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152 スタンピード その3

 ブレイバーゴブリンの群れに突撃した俺達は、今の所順調になぎ倒している。

 だが、早くダンジョンに入っておかないと、他のみんながこの【スタンピード】で疲弊してしまう。


 暫くしていると、由奈が息切れをし始めた。


「由奈、大丈夫か!?」


「さ、流石に数が多くて……、疲れが……」


「由奈ちゃん、これでも食べて」


「あ、ありがとう……」


 ブレイバーゴブリンの群れをある程度減らした所で、ひなたが疲労回復の薬草クッキーを渡した。

 これは、北地区にある青い薬草の群生地から採れた【青薬草】を材料にして作られたお菓子だ。

 食べると疲れが回復し、消費したスタミナも戻るので、持久戦には欠かせないとアイリスが言ってたっけ。


「鴫野と京終さんも食べてくれ」


「ああ」


「ありがとう」


 一応、鴫野と京終さんにもその薬草クッキーを差し出す。

 先に薬草クッキーを食べた由奈は、調子を取り戻したそうで、ブレイバーゴブリンを槍と魔法の矢で駆逐していく。


「烈風剣!!」


「ソニックバスター!!」


 俺とひなたも薬草クッキーを食べながら、技を放ってブレイバーゴブリンをなぎ倒す。

 そうしているうちに、ダンジョンの入り口が見えて来た。

 森の中に入ったのだろう。


「もうすぐだね。 あの中に入ってしまえば、後はボスを倒してダンジョンを消すだけだね」


「ああ。 やはり、近づけば近づくほどに安川の魔力を感じ取れる」


「森の中にダンジョンメイクでダンジョンを作るとか考えたね……」


 森の中に入り、ブレイバーゴブリンや新たに現れたリザードマンの群れを駆逐しながら、俺は由奈とひなたとそんな話をする。

 近づけば近づくほど、安川の魔力がはっきりと感じ取れるのだ。


「よし、そろそろ突入だ。 由奈、マーカーを……」


「待って! また別の魔物の気配が……!!」


 そろそろダンジョンに入るので、由奈にマーカーを設置するように依頼した途端、由奈が別の魔物の気配を感じ取った。

 そこに現れたのは……。


「サイクロプス……!!」


「しかも四体も……!?」


 当時、七絵達に出会うきっかけとなった魔物、サイクロプスが立ちふさがって来たのだ。

 あの時は二体だったが、今回は四体。


「さすがに五人で四体を倒すのは厳しいか……!」


「ある程度ダメージを与えて、【ペインカーズ】で激痛を与えた方がいいな」


 鴫野と俺がそんな事を言った矢先だった。


「「ボク達も手伝います!!」」


「え!?」


 どこかから、声がしたと思えば俺達と距離が近いサイクロプスを同時攻撃で駆逐していった。

 この声……、もしや?


「間に合ったね」


「ええ。 まさか、奴がこんな形で仕掛けてくるなんて……」


「もしかして……」


「ミナトに……クロか?」


 倒れたサイクロプスを見ながらそんな話をしている二人に俺とひなたは声を掛けた。

 俺達の声に気付いた二人が、こっちを向いた。

 やはり、ミナトとクロだったか。


「しばらくぶりです、アキトさん、そして皆さん」


「その顔……、整形が無事に終わったんだな」


「ええ、魔力もです。 おかげで本来の力を手に出来ました。 これで皆さんのお手伝いができます」


「ボクもクロさんのパートナーとして、一緒に戦います」


「味方が二人増えるのは心強いよ。 サイクロプスを倒すの手伝って」


「もちろんです!」


「由奈は、その間にマーカーの設置を! 倒したと同時に報告をしてくれ」


「うん!」


 クロとミナトの二人が加わった事で、由奈がマーカーの設置に集中できる。

 俺の指示に従い、由奈がマーカーを設置している間に、俺達はクロとミナトと一緒にサイクロプスに立ち向かっていった。


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