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第65話 揺らぎの源――分岐する世界

遺跡の中心。


そこだけ、空気が違った。


「……ここ」


リナが小さく呟く。


一歩踏み込むだけで、周囲の“流れ”が明らかに変わる。


―――


静かだ。


だが。


「……揺れてる」


見えない振動が、空間そのものに走っている。


―――


「これが」


俺――アルクは足元を見る。


―――


“核”。


―――


球体。


だが、形が一定じゃない。


見る角度によって、わずかに変わる。


「……確定してない」


リナが言う。


―――


触れれば。


変わる。


―――


「……分岐そのものか」


―――


理解する。


これは“結果”じゃない。


「可能性の塊だ」


―――


「起動する?」


リナが聞く。


少しだけ緊張。


だが。


その奥にあるのは、期待だ。


―――


「……止める理由はない」


―――


ここまで来た。


なら。


―――


「やる」


―――


リナが頷く。


ゆっくりと手を伸ばす。


「繋ぐ」


―――


その瞬間。


世界が――震えた。


―――


音が歪む。


色が揺れる。


空間が重なる。


―――


「……っ!」


リナの目が見開く。


―――


「アルク!」


―――


“流れ”が一気に流れ込む。


―――


分岐。


分岐。


分岐。


―――


無数の可能性が、同時に展開される。


―――


「……なるほどな」


俺は小さく呟く。


―――


“止まらない世界”。


―――


それが、この装置の本質。


―――


「制御できる?」


リナが聞く。


声がわずかに揺れている。


―――


「……できるようにする」


―――


即答。


―――


その瞬間。


錬金術を流し込む。


―――


「固定しない」


「流れを許す」


―――


今までと逆。


―――


「……っ!」


世界がさらに揺れる。


―――


地面が崩れ。


空が裂ける。


―――


「やりすぎだ!」


思わず笑う。


―――


だが。


―――


「……来た」


リナが言う。


―――


空が割れる。


―――


その向こう。


無数の“視線”。


―――


「――異常検知」


「収束不能領域確認」


「排除対象拡張」


―――


観測者。


即座に反応してきた。


―――


「……早ぇな」


―――


「当然」


リナが言う。


「一番嫌うやつだから」


―――


分岐。


無限の揺れ。


―――


“観測できない世界”。


―――


それは。


奴らにとっての“敵”。


―――


「――介入開始」


―――


空間が圧縮される。


―――


だが。


―――


「効かない」


俺は言う。


―――


分岐がある限り。


―――


「固定できないだろ」


―――


観測者の声が揺れる。


「……不安定すぎる」


―――


「それでいい」


―――


一歩前へ。


―――


「これが“自由”だ」


―――


その瞬間。


錬金術をさらに広げる。


―――


「分岐、増幅」


―――


世界が分裂する。


―――


同時に存在する複数の状態。


―――


「……なんだこれ」


ロイドがいれば笑ってた。


―――


「アルク!」


リナの声。


―――


振り向く。


―――


「私もやる」


―――


その目。


完全に覚悟が決まっている。


―――


「いけるか」


―――


「いける」


即答。


―――


その瞬間。


二人の流れが重なる。


―――


“分岐の中心”が安定する。


―――


「……できる」


リナが呟く。


―――


「これなら」


―――


「制御できる」


―――


その瞬間。


観測者が大きく揺れる。


―――


「……許容外」


「観測不能領域拡大」


「排除優先度最大」


―――


空間がさらに裂ける。


―――


今までより。


明らかに“本気”。


―――


「……いいな」


俺は笑う。


―――


「ようやく来た」


―――


錬金術。


さらに深く。


―――


「分岐を使う」


―――


一瞬で複数の行動を取る。


―――


「……なっ!?」


観測者が揺れる。


―――


「一つじゃない」


―――


「全部だ」


―――


分岐した“俺”が同時に干渉する。


―――


「……ありえない」


―――


「ありえる」


―――


「ここではな」


―――


その瞬間。


観測者の一部が崩れる。


―――


完全じゃない。


だが。


確実に削れている。


―――


「……効いてる」


リナが言う。


―――


「ああ」


―――


「いける」


―――


その時。


リナが少しだけ寄ってくる。


―――


「アルク」


「ん」


―――


「これ」


一拍。


―――


「楽しいね」


―――


その言葉に、思わず笑う。


―――


「同感だ」


―――


そのまま。


軽く手を重ねる。


―――


分岐していても。


これは一つ。


―――


「行くぞ」


―――


「うん」


―――


無限分岐。


その中心で。


―――


戦いが加速する。


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