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A#能力者で黒髪ロングの猫耳奴隷少女と空想的現実世界  作者: ウミイロ


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7/8

創造国家。人間の女王。

あんまりにも違和感⋯というか、エレベーターから広がる空間にしては自然過ぎた。

⋯空の明るさが一定だ、どこから光が来てるのか分からない。風も無い。


「⋯⋯疑似風景?」


「おー、只者じゃないね。ちょい前に連れていった獣人もだけど、君ら優秀〜」


視覚からの情報ではなく推測。


確かに獣人は目がとても良いし、辺りの空間も無限では無いからか、正方形の城壁に囲まれているように見えるが、疑似風景だと分かった上で城壁と空の繋ぎ目や雲をよく見ても偽物とは思えない。直接触ればさすがに分かるんだろうけど。


そんな事よりも。


「⋯前に連れていった獣人って?⋯⋯私の連れは生きてるの?」


「元気だよー、貴女より断然。最初は警戒してたけど、国王の話を聞いて、こっちの手伝いをしてくれるってさー」


(⋯⋯洗脳とかされてないよね⋯それが一番困る⋯いや、これから私も同じことをされたら、抵抗する術はないんだけど⋯)


ひとまず生きているみたいで、安心。どんな話を聞かされたんだ⋯とは思うけど。


自然な空と街並みを連れられるように歩く。

両脇にはレンガ造りの家や木造の家、無機質なセメントか何かで出来た家だろうか?箱のような家もある。結構色んな建物で構成されているけど、意外と違和感は感じない。


そんな大通りの真ん中をそのまま歩かされている。人も居ない訳じゃなく、獣人やエルフ、ドワーフと多種族で構成された小さい子から大人まで、店番をしている様子なんかも窺える。こっちをじっくり見ている子もいれば、見てはいるが気にしていないといった人まで。多種多様だ。


国の中央だろうか。大きな噴水をそのまま直進して⋯巨大な建物。素材はまるでクリスタル⋯いや、これは⋯


「⋯マテリア、だっけ」


「お?そーだよー?国王が作った最も壊れない素材。ここじゃ至る所に使われる万能素材だね」


捕まる前に戦闘中聞きかじった話を思い出しながら呟くと、彼女が補足してくれる。


国王が作った、ということはあの機械人形(オートマタ)が国王なのだろうか?⋯流石に違う気もするが。この城の所々の透明感はあのクリスタルと類似していた。


「よし、謁見の時間だ〜」


門をくぐって、城の真正面。水晶で作られた私たちの何倍も大きな扉を金髪獣人が押して開ける。


ゴゴゴ⋯という重厚な雰囲気が音と動作から伝わって⋯⋯⋯


⋯⋯⋯⋯。


「⋯⋯この音⋯作り物?⋯って事は、これ自動ドアでしょ」


「⋯君らホント賢いなぁ⋯」


観念したように彼女は手を扉から離すと、若干作り物だと気づくような、素材とは違う重厚な音と共に扉がひとりでに開く。


開いた扉を超え、城内に入る。

注目しなくても誰が国王かすぐに分かった。目の前には大広間に数段高くなった壇上。両脇には上の階に上がる階段だろうか。


それよりも目立つのは、真正面。上から見下ろせる玉座に座っている彼女。あの機械人形⋯と似た容姿はしているが、明らかに雰囲気は違う。足を組んで、両手をその膝辺りに組んで乗せて、真っ赤な瞳でこちらを見下ろしている。


