154 スタンピード その5
「【エアカッター】!!」
「グゲエェェェェ!」
「ギョエェェッ!!」
「ダンジョン内はほぼ一直線構造だな」
「多分、今回のスタンピードを起こすために作ったんだと思う。 魔物の数が多いし」
ダンジョン内に入った後も、迫りくる魔物を魔法で一掃する傍らで、俺とアイリスは今回のダンジョンの構造について話していた。
何せ、入った瞬間からほぼ一直線みたいな簡易な構造だったからだ。
アイリス曰く、スタンピードを起こすために禁術を使って作られたダンジョンらしい。
「こうなると、これってダンジョンというより魔物の生産工場みたいな感じかな?」
「あまり想像したくはないけどね」
ひなたも由奈もそんな考えに至っていたみたいで、由奈は想像したくはないけどと付け加えていた。
「奥に行けば行くほど魔物も強くなってるな」
「多分、止めを刺す為に生み出された魔物だね。 モデルはギガンテスというサイクロプスの上位種だよ」
「道理で強いと思ってましたね。 ボクやクロさんの攻撃でも一撃で倒せなかったですし」
「いや、憑依転生した二人が化け物なだけだからね?」
そして、奥へ進めば進むほど魔物も強力になっていく。
中には、スタンピードで疲弊した所で止めを刺す役目の魔物もいた。
あのクロやミナトでさえも、一撃では倒せない程の強力な魔物のようで、エミリー曰くサイクロプスの上位種だとか。
「あそこの扉の先にボスらしきものが居そうだ」
「入ってみようか。 分岐の道もないし」
「ああ」
そのまま進むと、扉が見えた。
その先に今回のボスらしきものがいると見た。
みんなに確認を取ってから、扉を開けて入っていく。
「な……!? 何でここまで来れたんだ!? 何でここを知ったんだ!?」
「悪いな。 俺の【鷹の目】で見つけたんだ」
「というか、こいつは……」
「知ってるの?」
入った先の部屋には、水晶玉に手をかざしていた男が一人いた。
奴は俺達を見て、驚き戸惑っていた。
鴫野はその男を知っているみたいなので、ひなたが気になって聞いたようだ。
「あいつは安川の最後の取り巻きだ。 多分、スタンピードを起こすための魔物の生産とダンジョンの維持を任されたんだろうな」
「安川の取り巻きか……」
鴫野は、あの男が安川の最後と取り巻きだと説明した。
あの男は、スタンピード用の魔物の生産とそのためのダンジョンの維持を任されているようだった。
「つまり、こいつが安川の命を受けて、スタンピードを引き起こしたってわけね」
「じゃあ、この男を倒せばダンジョンと魔物は消えるわけだね」
鴫野から説明を聞いた由奈とエミリーが戦闘態勢を敷く。
この男を倒せば、ダンジョンごと魔物が消えるはずだから。
「く、くそっ! 本気で俺様を倒すってのか!?」
「ああ。 でないと、魔物が消えないし、七絵達も危ないからな。 大方、狙いは七絵達だろう?」
「そ、そうさ! あいつらは安川様の邪魔になるから!」
「なら、速攻で倒すしかなさそうだな。 奴がどう仕掛けるかは不明だしな」
「鑑定してみたら、どうもこの男は戦闘能力はなさそうだね。 生産と維持に特化してる」
「サンキュー、エミリー。 なら、サクッといこうか」
「ま、待て……、うわあぁぁぁぁ……!!」
安川の取り巻きなら容赦はしない。
俺は無慈悲にも取り巻きの男を真っ二つにした。
これ以上、奴に調子をつかせるわけにはいかなかったし、七絵達や防衛に参加している人たちに迷惑を掛けるからな。
幸い、奴に戦闘能力はないから、あっさりと斬れたがね。
「お、ゲートが開いたな」
「みんな、入るぞ!」
安川の取り巻きを真っ二つにし、水晶玉もついでに壊した。
すると、ゲートが開いたようだ。
これで、後はみんなでゲートをくぐれば、ダンジョンや魔物も消えて、スタンピードを終わらせることができるはずだ。
「よし、戻ったな」
「ダンジョンも消えたみたいだね。 あと、魔物も」
「やはり、ダンジョンが魔物生産工場的役割だったんだね」
無事にみんなでダンジョンから脱出。
すると周りにいた魔物の群れは、いつの間にか消えていた。
やはり、さっきのダンジョンが魔物を生み出すための施設だったわけだ。
「さて、ダンジョンを攻略したという報告をしよう。 そして、ガイアブルクへ帰ろう」
俺達は、クロウ中佐やルーク王子にダンジョンを攻略したと言う報告をし、魔物が北地区付近からも消えた事を確認してから、ガイアブルクへ戻る。
こうして、安川と取り巻きが引き起こしたスタンピード事件は解決したのだった。
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