第47話 自己紹介
今日もよろしくお願いします。
それでは本編です。
「まず改めまして、担任の八田です。担当科目は数学、趣味は囲碁、将棋です。一年間よろしく。」
自己紹介はまず八田先生から始まった。なかなか渋い趣味をしてる。
「じゃあ、次は伊原から。そうですね、名前と得意科目、あと趣味を言ってください。」
その声を合図に、一番前の席に座っているトップバッター、緑髪のロン毛の男子が立つ。
「伊原一、得意科目は理科、趣味はゲームで、最近は特にドリームワールドっていうゲームにはまってます。よろしく。」
ドリームワールドってノーデがやりたがってた、〝イセノ〟のゲームのことだ。俺もやってみたいし、話が合いそうだな。
「尾関山三香っていいます。得意科目はそやな、国語やな。ウチはワニーズの大ファンで、よくライブに行きはります。趣味はそれに感化されたこともあってギター、って言うてもまだ始めたばかりでへたくそやけど。よろしく。」
黄色いショートヘア、髪先が丸くカールしてる関西弁の子。というかもう「お」か。これって俺の番もすぐ回ってくる。いうこと考えとかないと。
「落合弼、趣味っていう趣味はないがスポーツは大体できる。だから得意科目は体育だな。あと1つ言っておくぜ。」
褐色の肌、逆立った白い髪で釣り目。見た目はちょっと怖そうな感じ。
「塩町さん、惚れた、付き合ってくれ。」
「断る。」
千草さんは即答、クラス中からどっと笑いが起こる。
「そうか、まあよろしく。」
落合君は振られたのに意外とドライな反応だな。でも、雰囲気は和らいだ。
「そうだ落合、C組にいるお前の妹さん、今日は欠席みたいですが……。」
「ああ……。しばらく来ないぜ。」
直後、八田先生と落合君でそのやり取りがあった。なんか、触れづらい内容でちょっと場も静まった。
「か、神杉大数です。うちはこの地方じゃ有名な神社で、時々手伝ったりしています。得意科目は、まあどれも平均的なのでこれと言ってないです。趣味は御朱印集めと〝イセノ〟です。よろしくお願いします。」
大数君、雰囲気を明るいものにしようと声が高くなってる。
そして次は俺の番。自己紹介、こういうときってなんって言えばいいんだっけ。
「九山一誠です。得意科目は算数、中学だと数学かな。趣味は漫画、アニメはよく見てます。あと、〝イセノ〟も好きで、ついこないだまで負け続きだったんですけど、最近はいろいろあって勝てるようになって。とにかくよろしくお願いします。」
うまく言葉がまとまらなかったな。
俺の後、3人自己紹介があったが、自分の番が終わって余韻に浸ってからあまり覚えてない。意識して聞いたのは知ってる友達が来たとき。そう例えば。
「拙者は塩町千草、得意科目というか苦手な科目はない。趣味は剣道をたしなむ程度にはやっていた。苗字から察する人もいるだろうが、私はみんなと分け隔てなく友達になりたいと考えている。これからよろしく頼む。」
千草さんは割とはきはきしゃべっていた。こなれている感じだ。
「えっと、近田奈湯です。得意科目というか、頑張っているのは理科です。趣味は、読書です。私、結構人見知りでその、こういう発表する場には慣れていないのですが、精いっぱい頑張ります。よろしくお願いします。」
対照的に、ナユユは言葉を精一杯絞り出していた。彼女の性格を知ってるからか、自己紹介を最後まで応援していた。
あと印象に残ったといえば。一番背の低い、薄い赤色の短髪の男子。
「本庄誠っす。得意科目は、社会、歴史の方です。趣味は旅行とか、キャンプとかアウトドア全般。よろしくっす。」
まるでフクロウとかが自分の体を大きく見せて威嚇するみたいな感じで、クラスの中で一番声が大きかった。
そして、一番よく知っている女子。
「三好カナデです。得意科目は海外生活が長かったんで英語は得意です。趣味は〝イセノ〟っていう指ゲーム、あと料理もやります。」
「会った時から思ったんだけど、カナデさんってかなりスタイルいいよね。」
大数君が後ろを振り向いて言った。
「それは初めて再会した時に思った。」
本当に中学生かっていうくらい胸がね。
「彼女、十指選になったんだよね。あの年ですごいよ。僕も対戦もしてみたいし、料理も一回食べてみたいな。」
んん? 対戦はまだ分かったけど、料理も。それに大数君の顔が少し赤いような。まさか。
『ライバル出現ですか? 恋の方の。』
せめて〝イセノ〟だけであってほしかったよ。
これで自己紹介は終了。
『まさに十人十色、友達はできそうですか?』
「ああ。」
心配するほどじゃなかったな。
「じゃあ、次に課題の回収、後ろから前に回してください。」
課題、割とギリギリまでかかったが何とか終わった。その苦労した俺の成果物を順番に前の大数君に手渡していく。
「ああ、忘れてきちゃった。」
カナデのつぶやき声。「しまった」ていう顔してる。今までしっかりしてそうなところしか見てなかったから、どこか抜けているところが今もあって安心した。
「次は配布物です。まずは学生証から。これは大切なものなので、前に取りに来てもらいましょう。」
順番に名前が呼ばれる。俺も名前が呼ばれて受け取ったものは、青色の半透明な板。技板のサイズくらいか。
「これが俺の学生証?」
はたから見ると、俺の名前どころか、文字一つ書かれていない。
「その学生証は疑似技板の一種です。授業の出欠には忘れずに技板リーダーにタッチしてください。ちなみにタッチしますと、これは教員証ですが。」
そういって八田先生は教室の前方、黒板横の照明スイッチの近くにある機械にかざした。そうすると。
「うわあ。」
クラス全員が驚きの声を上げる。それもそのはず、教室の中央にこの部屋いっぱいを使って先生の顔が出現したのだから。それと、教員証も光ってる。
「こんな風に君たち一人一人の顔が浮かび上がる仕様です。今はわかりやすさのため投影装置を使っていますが、実際は技板リーダーに表示されるだけです。皆さんのリングでもそれは確認できます。」
試しに左手に着けているリングにいつもの技板の要領で通すと、確かに俺の顔、生年月日と個人情報が出てくる。
「放課後の体育館、ロッカーや空き教室の利用などの際にも必要ですからなくさないように。」
なくしたら大変だ、大切に保管しよう。
「これで、教室での説明は以上です。今からは昼休憩を挟んだ後、もう一度体育館に向かいます。今度は生徒集会と部活紹介です。では終了です。」
ちょうどチャイムも鳴ったし、よし、お昼だ。俺は弁当をとるため、カバンに手を伸ばす。そこで八田先生が去り際の一言を聞いた。
「特に生徒集会はよく聞いといてください。あなたたちの今後に大きく関わることですから。」
クラスは20人、でも書いたのは既存メンバー込みで9人。
さすがに全員だすと作者的に扱いきれない気がしたので絞りました。
次回は10/21までに更新予定です。よろしくお願いします。




