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いっせいノーデ!  作者: 乙島仟
第3章 ともとして(小学生編Ⅲ)
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第27話 運試し

投稿時間1分ずつ刻んでいこうというめんどいチャレンジ。

今日は果たしてうまくいくかな。

それでは本編です。


 おみくじ数当て。


「あんなの、去年まではなかったな。」

 父さんの言う通り、去年は普通のおみくじだった。

「ここに看板、説明があるわね。どれどれ、1回のみ数当てをして、当たれば、大吉、1ずれであれば小吉、それ以外は凶。それぞれに応じた神社オリジナルの技板をプレゼントします、だって。」

 母さんが看板の下の方にある説明文を読み上げる。要は数当てで運勢を占うわけか。

「一誠、こういうの好きでしょ。」

「面白そうだな、一誠だけでも占ってきたらどうだ?」

『技板も手に入ることですし、一石二鳥ですね。』

 ノーデも両親も勧めてくると、断る理由はないな。それに正直やってみたくてうずうずしてる自分もいるし。

「そうだね、やってみるよ。」

 そういって俺は母さんから小銭を拝借し、列の方に向かった。行列の先、数当ての相手をしているのは俺と同じくらいの背丈で、黒髪の男子。立派な黒い袴を着ていて、神社の子だろう。

「だあ、外しちまった。10かあ。全然違う。」

 ん? 聞き覚えのある声。フード付きジャンパーを着ている声の主は神社の子から技板を受け取ると立ち上がり、神社の奥に鎮座する杉の木々へ。

「あれ、トーモだよな。」

『おそらく。』

 杉の木々へ直行すると、思った通りだ。

「トーモ、あけおめ。」

「おお、イッセー、ことよろ。」

「何してるんだ?」

「おみくじ数当てやったんだよ。それで全然当たらなくて、凶の人はこうやって技板を木に括り付けるんだと。」

 なるほど、それは普通のおみくじと変わらないわけか。

「せっかくもらった技板なのにな。」

「まあでも、今年は大事な年だろ。コケるわけにもいかないし、少しでも神様からこう、パワーを授けても合わないとな。」

 まあ、特に受験生はそうだよな。

「イッセーも挑戦するのか? おみくじ数当て。」

「そのつもり。」

「なら気を付けた方がいいぞ。俺らと同い年くらい子が相手なんだけど、結構すごいらしくてなかなか当てられないだってさ。」

「え、じゃあもしかして大吉も出てない?」

「いや、100人に1人くらいは出てるみたいだぜ。それでもすごいけどな。まあ大半は俺のようにここに括り付けてるみたいだ。」

 そういわれたら、ほかにも技板がぎっしりと括り付けてある。

『なるほど、技板を持ち帰れる人の方がかなりレアですね。なるほど、いい商売をしていらっしゃる。』

 ノーデ、そんな闇の部分を言わなくていい。

「でもやっぱりこの神社の人って、数当てとか相当強いのかな。もしかして、予知能力とかあるのかもな。」

『それであれば十指選の中に入っててもおかしくないですが……。さっきの子は士義さんたちの集まりではみませんでしたね。』

「うーん、まあとりあえずやってみよう。運試しだ。」

 俺たちはおみくじ数当ての列にならんだ。トーモが数当てした後も大吉は出ていないようで、技板を結び付けようと、ほぼすべての人がこの神社の象徴ともいえる杉の木に向かっていた。そしてついに俺の番がやってきた。

「1回300円です……。」

 神社の子は俺と目を合わせると、首を傾げた。

「もしかして、九山君ですか?」

「え、どうして知ってるの。」

「父上が君と勝負したって聞いて、それにその1のくせ毛で。」

 そうか、やっぱりこのくせ毛でわかっちゃうのか。

 ってあれ今、父上って言ったか。

「君のお父さんってもしかして。」

「ここの神主をしています。僕はその子供の(かみ)(すぎ)大数(たいすう)です。初めまして。一応、年は君と同じ12です、よろしくお願いします。」

「えっ、こちらこそよろしくお願いします。あと、同い年なら敬語はいいからね。」

 大数君がお辞儀したので、俺もつられて礼をした。あの士義さんの子か、どうりで強いわけだ。

「じゃあ、お言葉に甘えて。それで、最大3回まで挑戦できるんだけど、何回占う? 占う内容が何個かある場合はそれぞれで分けて占うことをお勧めしてるよ。」

「なら……。」

 今俺が占いたいのは、受験のこととノーデの今後。気になることは全部占っといた方がいい。

「2回、受験と友達の未来について。」

「わかった。じゃあ600円いただきます。」

 俺は母さんからもらった300円と自分の小遣いから300円を出す。大数君はそれを受け取って机の脇にある賽銭箱に投入する。

「ではまず1回目、受験のことからかな。」

 大数君は袖からごそごそと手首が見える位置まで腕を出し、両手グーの形に。

「当たったら大吉、1ずれで小吉、それ以外は凶です。では、お好きなタイミングで宣言してください。どうぞ。」

 俺もグーの形にする。

「別に九山君は構えなくてもいいですよ。」

「いや、こっちの方が気分が乗るんだ。」

 いつも〝イセノ〟でやってるからな。

 俺は腕を振り下ろしながら宣言する。

「【いっせのーで〝7〟】」



 大数君は右親指を上げただけ。1だ。

「1回目はその、凶だね。まあ、もう1回あるから気を取り直して。」

 大数君は気を遣って言葉を選んでいる。かくいう俺も少しショックだ。

『受験、大変かもしれないですね……。』

「まあ、最悪神社の杉の木にくくればなんとかなるから。」

 ある意味自分にも言い聞かせるよう頭の中のノーデにも言葉を返す。

 もう1回。

 俺は手に勢いをつけて宣言する。

「【いっせいのーで〝9〟】」


 Issei             Taisu

 【〝9〟】

 R〇〇○○○         R○○○○○

 L●●●●●         L〇〇〇〇●


 鈍い音。

「痛っ。」

 一誠は、思い切り両手を振り下ろしすぎたせいで机の角に右手をぶつけてしまい、思わず手が開いてしまったのです。

「大丈夫?」

「ああ、大丈夫ちょっと当たっただけ。でも惜しいな。」

 そう、右手が開いていなければ当たっていました。

「はあ、両方とも凶か。」

「いや、2回目はほぼ当たっていたようなものだよ。すごいよ。本当に……。」

 大数さんはそう言いました。純粋に驚いているだけじゃなさそうな声のトーンですね。

「第一、今日当てた人はまだ指で数えられるほどだし。今のをカウントしてもいいと思う。たぶん君は決められた未来を打ち壊す力があるよ。」

 大数さんは言葉を慎重に選んでいますね。

「これ、特典の技板です。一枚はあちらの木に括り付ければ、受験もきっとうまくいくよ。もう一つは、お守りに持っておいて。」

 一誠は大数さんから2枚の技板を受け取りました。

「ありがとう、少し元気出たよ。」

「今度機会があったらちゃんと、対戦しようね。」

「うん、それじゃあ。」

 そうして、一誠は杉の木の方へ行きました。


 さて、この運だめしをどうとらえるか。受験は頑張れとしか言いようがないですが、特に私、ノーデの今後は……。

 どう、なるんでしょうね。


本当、今後どうなるんだろうね。

次回は5/20予定です。

よろしくお願いします。

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