廃病院『5』
事務室に向かう道中には既に枯木のナースは存在せず直ぐに辿り着くことが出来た
部屋に入り鍵を探す為周囲を見回すと鍵が掛けられた棚が2つあり右側の棚には001から563まで番号が割り振られた鍵が掛けられ、左側の棚には右手・左手・右足・左足・首とタグが付けられた鍵が掛かっている
「左側の鍵がそうだよね⋯右側は何の意味があるんだろ、まあいっか⋯⋯痛」
左側の鍵を取ろう右手を伸ばしとした指が鍵に触れた所で勢いよく刃物が下がり指が切り落とされ人差し指と中指が転がり落ちる⋯⋯切り落とされた断面は軽く焼け止血されている
(最悪⋯イタいより熱いって感じ、あぁもうこんなのばっかりで嫌になる
まぁ止血にはなって出血死の心配が無いのだけは安心かな状況は最悪だけど
それにしてもこの感じ謎解きだよね⋯向こうの鍵を何かしないといけないのかな)
鍵を眺め何かしらの仕掛けが無いのか探すが何も見つからないので少し離れた机の下等も探索してみるも無駄に時間がかかるだけであった
直後扉が開き誰かが中に入って来た、向こうからは丁度
見えない位置に居るので恐る恐る様子を伺うとそこには黒色の袋を持った黒髪の男性がいた
その少年は躊躇いなく左の棚に手を伸ばし⋯⋯
(って眺めてる場合じゃない)
「その棚は駄目ー!!」
「は?誰ってちょっと止ま⋯ぐぇ」
少年を止めるために勢いよく机から飛び出しそのまま少年を押し倒した⋯⋯そこ迄身体能力が高くない為、直前で止まる予定が押し倒し馬乗り状態になってしまったのだ
「イッツ、いきなりなんだ?上からどいてもらっていいか?」
「アッあ⋯ごめんなさい大丈夫ですか直ぐに降りますので」
少年の上から降り改めて相手を見てみる、その少年は前世では有り触れた黒髪黒目の男性こそこの世界の主人公神凪 甲斐である
押し倒してしまった挙句馬乗りになってしまったためまともに顔を合わせづらく感じる
「あぁー君が沈が言ってた、聖 聖華で合ってる?」
「あっはい、聖 聖華です、そのごめんなさぃぃ」
「謝ら無くていい、どうせあれにも何らかの仕掛けが合ったって事だろ?なら助けられて感謝こそすれ怒ることはしないさ」
(あ、やっぱり主人公だこの人⋯流れる様に頭撫でるし妙に撫でるの上手いなこの人)
「こっちは沈から聞いて君の名前を知ってるけどそっちは知らないだろうし自己紹介させてくれ、同じ高校で2年オカルト研究部所属神凪 甲斐だ宜しくな、さて少しこの袋持っててくれないか?恐らくこのメモの通りにあっちの鍵を入れ替えれば拘束を解く方の鍵も手に入る筈何だが⋯」
「メモですか?えっとこれは何も書いてない?」
「やっぱり読めないか、あっちこっちにメモがあって集めたんだが沈も部長も何故か読めないんだよな
何で俺だけ読めるのか、読むのに何かの条件があるのかは分からず、まあこれのお陰でここまで来れたんだ考察は後だな」
ホラゲーで思う事は何故メモをそこら辺に置いておくのか疑問だったが成る程主人公以外読めない特殊な紙だったのかと無理矢理納得する
因みにこちらに袋を手渡して来る、黒色で中身は見えないが、ずっしりとした重さであった⋯袋から伝わる形は人の頭のようだが気にしない
ガチャ
音の方を見やると主人公君が鍵を無事に入手していた
(早くない?そんなに時間経ってないよ?)
「おし、取り敢えずこっちは終了、後は沈を助けて胴体を探すだけだな」
「胴体ですか?えっと何でそんな物を」
「ん?えっとこのメモとこれだな屋上で頭を9階で胴体4階で腕そして地下室にある足を火葬炉で燃やすことが脱出条件みたいなんだ、因みに屋上で部長と一緒に頭を手に入れて地下室の足は地華って言っても分からないか、同じ部の仲間と見つけて火葬炉の近くに待機してもらってる」
(何か物凄くストーリーが進んでる⋯⋯これ私が何もしなくても沈さん助けられたんじゃ、むしろ危険に自分から飛び込んだ私って馬鹿のかな?)
思考が後ろ向きになって行く所にまた優しく頭が撫でられ思考が遮られる
主人公君の目が私の右手⋯正確には切り落とされた指に向けられていた
「何考えてるのか分からないが君が鍵を開けてくれたおかげで事務室に楽に入れたんだ、それにあの棚のギミックだって気付かず指を落とされてたのかも知れなかったんだ
後は俺に任せてゆっくりしていてくれ、と言いたいけど沈の事は頼むな?」
鍵をこちらに渡し安心させるよう軽く微笑み部屋から主人公君が出ていった、多分胴体を探しに行ったのだろう
取り敢えず言われた通りに沈さんを解放するために手術室に向かうそれにしても
(これが主人公か⋯⋯頑張れ主人公君)
心の中で主人公に応援を贈る




