151 スタンピード その2
「あの集団は……!」
「タッツェルブルムとシームルグとリザードマン……!! 共にAランクに近いBランクの魔物です!!」
「かつてのヘキサ公国からさらに北にあったリグレス王国だった場所に生息している魔物だな」
俺とひなたと由奈で道を切り拓こうとした時に見えた魔物の集団の姿が見えた。
その魔物を知っているリリアさんが教えてくれたが、どれもAランクに近い強さを持つBランクの魔物らしい。
リックさん曰く、ヘキサ公国と同様に壊滅したさらに北の王国、リグレスに生息する魔物らしい。
「数が多いね。 これ、下手したら狙いは……」
「王都……だろうね。 今、王都には七絵ちゃん達が引きこもってるから」
「暗殺が失敗したから、こっちに切り替えたのか? とにかく俺達はダンジョンへ向かうために道を切り拓くぞ」
「「うん!!」」
「空の敵はゼイドラム戦車隊に任せよ!」
「じゃあ、私達は冷気魔法であのタッツェルブルムとリザードマンを一掃しないとね」
多分、第一波だろうがそれでも数は多い。
ひなたと由奈は、下手したら王都の七絵達を狙っているんじゃないかと危惧していた。
あの先のダンジョンに、あの時と同じ安川の魔力が感知されており、安川の暗殺作戦が失敗になった事でダンジョン生成によるスタンピードを企てているのではと。
考えても埒があかないので、地上の敵は俺とひなたと由奈で突撃して、アイリスなどの魔術師系は冷気魔法で支援するようだ。
アイリスの言い草から、タッツェルブルムとリザードマンは冷気が弱点なのだろうか?
確かに、両方とも爬虫類のような感じなんだけど。
あと空を飛んでいるシームルグについては、ゼイドラムの戦車隊が受け持つそうだ。
砲弾に巻き込まれないように突撃する必要があるな、これは。
「一気に行くぞ!! はあぁぁぁっ!!」
まず、開戦の合図として【格闘家】の素質を全開にして拳をリザードマンの一体に対して繰り出した。
「ギエェェェ!!」
「グギャアァァァァァ!!」
その拳に当たったリザードマンが粉砕しただけでなく、その周りや後方にいたリザードマンやタッツェルブルムが衝撃波の威力に耐え切れずに粉々になる。
「うわぁ、いきなりキツイの見たよ」
「私達もやらないと。 まだ敵は出てくるからね」
「そうだね。 【ソニックバスター】!!」
「【スゥイング】!!」
俺の激しい攻撃を見たひなたがドン引きしていたが、由奈の発言で我に返る。
敵はダンジョンから次々と出てくるのだ。
ひなたは【ソニックバスター】による衝撃波で、由奈は【スゥイング】で複数の敵をなぎ倒し、道を切り拓いていく。
「一斉砲撃!! てぇーーっ!!」
負けじとゼイドラムの戦車隊がシームルグの集団に対し一斉砲撃を行う。
突然の砲撃に驚くシームルグだが、逃げる間もなく砲弾に直撃し、次々と爆散していく。
しかし、こっちもグロいなぁ。
「「【ブリザード】!!」」
一方で、アイリスやエミリーの他魔術師系の冒険者やルーク王子の親衛騎士が冷気の範囲魔法を放っていた。
地上のリザードマンとタッツェルブルムが次々と凍り付いていく。
アイリスとエミリーは特に魔力が高いから、ブリザードでも威力が高いよな。
「次から次へと出てくるね!」
「ああ、それでもダンジョンには近づいている!」
「一気に行きたいところだけど、新手の魔物が出て来たみたい」
「あれは……!?」
リザードマンとシームルグ、タッツェルブルムの集団を駆逐し続けている間に、俺達は森の中のダンジョンに近づきつつある。
そんな中で、由奈が新たな魔物がそのダンジョンから出て来たのを察知した。
「ゴブリン……? でも肌の色が違うような……?」
「あれは……、ブレイバーゴブリンだよ!!」
「アイリスちゃん!?」
次にダンジョンから出て来た魔物は、赤い肌の色をしたゴブリンだった。
アイリス曰く、ブレイバーゴブリンだというらしい。
確実にダンジョンに入るには、こいつも駆逐しないといけないか……!
「鴫野、京終さん! 大丈夫か!?」
「ああ、何とかやれるさ」
「三人に負けていられないからね……!」
「よし、あのブレイバーゴブリンの群れに突撃して一気に片付ける。 ダンジョン突入が遅れたらこっちが不利になるからな」
「ダンジョンに着いたらマーカーをお願いね。 そこに転移するから」
「アイリスちゃん達もそれまでは守り抜いてよ!」
鴫野と京終さんも何とかやれそうだ。
ダンジョンの突入を早めるために俺達は、ブレイバーゴブリンの群れの中に突撃していった。
後方は、暫くの間はアイリス達に任せて……。
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