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第79話 収束する意志――選択を否定するもの

静寂。


―――


だが、それは“嵐の前”のものだった。


―――


空が、歪む。


いや――


“収束する”。


―――


「……っ!」


リナが息を呑む。


―――


見える。


無数の分岐。


―――


それらが――


―――


一つに“集まっていく”。


―――


「……おいおい」


思わず笑う。


―――


「マジかよ」


―――


分岐アルク。


―――


そのすべてが。


―――


“融合している”。


―――


「――統合完了」


―――


声が響く。


―――


低く。


重く。


―――


「……来たな」


―――


そこに立っていたのは――


―――


“俺”。


―――


だが。


―――


今までのどれとも違う。


―――


「……濃いな」


―――


存在の密度が違う。


―――


無数の選択。


そのすべてを削ぎ落とし。


―――


“最適”だけを残した存在。


―――


「――無駄を排除」


そいつが言う。


―――


「――最短経路を確定」


―――


空気が凍る。


―――


「……効率の塊か」


―――


「そうだ」


―――


「お前の“可能性”の終着点」


―――


沈黙。


―――


「……なるほどな」


―――


つまり。


―――


「“選ばなかった俺”の完成形」


―――


「正解だ」


―――


一歩、踏み出す。


―――


「そして」


―――


「お前の“誤り”」


―――


その一言。


―――


重い。


―――


「……そうか?」


―――


少しだけ笑う。


―――


「俺は気に入ってるけどな」


―――


「無駄が多い」


―――


「遅い」


―――


「非効率」


―――


「だから弱い」


―――


その瞬間。


―――


消える。


―――


「……っ!」


―――


速い。


―――


今までの比じゃない。


―――


「アルク!」


―――


「分かってる!」


―――


回避。


だが。


―――


「……間に合わねぇ」


―――


衝撃。


―――


吹き飛ばされる。


―――


「ぐっ……!」


―――


地面を転がる。


―――


「……強いな」


―――


立ち上がる。


―――


だが。


―――


「無駄がない」


―――


完全な動き。


―――


「……アルク」


リナが言う。


―――


「これ……」


―――


「分かってる」


―――


今までで一番。


―――


“危険”。


―――


「どうする?」


統合アルクが言う。


―――


「選べ」


―――


「一つに」


―――


その言葉。


―――


強制。


―――


「……断る」


―――


即答。


―――


「全部持つ」


―――


その瞬間。


―――


統合アルクの目が、わずかに揺れる。


―――


「……無意味」


―――


「収束する」


―――


その瞬間。


―――


分岐が削られる。


―――


「……っ!」


―――


急速に。


―――


「アルク!」


リナの声。


―――


「……やばいな」


―――


このままだと。


―――


「全部消える」


―――


その瞬間。


―――


リナが前に出る。


―――


「……やめろ」


―――


「やる」


―――


その声。


―――


決意。


―――


「……何する気だ」


―――


一瞬の沈黙。


―――


そして。


―――


「“選択そのものになる”」


―――


空気が止まる。


―――


「……は?」


―――


「私が」


―――


「分岐になる」


―――


その言葉。


―――


理解する。


―――


「……それやったら」


―――


「戻れないぞ」


―――


リナが少しだけ笑う。


―――


「いいよ」


―――


「だって」


―――


一歩、近づく。


―――


「アルクと一緒なら」


―――


その言葉。


―――


重すぎる。


―――


「……リナ」


―――


「信じて」


―――


沈黙。


―――


だが。


―――


迷いはない。


―――


「……任せる」


―――


その瞬間。


―――


リナが光になる。


―――


分岐。


―――


無数の可能性が。


―――


“意志”を持つ。


―――


「……っ!?」


統合アルクが揺れる。


―――


「なぜ……!」


―――


「収束しない……!」


―――


「当然だ」


―――


俺は言う。


―――


「こいつは“選ぶ側”だからな」


―――


その瞬間。


―――


分岐が無限に広がる。


―――


削れない。


―――


「……不可能」


―――


「無限は収束するはずだ」


―――


「しない」


―――


「決めたからな」


―――


その瞬間。


―――


踏み込む。


―――


「終わりだ」


―――


創造。


―――


分岐を叩き込む。


―――


統合アルクに。


―――


「……っ!」


―――


初めて。


―――


崩れる。


―――


「……理解不能」


―――


「なぜだ」


―――


その問い。


―――


シンプルに答える。


―――


「楽しいからだ」


―――


沈黙。


―――


その概念。


―――


理解不能。


―――


「……だから」


―――


「負けた」


―――


その瞬間。


―――


統合アルクが崩れる。


―――


完全に。


―――


光が消える。


―――


静寂。


―――


その中で。


―――


リナの光が、ゆっくりと戻る。


―――


「……戻ってきたか」


―――


「うん」


弱く笑う。


―――


「ちょっと危なかった」


―――


「だろうな」


―――


そのまま。


―――


軽く支える。


―――


「……でも」


―――


「勝った」


―――


「ああ」


―――


その瞬間。


―――


空が広がる。


―――


さらに。


―――


“上”が見える。


―――


「……まだあるね」


リナが言う。


―――


「だな」


―――


少しだけ笑う。


―――


「全部行くか」


―――


「うん」


―――


終わらない戦い。


―――


終わらない選択。


―――


それが。


―――


この物語の本質だった。


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