね、ミナトさん」


 暫く走ってると目的のアジトが隠れている森を発見した。

 メイド服を着たミナトがやる気満々な状態をクロが諫めつつも、二人はいつでも出れるように準備を始めたのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 アジトに侵入し、諜報部隊と共に首謀者と同じ思想を抱えた者を駆逐し終えた後で、三人は首謀者の遺体を見た。

 そして、エリス王女はこう嘆いた。


「まさか、あのガルタイトに占領され、禁術の生贄要因にされた【アーカルム王国】の生き残りの公爵が首謀者だったなんてね」


「どんな国だったんです?」


 エリス王女の呟きにクロが質問をした。


「ガルタイトに占領される前から、他国からの移民や魔族を受け入れない排他主義を抱えてました。 それゆえにガルタイトの恰好の材料になったんでしょうけど」


「他国との協力が必須な状況で、その思想を貫いたらねぇ」


 エリス王女が答えた内容にミナトは表情を歪ませる。

 他国との協力も必要な情勢で、そんな思想を貫いたら他国は協力しないのは目に見えている。

 それが、ガルタイトにとっての格好の材料となったのだろう。


「ともかく、ガルタイトに攻め入る前の懸念事項の一つは排除できました。 これでガルタイトに攻め入ることが出来るでしょう」


「そうですね。 そろそろ決着もつけないといけないでしょうし」


 色々な疑問が浮かんでくるが、ひとまず懸念事項の一つは排除できたとエリス王女は言う。

 これでガルタイトとの決戦にも安心して挑むことができるようだ。


「では、そろそろ帰りましょう。 クロさんもミナトさんもありがとうございました」


「いえ、これが仕事ですので」


 エリス王女からお礼を言われた二人は、魔導馬車に乗り込み共にガイアブルクへと戻っていく。

 なお、報告はエリス王女自身が行ったようだ。


 そして、ガルタイトとの決戦も段々と近づいていく……。


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