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第69話 さらに外側――触れてはならない領域

空は――


まだ続いていた。


「……上、だよね」


リナが静かに言う。


エルドラでもない。


新しく創り始めた世界でもない。


その“さらに上”。


―――


見えているわけじゃない。


だが。


「……あるな」


俺――アルクは確信する。


―――


“流れ”が、続いている。


―――


今までは世界単位だった。


だが今は違う。


―――


「……層だな」


―――


「うん」


リナが頷く。


「重なってる」


―――


世界の上に、世界。


そのさらに上に、また別の何か。


―――


「……観測者も、この中の一つか」


―――


「たぶん」


リナが言う。


一拍。


―――


「“中層”くらい」


―――


思わず笑う。


―――


「中ボスかよ」


―――


だが。


―――


その上がある。


―――


「……行く?」


リナが聞く。


少しだけ慎重な声。


―――


当然だ。


ここからは未知。


―――


今までの“外側”ですらない。


―――


「……危険だな」


正直な感想。


―――


「うん」


リナも頷く。


―――


だが。


―――


「でも」


一拍。


―――


「止まる理由ないよね」


―――


その言葉に、少しだけ笑う。


―――


「ないな」


―――


一歩、前へ。


―――


空間に触れる。


―――


今までとは違う。


“重さ”。


―――


「……硬いな」


―――


「層が厚い」


リナが言う。


―――


つまり。


―――


「簡単には開かない」


―――


「壊す?」


―――


「いや」


首を振る。


―――


「合わせる」


―――


錬金術。


―――


今度は。


―――


「“上に行く”定義を作る」


―――


その瞬間。


空間がわずかに揺れる。


―――


だが。


―――


「……拒否されてる」


―――


リナが言う。


―――


「強いな」


―――


今までのどの世界よりも。


―――


「アルク」


リナが手を伸ばす。


―――


「一緒に」


―――


頷く。


―――


その手を取る。


―――


その瞬間。


流れが変わる。


―――


「……繋がった」


―――


ほんのわずか。


―――


だが。


―――


“道”ができる。


―――


「……いけるな」


―――


一歩。


踏み込む。


―――


その瞬間。


―――


“圧”。


―――


「……っ!」


体が重い。


存在そのものが押し潰されるような感覚。


―――


「アルク……!」


リナが歯を食いしばる。


―――


「大丈夫か」


―――


「……なんとか」


―――


だが。


―――


明らかに違う。


―――


「……ここ」


リナが呟く。


―――


「“選ばれてない”」


―――


空気が変わる。


―――


「……どういう意味だ」


―――


「流れが……ない」


―――


今までの世界にはあった。


―――


分岐。


揺らぎ。


選択。


―――


だが。


―――


「ここ、全部“確定してる”」


―――


沈黙。


―――


「……固定世界か」


―――


「うん」


―――


つまり。


―――


観測者の“理想形”。


―――


「……嫌な感じだな」


―――


その瞬間。


―――


音もなく。


―――


“何か”が現れる。


―――


「……人?」


―――


違う。


―――


完全すぎる。


―――


輪郭が。


存在が。


―――


“ブレない”。


―――


「……侵入者」


その存在が言う。


―――


声に感情がない。


―――


だが。


―――


圧がある。


―――


「……外の存在」


―――


その視線が、こちらを貫く。


―――


「排除対象」


―――


一瞬。


―――


“消える”。


―――


「……っ!?」


―――


空間ごと削られる。


―――


「アルク!」


リナの声。


―――


ギリギリで回避。


―――


「……速いな」


―――


だが。


それ以上に。


―――


「……完全だ」


―――


隙がない。


―――


「アルク」


リナが言う。


―――


「こいつ……“揺れがない”」


―――


つまり。


―――


「分岐が効かない」


―――


空気が重くなる。


―――


「……なるほど」


―――


少しだけ笑う。


―――


「面白いじゃねぇか」


―――


今までの戦いは。


“揺れ”を使った。


―――


だが。


―――


今回は違う。


―――


「アルク」


リナが小さく言う。


―――


「どうする?」


―――


少しだけ考える。


―――


そして。


―――


「……創るしかないな」


―――


「“揺れを生む”」


―――


その瞬間。


空気が変わる。


―――


固定された世界に。


―――


“違和感”が生まれる。


―――


「……異常検知」


その存在が言う。


―――


「修正する」


―――


「させるかよ」


―――


一歩。


踏み込む。


―――


第三の戦いが始まる。


―――


“完全な世界” vs “選ぶ世界”。


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