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いっせいノーデ!  作者: 乙島仟
第9章
171/173

第162話 これからの話①

前回の続き、といっても冒頭若干タイムスキップしています。ノーデがどう話したのかは皆様の想像にお任せで。(もしそこが気になるとか、この話から見るのにという方がいましたらかなりお手数ですが161話までご覧になってから推奨です。)

視点は終始、一誠視点でどうぞ。

「なんというか、言葉にするのがむずいんやけど……。」

「1つの壮大な物語を聞いた気分です。」

「だが、一誠殿の一連の行動、合点がいった。」


 ノーデの話を聞いた皆の反応は様々。特に俺の事情を知らなかった人はまず飲み込むのに必死だろう。

「九山、いや今はノーデか。お前達が大変だったということは理解した。まあ、俺と妹の大変さには劣るがな。」

 と、状況を理解していつもの調子である人もいるが。

「一誠はノーデさんを助けたい、だから十指選を目指すってことね。奈湯は知ってたのよね、一誠と、ノーデさんのこと。」

「は、はい……。ノーデさんのもとは私のママですし……。でもオリエンでの事情を詳しくは知らなかったので、それは今知りました。」

 と、情報を整理する人もいる。

『さて、これからの話をしましょう。と言っても私からのお願いはたった1つだけです。』

 そんな人たちを前に、ノーデは話を続ける。

『今のことは、このメンバーだけの秘密とし、他言無用でお願いしたいのです。』

「うちは、構わんけど……。」

「私もそれで大丈夫です。」

 尾関山さんとナユユはすぐに賛成の意を表明する。

「拙者はむしろ公にした方が、対策しやすい気もするが。」

「そうね、状況を話したら理解してくれる人もいるだろうし。」

 と千草さんとカナデはどちらかというと否定派。

「おいおい、それを黙ってて俺たちが逆に罪に問われる、とかはないのか? そういうのはごめんだぜ。」

 落合君はがっつり否定派か。まあ意見は妥当ではある。

「私も判断は悩ましいですね。まずは他言無用である理由を聞かせていただけますか?」

 と八田先生も慎重だ。

『理由は大きく2つ。1つ目は一誠、ひいては皆さんの安全を守るためです。』

「安全?」

『はい、このオリエンで私を狙う敵が現れましたから。』

 ノーデを狙う敵――。

「あのフードを被った、阿僧祇(あそぎ)のこと?」

「それに、有弦もだろ。」

「敵が二人だけとは、限らぬぞ。」

「そやな、えっと千年前の十指選、有弦十指(ゆうげんじゅっし)やっけ。それって十人おるんやろ。」

 千草さんや尾関山さんの懸念通り、もしそうなら少なくともまだ8人いることになる。そしてまず間違いなく、かなりの強敵だろう。

「最近ハンターっていう物騒な人たちもいるみたいですし……。」

 ナユユの心配しているのは、高木さんが前言っていた人たちだな。というか考えてみると敵多くないか。

『人気者はつらいですね……。ああここ、笑うところです。』

 ノーデは雰囲気を明るくしたかったのか、冗談をいったけど。思いっきり滑っている。

「敵という意味では、十指選の座を狙って一誠殿に勝負を挑む者たちもそう取れるのではないか? 敗北すればノーデ殿は消えるのだろう?」

 ああ、敵の多さはもとからだった。ただ、あの時よりも敵の形がはっきりして、ノーデを助けるという難易度が跳ね上がった感じだ。

『はい、そして私だけならいいのですが、一誠、もしくは秘密を知ったあなたたちも狙われるかもしれません。情報というのはそれだけで脅威、そしてそれを求める敵に見つかったら何をされるかわからない。ですから漏洩させないことが重要です。』

「まるで企業の情報系の研修を受けているみたいですが……。あまり負の側面ばかり見てもしかたないですし、皆さんもここは情報リテラシーを学ぶいい機会ととらえましょう。」

 と、うちの担任はどこまで行っても先生らしい。

「1つ目の理由は分かりました。2つ目の理由は?」

『それは世間の認識の問題です。ただでさえ、私の手術は法すれすれの範囲ですが、今後世間のAIに対する見方も悪い方向へ偏る可能性があります。』

「そうなんかな。うちはAIってそんな悪いイメージないけど……。」

「拙者もだな。むしろ質問したらすぐに答えを出す有能なイメージだ。」

『スマホやPCに搭載されているものを考えると、そうでしょう。しかし、私のような最新式の、人に近い思考のできるものでは違ってきます。』

 今ノーデ、さりげなく自慢したな。

『極端にいえば、今の私は死んだ人間がAIとなって、生きている人間を操っている状態です。特にオリエンで有弦がした事象もありますから、倫理的にどうこうというのは出てくるでしょう。もっとも今、真実は報道されていないようですが。』

