165 決戦に向けた暁斗達の強化 その2
「あ、ひなた」
「ひなたちゃん」
「あ、暁斗くん。 由奈ちゃんも」
由奈と槍の訓練をした翌日、俺と由奈は西地区の町を走っている所でひなたを見かけたので声を掛けた。
どうやら、ひなたが先にランニングしていたようだ。
「エミリーさんやアイリスちゃん達は?」
「別荘周辺をランニングしているよ。 魔法メインの人だから、まずは別荘周辺で走っておくってことだろうね」
「俺達みたいに動き回るって事は、あまりないからな……」
そんな話をしながら、俺達三人はランニングをする。
なお、アイリスやクレア、エミリーや胡桃などはアイリスの別荘周りを周回する形で走っている。
いきなり俺達みたいなコースを走ると途中でバテるのは目に見えてるので、別荘周辺の周回で慣らしておく方がいいだろうな。
ガルタイトに乗り込んでの最終決戦は、長期戦になるかも知れないから。
「そういえば、昨日は暁斗くんと槍の訓練をしてたんだって? どうだった?」
「まだ踏み込みと一点を狙う部分での甘さが残るけど、いい感じになってるよ」
「手厳しいね」
「まぁ、槍は流石に由奈に分があるからなぁ。 それでもある程度は使いこなさないといけないしな」
「そうなんだよね。 特に合成魔獣がどんな武器が効くのかも分からないからね」
そう。
ガルタイトに攻め込んだら、確実に安川がヘイトに仕込んだ合成魔獣と戦う事になるからな。
その際にどんな攻撃や武器が効くのか、それが分からないので、あらゆる武器を使いこなさないといけないのだ。
「イリアさん達は、先にガルタイトの近くに中間基地を設置して様子をみているんだって?」
「そうらしい。 今の所は動きが無いようだが、多分例の合成魔獣を作ってるんじゃないかって話らしいが」
「安川ならやりかねないのがね……」
さらにクリストフ国王様から聞いた話だが、イリアさん達魔族の一部がガルタイト付近まで先に行って、中間基地を設置して様子を見ているらしい。
現在の所は、大まかな動きはないらしいが、それらがヘイトを使った合成魔獣作成の時間に充ててると考えると楽観はできない。
「ランニングの後、どうする?」
「後輩達の訓練の続きだね。 今回は暁斗くんと由奈ちゃんにも手伝ってもらおうと思うんだけど……」
「いいよ。 他の子達との模擬戦もやっておきたいし」
「俺もそれでいい。 これから先は彼らも必要だからな」
ひなたは、ランニングが終わったら後輩達を引き続き鍛えるようだ。
今回は俺と由奈にも手伝ってもらいたいらしいので、引き受ける事にした。
後輩達の強さを体感するのも重要だしな。
「そろそろ別荘に戻るみたいだね。 アイリスちゃん達も頑張って走ってるかな?」
「大丈夫だと思うけど、様子見てみる?」
「そうだな」
そろそろアイリスの別荘が見えて来たので、一旦別荘に戻っていこうと思う。
別荘周りを周回しているアイリスやエミリー、クレア達が気になるしな。
途中でバテていないかが。
三人とも魔法寄りの人物だしな……。
「ただいまー」
「あ、お、お兄ちゃん達……、ぜぇぜぇ、ランニング……、終わったんだね……」
「うぇー、3周走って疲れるなんて……。 アイリスちゃんの別荘が思った以上に大きかったよぉ……」
「ぜぇ、ぜぇ……。 あ、足が……震えて……」
「あー、こうなったか……」
「暫くは別荘周りは3周でいいかなぁ」
「うん……」
別荘に戻って、庭に向かうとアイリスがへたり込んだ状態で俺達を見た。
エミリーは大の字で、クレアはうつぶせで倒れていた。
三人ともかなり息切れしており、スタミナ関連で課題となったが、流石に周回を増やすのは酷だろうな。
三人ともジャージ姿なのが救いだな。
スカートのまま走って、そんな恰好だったら下着が見える可能性もあったし。
「とにかく今は休んで。 私達は後輩を見ていくから」
「ひなたお姉ちゃんもスタミナがすごいよね」
「前衛系は……、動き回るから……?」
アイリスとクレアが、俺達がまだ動けることに驚いている。
それをよそに、俺達は後輩の元へ向かう事にした。
(そういえば、ゼイドラムの方はどうなってるんだろうな……)
その一方でゼイドラムの動きはどうなってるのかと考えながら。
アイリス曰く、手伝ってくれるって聞いたけどな。
どんな形でなのかはまだ分からないしなぁ。
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