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双子ちゃん ! 番外編 その1

久々に投稿します。

誤字脱字はかなりあるでしょう!

それは無視してください。


私はまだ生きてます!

ただ忙しくて、ただ忙しくて……♪

では、皆さま、またお会いしましょう!!

 その日は朝からおかしかった。

 そう、それを本当の事だったと知るのは朝食の時だった。


 朝ごはんの席に、あの姉が居ないのだ。

 食欲魔人ことひかり様がいない朝、窓からの日差しはダイニングを明るくし、テーブルのご飯を一層引き立てている。特に米が光り、照り焼きのブリまでラフ板で光を反射する程に美味しさを醸し出している。


「ひかるくん、お姉ちゃんを呼んできて!」

 朝帰りの母親からの御用命には逆らえない。


「うん」と言ったか、「イエス マム」と言ったか憶えていないが、何らかの返事だけはらすぐに返した。

 姉至上主義のこの家の中で、家内最下位の地位である僕には断わる権限は無い。


 コンコン。


 2度ノックしたのは紛れもない僕の部屋だった。

 そして、このノックに対してのリアクションはない。

 ホントにどうしたのだろう?


 いつも夜中に僕のベッドに入って来るひかり様を僕は邪険に扱うことはない。ただ、ベタベタベタベタして来る姉に背を向けて防御を固めるだけのことだ。

 しかし、男子にとって至極普通のことだけど、女子の髪の匂いってかなり甘ったるくてクラクラしてしまう。


 特に意中の人、つばささんの横に並んでいる時なんか、ひかり様のダミーを演じている時でさえ、興奮を抑えるのは至難の業なのです。

 あの素晴らしい香りだけで、ご飯を大盛り3杯に加え、麺つゆ無し椀子そば20杯は軽くいける。

 だから、いつもつばささんの横に並ぶ途端に頭の中で食べ物レースが始まっているのは僕だけのマイナーな秘密となっている。


 ちなみに頭の中の妄想で満腹になり次第、つばささんを見ながら、ご馳走さまとお礼までしているのだが、ダミーとしてつばささんと一緒にいることへの懺悔も兼ねている。


 そして、つばささんまでとはいかないけれど、実姉のひかり様でさえ、とても良い匂いがする時には、時々意識することもある訳で、そこを分かってもらいたいのが青春真っ只中の男子の率直な意見なのだ。

 だが、それをストレートに言ってしまった過去にひかり様を泣かせてしまったことがあるから、今は僕の心の中の禁句となっている。


 まあ、雑談はここまでとして、どうしよう?

 もう1度だけノックをしたが、やはり返事はない。

 仕方なく、ドアをそっと開けて僕のベッドの上でスヤスヤと寝ているひかりに朝が来たことを告げる。


 最後の手段として、南側の窓からお日さまの光を隠している遮光性のスカイブルーのロールカーテンを開けると、部屋の中は一気に明るくなったと同時に悲劇が起きた。


 ガツンと鈍い音が響くと同時に、僕の頭に激痛が走った。その直後、ゴトッという音が聞こえ、頭に当たった物が僕のスマホだったことが判明した。

 それに加えてスマホのガラス面が割れている。

 痛みが走る頭を軽く触れるが、血は出ていなかった。

 普通に2センチの盛り上がりが出来ただけだ。

 人はコレをたんこぶと呼ぶことは周知のとおり。


 …….痛い。

 このバカひかり、どうしてくれようか。


 ここで大事なことを忘れていた。

 今日はひと月に3度はやって来る恐怖の日であることを!

 ひかり様のラジオ番組の収録日にして、僕の女装(ダミー)の日だった。

 業界随一のギャラクシー企画の一押しの新人、風谷仁美いう高1のアイドル候補生がゲストなので、下手なことも言えないし、こと他人に無頓着な姉にストレスを持ち込んでいる特異な後輩だ。

 しかし、少しだけおかしな点がある、僕がひかりになりすましている時は全く諍いは起きてはいない。だからとても不思議な話しと捉えているのだが、姉曰く「好きな相手には愛想が良くて当たり前じゃない?」と意味不明なことを言われた。

『ひかり』に対するライバル心と認識していたのだが、少し僕の捉え方が違っていたようだ。

 僕にとってはどうでもいいことだ。

 そう割り切って、学校に向かうべく家を出たら、家の前につばささんが仁王立ちしていた。

 ……何故だろう?

