表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
162/190

162 追手部隊との戦いの後で

 ザナ王女が組み込まれた追手部隊を退いた俺達は、ザナ王女を火葬してから南地区の門をくぐった。

 ひなたも立ち直り、元気に振舞っている。

 しかし、ザナ王女からひなたに伝えられた内容からして、ガルタイトはほぼ安川に支配されているとみて間違いないだろう。


「クリスタも大丈夫か?」


「ええ。 でも流石に堪えましたね……。 あれでも姉だったわけですから」


「そうだね。 最後の最後で、僅かな良心を……」


 ひなただけでなくクリスタもザナ王女の死に終始無言だった。

 確かに彼女にとっては、あれでも姉だったわけだから、冷静ではいられないだろうな。


「暁斗君、ひなたちゃん、みんな!!」


「由奈!」


「由奈ちゃん!」


 そこに由奈が俺達の元に駆けつけて来た。

 後輩達の足止めは終わったのだろうか。


「由奈お姉ちゃん、あの子たちの足止めは終わったの?」


「うん。 今は七絵ちゃんと伸晃君が王城へと送って行ってる。 あ、エミリーさんにクレアさん。 こっちこっち」


 どうやら、由奈の方も無事に後輩の足止めは済んだようだ。

 その報告と同時にエミリーとクレアもこっちに来たようだ。

 心なしか息を切らしてるが……?


「由奈ちゃん、飛ばしすぎだよ。 いくら気になる内容があるからって!」


「ご、ごめんなさい!」


「まぁまぁ……」


 流石に飛ばしてきたようで、置いてけぼりを食らったエミリーが少し非難の声明を出す。

 由奈がエミリーとクレアに謝る光景だったが、流石に諫めておいた。

 こっちも早めに報告をしないといけないからな。


「とにかく先に西地区のアイリスの別荘に行こう。 報告もそこでする」


「分かったよ、暁斗君」


「じゃあ、アルトにサクラ。 エミリーとクレアを乗せてやってくれ」


『了解した』


『ささ、エミリー様にクレア様。 私達の背中に』


「う、うん……」


「あー、ふかふかだー」


 息切れしているエミリーとクレアをメイジフォックスウルフのアルトとサクラの背に乗せてから、西地区のアイリスの別荘へ向かう。

 今までの情報の整理もそこで行う予定だ。


「鴫野達やリックさん達、シンシアさんやクロ達もいいか?」


「ああ」


「私もこれでも【勇者】だしね」


「私も大丈夫です」


「俺達も大丈夫だ」


「ボク達もオッケーです」


 一応、鴫野達やリックさん達、シンシアさん、クロ達も同行してもらう。

 関わってる身として色々情報を耳にする必要もあるからな。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ガルタイトが完全に安川に?」


「ああ。 国王のヘイト・ゾア・ガルタイトも安川の何かの実験体にされているらしい」


「あの男ならやりかねないね。 自分の支配欲を満たすために手段を選ばないし」


「うん……。 クローンホムンクルスでさえ……、不快感だらけだったし」


 アイリスの別荘に到着し、トイレなどを済ませてから大広間にて、これまでの情報を伝える。

 由奈とクレア、エミリーはその情報を聞いて表情を歪める。

 その上で、エミリーとクレアはある意味納得の様子をも見せていた。


「それにしても合成魔獣(キメラ)の実験体ですか……」


「クリスタは知っていたのか?」


「ガルタイトが解いた禁術の中に複数の魔物を合成して作り上げる禁術が存在しているのを見ました。 その当時はまだ保管して使ってませんでしたが」


「多分、その男が見つけてヘイト国王を実験体として利用するんでしょうね」


 ヘイト国王がされている実験……すなわち合成魔獣(キメラ)については、一応クリスタは知っていたみたいだが、当時は使わないままだったようだ。

 で、クロは安川がそれを見つけて、血を失いつつあるヘイト国王を実験体にしようと考えているのではと予測していた。

 多分、それで間違いないだろう。


「あの男のユニークスキルが発動するまでに何とかガルタイトに攻め込んでおかないとダメですね」


「そうだね。 ザナ王女もそう言ってたし……」


 ミナトが安川のユニークスキルが発動するまでにガルタイトに攻めないといけないと警鐘を鳴らし、ひなたも同じような事をザナ王女が言っていた事を思い出していた。


「クロ、安川がユニークスキルを発動するまでどれくらいだったかは予想できるか?」


「暗殺計画の当時に作ったあの道具までを予測したら、3か月くらいは掛りますね」


「中途半端な長さだね。 少し厳しいのかも」


 俺はクロに安川のユニークスキルについて聞いてみたところ、一度発動してから使えるようになるまで3か月要するのだとか。

 由奈が感じているように、中途半端な長さなのが不安要素だな。


「とにかく、その間にガルタイトに攻め入る準備をしておこう。 アイリスはクリストフ国王に、シンシアさんはイリアさんに報告を」


「うん!」


「分かりました」


 とにかくそれまでの期間にガルタイトへ攻め入る準備はしておこうと決めた。

 アイリスにはクリストフ国王に報告するように頼み、シンシアさんにもイリアさんに報告するように頼んだ。


 その間に後輩達も鍛えないといけない。

 やることが多い割には時間がないな……。


 とにかく、ぐずぐずしてはいられない。

 ガルタイトとの決戦に向けた準備は、既に始まっているのだから……。


次回更新より、最終章に入ります。


よろしければ、広告の下の評価(【☆☆☆☆☆】のところ)に星を付けるか、ブックマークをお願いします。


作者のモチベーションの維持に繋がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