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第59話 最終決戦・後編――世界を書き換える者

あと一歩。


手が――届く。


「……っ!」


視界が歪む。


存在が削られていく。


だが。


止まらない。


―――


「アルク!」


リナの声。


消えかけている。


それでも。


確かに届く。


―――


「行ける!」


その一言。


すべてを押し出す。


―――


「……ああ」


俺は答える。


そして。


最後の一歩を踏み込む。


―――


届いた。


―――


観測者の“核”。


触れた瞬間。


世界が弾ける。


―――


「――接触確認」


無数の声。


同時に。


「排除実行」


―――


圧。


今までの比じゃない。


「……っ!」


意識が削れる。


記憶が消える。


存在が薄れる。


―――


「アルク!」


リナの手。


強く。


掴まれる。


―――


「離すな」


俺は言う。


「うん!」


―――


その瞬間。


二人の流れが完全に重なる。


―――


「……見える」


俺は呟く。


すべて。


世界の構造。


観測の仕組み。


接続の網。


―――


「……なるほどな」


一拍。


「そういうことか」


―――


観測者が言う。


「理解したか」


―――


「ああ」


俺は答える。


「だから」


―――


「終わらせる」


―――


錬金術。


最終展開。


―――


「分解」


「再構築」


―――


観測者の構造に干渉する。


直接。


―――


「……不可能」


声が揺れる。


初めて。


完全に。


―――


「お前らのやってること」


俺は言う。


一拍。


「“固定”だろ」


―――


観測者が沈黙する。


―――


「流れを止めて」


「選択を管理して」


「均衡を保つ」


―――


「だが」


一歩。


踏み込む。


―――


「それじゃ進まない」


―――


「変わらない」


―――


「だから」


―――


「壊す」


―――


その瞬間。


構造が崩れる。


―――


「……っ!」


観測者が叫ぶ。


「均衡崩壊!」


「世界不安定化!」


―――


「関係ない」


俺は言う。


「選ばせる」


一拍。


「全部」


―――


流れを解放する。


―――


固定されていたものが。


一気に動き出す。


―――


「……これは」


観測者の声が揺れる。


「制御不能」


―――


「それでいい」


―――


「これが“世界”だ」


―――


その瞬間。


核が崩れる。


完全に。


―――


光が弾ける。


音が消える。


―――


そして。


静寂。


―――


気づけば。


俺たちは立っていた。


―――


「……終わった?」


リナが小さく言う。


―――


空。


普通の空。


風。


普通の風。


―――


「……ああ」


俺は答える。


一拍。


「終わった」


―――


その瞬間。


力が抜ける。


―――


リナがそのまま寄りかかる。


「……よかった」


小さな声。


―――


「大丈夫か」


「うん」


少しだけ笑う。


「全部……戻ってきた」


―――


そのまま。


静かに寄り添う。


―――


「アルク」


「ん」


―――


少しだけ顔を上げる。


近い距離。


―――


「終わったね」


「終わったな」


―――


そのまま。


自然に。


近づく。


―――


今までで一番。


静かで。


深くて。


確かな。


触れ合い。


―――


「……これが答え?」


リナが小さく言う。


―――


「そうだな」


俺は答える。


一拍。


「一緒に選ぶ」


―――


それが。


結論だった。


―――


その頃。


世界の“外側”。


崩れた構造の残骸。


―――


「……観測終了」


最後の声。


消える。


―――


世界は。


解放された。


―――


数日後。


エルドラ。


いつもの日常。


人が動き。


街が回る。


―――


ロイドが笑う。


「結局、何だったんだよ」


「さあな」


俺は肩をすくめる。


―――


セリナが言う。


「まぁいいじゃねぇか」


「勝ったんだし」


―――


ミレイアが笑う。


「これからが本番よ」


一拍。


「“自由な世界”でどうするか」


―――


「決まってる」


俺は言う。


―――


「好きにやる」


―――


リナが隣で笑う。


「うん」


―――


「一緒に」


―――


エルドラは。


世界の中心になった。


―――


だが。


それでも。


―――


これは。


ただの始まりだ。


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