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君への愛を世界に叫ぶ

   第八章 終わりを積み重ねた果てに


   1


 そこは、すべての悲劇が始まった施設だ。

 アンジェラが働いており、ベルフェゴールが主に従って研究に没頭していた場所――今は時が経ち、遺跡と呼ばれるようになっている。

 山中に開いた航空機の発着口にヘリは進入した。

 ――ヘリを降り、電源の落ちた施設をライトの光を頼りに進む。

表現としてはおかしいが、すぐに「見慣れた」区画へとたどり着いた。壁の微かな傷などに思い出が刻まれている。

強烈な既視感(デジャ・ビュ)がヴァンに眩暈(めまい)さえ感じさせる。ふらつく足取りの彼を、メディアがそっと支えた。

微かに驚き、彼は彼女の顔を見遣る。

 メディアは無言で肯いた。

 ヴァンはそれに同じ動作で返し、歩みを速める。二人の想いは一緒だ――成し遂げる。

 アンジェラの記憶が化学反応のように、思い出とそこにまつわる場所との接触で感情を溢れさせた。

「メディア――魔法式(プログラム)妨害(ジャミング)』は記録媒体(メディア)に記録して持ってたりはしないよね?」

 ヴァンは歩きながら尋ねる。

「うん」と申し訳なさそうに、彼女は首肯した。

「いいんだ。そんな状況じゃなかったから」

 自分を責めないようにと伝える。

「記憶を直接読み取れば、問題なく魔法式(プログラム)妨害(ジャミング)』を遣えるんだ」

 アンジェラの記憶から引き出した知識を披露した。

「ただ、それをすると魔法式(プログラム)以外の記憶も読み取るにことに――」

 プライバシーの領域に踏み込むことになる。それがヴァンは後ろめたかった。

「いいよ」彼女は真剣な色を瞳に浮かべ了承する。

 それから、無言で彼らは通路を歩いた。


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