 しかもつばささんの表情は固い。


「ひかるくん、ひかりは?」

「ああっ、その、頭がいたいらしいから、たぶん休むかもしれない」

「そう。そんなことで休まれたら今日のあなたとのデートは無しということね。ひかるくんはそれでいいわけね?」


 ……そうか、思い出した。今日の放課後に二人で遊びに行く約束をしていたんだ。だけど姉の言うことには逆らえないし、姉の抜けた穴を塞ぐのは僕の役目だから今日のつばささんとのデートは諦めることとなる。

 しかし、いくらつばささんであっても、ひかりを起こすなんて出来るはずがない。

 そんな頭の中の計算が終わる前につばささんは行動に入っていた。慌てて後ろを追いかけるのだけど、つばささんの動きは洗練されていて、短い区間なのに追いつけない。

 そして、家の中、二階に一気に駆け上がるとノック無しでつばささんは僕の部屋に入って行った。


 ……っと、まてよまて!

 いくら彼女とはいえ、僕の部屋に勝手に入るのはいけないことだと思うのだが、入るのなら先ずはひかりの部屋だろう?

 多少の怒りがこみ上げて来たが、仕方なくつばささんの後から自分の部屋に入ってみる。


「つ、つばさ?どうしてここに来たの?私の部屋は隣なのに間違えてない?」

「いーえ、間違えてはいないよ。あなたが毎日ひかるくんの部屋に勝手に入っていることは知っていたし、それを止めたいとずっと思っていたんだよ。

 わかるでしょう、わたしの気持ちを」

「えっ、わたしはつばさにこのことを言ったかな?」

「いーえ、直接は無いわ。でも、授業中に寝言でいつも聞いていたからね。今日は確かめるには良いチャンスだったわ。

 さて、本題はこれからだよ。

 ひかるくんに理不尽なことをしないという私との約束を破ったから、ひかりには今日のデート代を払ってもらうからね!」

「いやだなぁ、つばさったら!なんで私がひかるの部屋で寝るなんてことするわけないじゃない。

 これは寝ぼけただけ。だから堪忍だよー」

「いいえ、ひかりは今日、ラジオの収録の日でしょう?風谷さんとは性格が合わないって言っていたからあなたの代役にひかるくんがなるように動くと思っていたわ。だから朝から調子悪いフリをするだろう……、そう思っただけ。簡単な推理でしょう」


「……ごめん、つばさ。嘘をついて。

 でも、私もあなたが言う通り風谷さんは苦手だから、今日のところは諦めて欲しい」

「いや、なんか違うと思う。いつものひかりらしさを感じない。なんかあったの?」

 ジッとつばささんに見つめられるひかりは、どうやら根負けしたみたいだ。


「……えっ、えへへへ。やっぱりバレた?」

「だってずっと小さい頃から一緒だったんだもん。当然でしょう。早く理由を聞かせなさい」

「あのね。風谷さんはひかるのことが好きだし、それで私に橋渡しをお願いされた訳なんだ。

 私が弟と入れ替わってでも会わせてあげるという言ってしまってね。だから、ごめんね」

「はい、半分は理解した。まだ隠していることを話しなさい」

「…………。そんな、隠し事なんてないよ」

「いや、あなたがそんなボランティアなんてするわけがない。いくら貰ったの?」

「いや、お金じゃないし」

「なら、なーに?」


「これっ」

 えっ、あれれ?

 小さな石ころが一つ手のひらに載っている。

「それは、なに?」

「これは、月の石だよ。ほら、いつかひかるが欲しがっていたし、私も無理だと思って難題を出したけど風谷ちゃんが事務所に無理を言って手に入れたのよ。

 ごめんね」


 ……ということは、ひかりは僕の橋渡し役を断るために無理難題を出したわけか。なら、怒れない。

 隣に座るつばささんも仕方ないと思っていたみたいだ。なら、本日は仕方ないな。僕がラジオに出るしかない。


 こうして、僕はひかりの代役としてラジオに出演することになった訳だが、帰りに月の石の入手経路を聞き出したところ、変な顔をされた。

 そんな約束なんてしていないこと、僕がひかるであることなんて全く思っていないこと。

 ここでひかりの嘘が判明した!

 しかし、このことは僕の心の中に永遠に閉じ込めることとなる。真実を知っても誰も幸せにならないし、僕が黙っていることまで計算していたのだろう。

 やはり、ひかりはひかり様ということですね。

 ひでーな!



お読みくださり、ありがとうございました。


やはり、ひかりはひかりだったのです(笑)



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