167 アイリスからの最新情報
「俺達が使ってる魔導馬車をグレードアップさせる?」
「うん。 既にゼイドラムの技術者がここガイアブルクに来ててね。 馬型の魔導人形から手を付けてるみたい」
「重力魔法のグレードアップとか?」
「それだけじゃなく、スピードアップも図るみたい。 ここからだと普通の馬車だと途中の町で宿泊するなりして4日は掛かってるし、今の魔導馬車だと直通でも2日は掛かるけど、それを所要時間1日で済ませるようにするみたい」
「えげつない改造になるね……」
場所を変えて、アイリスの別荘の地下で最新の情報を聞く事にした俺達。
まず、アイリスから口にした情報はゼイドラムから現在俺達が使ってる試作型の魔導馬車をグレードアップさせるというものだった。
既にゼイドラムの技術者が来ており、絶賛作業中とのこと。
これが出来れば、普通の馬車で宿泊込みで約4日以上、今までの魔導馬車の性能だと2日掛かるのが、ガルタイトまで1日で着くと言う。
確かに安川のユニークスキルが発動するまでのクールタイムは3か月。
今日で約三週間経過してるので、実質あと2か月で、出発の準備やイリアさん達との合流などを考えれば訓練はせいせいあと1ヶ月と14日くらいしか出来ない計算だったからな。
由奈曰く、えげつない魔改造になりそうだが、それでも協力してくれるのはありがたい。
「あと、ゼイドラムの一個戦隊が既にガルタイトに向けて進軍してるみたい。 イリアお姉ちゃん達魔族がいる中間基地へ合流するみたいだけど」
「ゼイドラムの方も既に一部進軍していたか」
「そこの指揮官は?」
「クロウ中佐だよ」
「あの人か……。 なら、安心して俺達も準備できるかな」
さらに、クロウ中佐が指揮官を務めるゼイドラムの部隊がガルタイトに向けて進軍しているようだ。
まず、イリアさんがいる中間基地への合流を目指すようだ。
率いているのかクロウ中佐なら、知っている顔なので俺達も動きやすい。
「次は、最初のダンジョン事件で起こった例の移住者受け入れ反対派の最大拠点がエリスお姉ちゃん達やクロさんとミナトちゃんによって壊滅したそうだよ」
「あいつらか……」
「クロさんとミナトさんもエリス王女と一緒に向かってたんだね」
次に最初のダンジョン事件で起こった反対派の妨害だが、エリス王女率いる諜報部隊やクロとミナトによって壊滅したらしい。
ガルタイトに攻め入る前の懸念事項だったから、これで何とかなりそうだ。
自国ファーストは別に構わないが、排他主義は流石にな……。
「ちなみにその最大拠点があった場所と首謀者的な奴は?」
「ガルタイトに占拠された【アーカルム王国】の公爵だったみたい。 クロさんによって戦死しちゃったみたいだけど」
「ガルタイトに占拠された国の公爵か」
「あそこはガルタイトにやられる前から他国の人を受け入れない思想を抱えてたからね。 ここや他国の排他主義をも抱え込んで組織を作ってたみたい」
「なるほどねぇ。 じゃあ、その国がガルタイトに占拠された後はどうなったの?」
「七絵ちゃん達の召喚の為の生贄にされたから、あの公爵以外は誰もいなかったと思う」
「あの公爵が実質の生き残りだったわけか」
七絵達が召喚されるきっかけとなったあの術の生贄を【アーカルム王国】から利用していたのか。
つまり、あの公爵が実質の生き残りだったため、今回の戦死でアーカルム王国の者が一人もいなくなり、排他主義も滅びたわけだ。
「他のガイアブルク周りの周辺国も協力してくれるみたいだし、後は私達が強くなる事だね」
「そうか……」
「とりあえず、私達のバックが多くなるのは心強いね」
「うん」
ガイアブルク周りのゼイドラム以外の他国も協力してくれるそうだ。
それなら心強い。
後は、俺達がより強くなって安川やヘイト国王を利用して作った合成魔獣に対抗する力を身に付ける事だ。
クロやミナトはともかく、鴫野や京終さん、リックさんとリリアさんや後輩達も強くなってきているからな。
「じゃあ、私はそろそろ魔法系の子達の訓練をしていくから、お兄ちゃん達は休んでて」
「ああ。 明日にはその子たちと交えてもいいか?」
「いいよ。 新たなヒントも得られると思うし。 じゃあ、行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
そう言って、アイリスが地下の部屋から出て行った。
残った俺達は、そのまま休んでおこうと思う。
休むことも重要だしな……。
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