「確かに、公には電波障害やら火山性のガスのせいで交通麻痺や集団幻覚が起こったということになっているようですね……。」

 と、八田先生はその場で自分のスマホで検索し、ネットニュースを提示する。

「ああでも、この前四苑とみた都市伝説系の動画で、AIの暴走って考察しとる人みたことあるで。」

 尾関山さん、意外なもの見てるな。弟の四苑君の趣味かな。

「一人、二人ならともかく何百人って規模だからな。事実にたどりつくのも時間の問題だろ。」

『その通りです、弼さん。だから今ここで私の存在を知られて世間の目が向くのは避けたい。特に私だけならともかく、一誠に軽蔑のまなざしが向けられるのは。』

 ノーデ……。

「そういうことなら私も協力する。一誠には、そうなってほしくないし……。」

「拙者もだ。そもそもその敵とやらには、塩町グループがかかわっているかもしれぬし、一誠殿にこれ以上迷惑をかけるのも本意ではない。」

 カナデ、千草さん。今俺が直接伝えられないけれど、本当にありがとう。

「理由は理解できました。確かに今公表するのはタイミングが悪そうです。特にノーデさん、あなたのことは信用しきったわけではないが、うちの生徒に迷惑がかかる事態だけはこちらとしても避けたいですからね。」

 八田先生も、賛成みたいだ。あとは――。

「なんだよ、みんなして俺を見て。」

 落合君の判断だけ。

「真実を伝えてくれたことには感謝する。だが俺は……。」

『妹さんにまで迷惑をかけるのが心配ですか?』

 落合君が一瞬沈黙する。ノーデは彼の心境もお見通しみたいだ。

『弼さん、正直私のことを隠していて逮捕される可能性も0と断言できません。しかしその時は私に脅迫されたとでも言ってください。そうすれば少なくともあなた方が罪に問われることはない。』

「それなら、俺や真奈には迷惑はかからないかもな。だがな……。いつまでも黙ったままで最善とは思えない。何かこう、行動を起こさないといけないんじゃないのか?」

 彼のそういう表情は、いつもの嫌味な感じじゃない。その目はまっすぐにノーデを、もしかしたらその先も――。てっきり妹さんだけを心配しているのかと思ったけど、俺のことも……。

『一誠は友達に恵まれているようですね。』

 本当、そうだな……。落合君はノーデの言葉に「誰が友達だ。」と即否定はしていたけれど。

『だから目指すのです、十指選を。一誠は私を助けるために、そして私は自分が、AIがすべて悪ではないと証明するために。』

 それが、ノーデの目標。相変わらず自分のことよりも、他のことを優先するところは改善してほしいけど。

「わかった。黙っててやるよ。でもいつまでもってわけにはいかないぞ。」

『今年中にはなりますよ、十指選。できればそのトップまで。』

 さらっととんでもないこと言ってるな、ノーデさんよ。さすがにトップまでは怪しいけど、ノーデの手術のためには、少なくとも現十指選左手勢を倒すレベルまでは強くならないとな。

『皆さんの了承も取れて私の要件はすみました。一誠に代わります。』

 ということで、体の所有権は俺に戻ってきた。

「えっと、今日の集まりはこれで解散?」

 カナデは周りにこの後のことを聞く。そしてそれに答えるのは千草さん。

「いや、カナデ殿。もう1件、議論すべき題目があるのだ。」

「最も議論じゃないかもしれません。」

「俺はむしろ、こっちが本題だと思ってきたぜ。」

「そやな、うちもいろいろ準備してきた。」

 みんなの目が変わっている。かくいう俺も……。

「なんかみんな闘争本能むき出しって感じの目ね。」

 反応に困るカナデをよそに、八田先生が持参したバッグの中から何やら取り出し、机の上に置く。

「皆さんから預かっていたオリエンの優勝景品、特性付きの腕輪がここにあります。」

 そう、今日のもう一つの議題は――。


「決めようぜ。誰がこの腕輪を身に着けるにふさわしいかをな。」


一触即発――⁉

さて次回5/2までといいたいところなのですが、5/9までに更新予定としておきます。というのも……バトルが詰められていないからです。(もはや予定日延長の定番理由。構成練るのが徐々に難しくなっているのか、単純に作者のバトル構成力が衰えたのか。)とはいっても5/2までに出来たらその日に載せます。よろしくお願いします。

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