煌びやか過ぎて一瞬気づかなかったけど、玉座のすぐ後ろだろうか。あの機械人形が静かに控えていた。容姿を国王と見比べてもやはり似ている。


⋯生産系の能力で、こんな大層な物を生み出すような能力だ。機械人形すら創れるのかもしれない。⋯あの機械人形はちょっと別次元だったけど。


「こくおー。連れてきたよー?」


「遅刻です。さては迷子になっていましたね?」


「うっ⋯今回は早かったでしょ〜?」


「確かに前より30分程短縮しているようですが、既に規定の時刻からは34分過ぎてますね、あと拘束室の扉の破壊も済ませたようで」


「⋯⋯ま!お仕事終わり!じゃ、頑張って!」


⋯結構カジュアルな感じなのだろうか。少なくとも雰囲気の最悪な職場ではないようだ。職員の腕は心配だけど。


「⋯まずは、ようこそ。未来国家マテリアルへ。歓迎します」


「⋯⋯⋯」


相変わらず腕にはごつい拘束具が取り付けられているし、首輪の制限も正直辛い。能力はともかく魔力まで止められてて倦怠感がある。

要するに歓迎されてるとは思えない。


「ファーストがお世話になったみたいですね、ログを確認しました」


「⋯⋯機械人形のこと?」


『ファースト』が何を指しているかは分からなかったが、思い当たる節がそれしかない。


「はい。仮とは言え実地運用で私の分身体にあそこまでの損傷を与えて来たのは貴方が初めてです」


⋯あの機械人形は傍から見れば強力な能力者だ。一般的な認識では無機物に対して能力を付与する事は出来ても、能力を得ることはない。

能力を発動するには能力器官と繋がった臓器が必要だから生物以外は使えないというのが一般的。


だから初めてあの機械人形を見た時⋯こんな広域攻撃を可能にする兵器を装備しているか、強力な能力者かの二択だった。


しかし罠と言うべきか、機械人形の清楚な少女姿で、あの兵装のどこにそんなパワーがあるのか理解できないし、実際あの規模の物質変化や生成⋯というかそもそも零から一を創る兵器なんて見た事も聞いたこともない。


そんな物があるなら無限に物質が増えて色んな意味で危ない。


色んな要素が組み合わさって、機械人形を人間だと判断した。


「⋯」


あれは超強力な兵器を積んだ機械人形だったのか、それとも⋯⋯⋯


「私の能力を複製し、創り上げた機械人形の一号機。いわばクローンです」


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


凄い技術だ。それと同時に禁忌を犯してもいる。能力者を創るなんて事、少しでも勘付かれたらとんでもない事になるのに、平気で運用してるのか⋯⋯


「協力を仰ぐ前に、少し目的の話をします。私はこの国に居る皆が手を取り合って未来へ進めたらと思っていますから、同じ目的に進む為には、大目標の提示が必要でしょう」


「⋯」


特に言うことはない。必要な事ではあると思う。⋯何を聞かされるかは正直あんまり興味が無い。

偉い人の話を聞く気が無いのでは無い。


人間は⋯重度の病気を患っている。


「結論から言うと、全世界の平和協定を目指し、人間や獣人、差別を極限まで減らす。そして…()()()()()()()()()()のが目標です」


ほら来た。


「私達人間や獣人族を始めとする欠陥種族はこの数年で一気に立場を失いました。十数年前は人間の国が多くあったと文献に残されています」


「私が元々産まれた国⋯『銀の街』では、科学技術がとても発展した国でした。⋯ご存知ですか?」


聞かれて、首を横に振る。


「大きい国では無かったですから、知らなくても無理はないでしょう」


「そこで産まれた私の能力⋯『創造』は、あらゆる無機物を生成する事ができます。国の皆は私を国宝の様に扱いつつも、愛情を持って育ててくれました」


「⋯⋯⋯制限は?」


「少し頭が疲れますが、その程度です」


⋯凄まじい能力だな、言ってる事が本当なら。

⋯というより、本当なのだろう。この国の様子を見ると。


⋯人間という種族は、身体が弱い、物理的な衝撃ですぐに死ぬし、気温変化や環境にも弱すぎる。しかも魔力も無い。


しかしその分というか、バランスが取れているようで全く取れていないというか。


人間は能力に関して言えば上は神と同レベル、下は無能までの差がとてつもなく激しい。


人間の能力は規格外で法外、しかも訳の分からない論理でもはや違う能力だろとツッコミたくなる現象も起こしてくる。


だからこそ、この歪さがとある病気を引き起こす。


「銀の街は八年前の大戦で滅びました」


「しかし、私という種を守ることに成功しました。特殊なシェルターで長い時間をかけ、この地下帝国を創り上げて、今があります」


「科学とは技術ではなく、人から人へ繋ぐ営み含めて、科学です。私はこの技術と能力を持って、この世界に人権という物を創ります。それは欠陥種族が迫害を受けずに住む未来を共に創るということです」


返事はしない。黙って聞いている。


「星に名前をつけると言いましたね。この星には名前がありません。私達人類が住む共同の家であるというのに」


「国と同じように、名前が必要です。それらを人類皆が理解し、浸透させ、手を繋げる一つの星を創ります」


「⋯ご理解頂けましたか?貴女は私の国⋯マテリアルの国民になると同時に、奴隷ではなく国民として扱われます。衣食住は保証され、仕事に応じて給料も出ます⋯協力して頂けますか?」


これが人類が患う最大の欠陥であり固有の病気。


『幻想病』


「」の中の文末に「。」を付けないというのを最近知りました。アホの子です。

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