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153 スタンピード その4

「【ペインカース】!!」


「グギャアァァァァ!!」


 クロとミナト、そしてひなた達がサイクロプスに程よいダメージを与えた所に俺が【ペインカース】を仕掛ける。

 斬られた痛みに呪いによる激痛で上乗せしたので、流石のサイクロプスものた打ち回るしかないだろう。


「佐々木の奴、エグイ魔法を使うな。 いや、あれは呪いか」


「そうだよ。 【呪術師】の初級呪術の【ペインカース】。 一生激痛に苦しむ呪いを掛ける術なんだけど、さっきみたいに斬られた痛みの後に掛けると効果てきめんなんだよね」


「ホントに敵に回さなくて良かったと思うわ。 あんなのが初級だなんてね……」


 鴫野と京終さんがその様子に戦慄を感じていた。

 ひなたによる説明も相まってか、敵にならなくて良かったと思ってるみたいだ。


「流石は先輩。 クロさん、止め行きますよ!」


「はい! 【エレクトリッガー】!!」


「【ダンシングダガー】!!」


「「「アギャアァァァァ!!」」」


 痛みでのた打ち回っているために無防備になっているサイクロプスに、クロとミナトが止めを刺しに行く。

 クロは【エレクトリッガー】で、ミナトは二つのナイフを手にして【ダンシングダガー】を繰り出す。


「あの技……、初めて見るな。 ジョブの素質にない技か?」


「由奈と同じように、固有のユニークスキルなのかもな」


 ミナトが踊るように繰り出すナイフの攻撃によって二体同時に息絶えたサイクロプスを見て、俺と鴫野はそんな感想を抱いた。

 俺でも初めて見る技なのだ。

 きっと、由奈の魔法の矢と同じくミナト固有のユニークスキルみたいなものだろうな。

 そう思いながらも、俺は残り一体のサイクロプスを真っ二つにして葬った。


「ひなた、他の気配は?」


「今の所ないよ。 でも、油断はできないからね」


「ああ。 由奈、マーカーは?」


「こっちも設置が終わったよ。 アイリスちゃん達を呼ぶね」


「頼む!」


 サイクロプスを倒したのでひなたに気配を確認してもらった。

 どうやら一旦落ち着いたようだが、油断はならない。

 だが、同時に由奈がマーカーの設置を完了したので、アイリス達をここに転移出来る。

 由奈は、アイリス達を呼ぶことにした。

 その間は、俺達は警戒態勢を敷いたままにしておく。

 アイリス達がこっちに転移が終わったと同時に、魔物の群れが出てくる可能性もあるからだ。


「お兄ちゃん達、来たよ!」


「済まない。 北地区の門前は?」


「ゼイドラムの軍の人が頑張ってるおかげで、魔物が町に入れられた形跡はないよ。 数は落ち着いてるけどまだ押し寄せているみたいだからね」


「なら、早くダンジョンに入って根元を叩かないとな」


 暫くしてアイリスと他のみんなが転移してきたので、俺はアイリスに北地区の様子を聞いてみた。

 数こそ収まりつつあるが、未だに押し寄せて入るみたいだ。

 ゼイドラムの軍の人達のおかげで、町には被害が無いのが救いか。


「このダンジョン、この間の奴と同じ魔力を感じるね」


「エミリーも感じたか。 なら、確定だな」


「ああ、安川の仕込みがな。 ならば、早く入った方がいいだろう」


「そうだね」


 エミリーも、目の前にあるダンジョンからこの間入ったダンジョンと同じ魔力を感じたようだ。

 これで、今回も安川の仕込みであることが確定した。

 ならば、尚更早くダンジョンに入った方がいい。


「クロもミナトもいいか?」


「もちろんです!」


「ボクもいつでも行けます!!」


「じゃあ、ダンジョンに入って根元を叩く! 由奈は、クロウ中佐とルーク王子にそう伝えてくれ!」


「うん! パパっと伝えるよ!」


 俺は由奈にダンジョンに入ることをクロウ中佐とルーク王子に報告するように頼んだ。

 由奈もすぐに水晶玉を用意して、報告をする。

 時間が惜しいのか、簡易的にだがあの二人ならすぐに伝わるだろう。


「伝えたよ!」


「よし、じゃあみんな! ダンジョンに入るぞ!!」


「「「おーっ!!」」」


 由奈が報告を終えた事を伝えたので、みんなでダンジョンに突入する。

 北地区の門を守る人たちの疲弊を抑えるためにも、なるべく早めに根元を叩かないといけないな。



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