表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/120

091.「」


 死闘を征したのはレドックスだ。


 結果だけ語るならそうなのだが……。

 経過はそんなに単純でも、一方的なものでもない。


 たしかに先に押していたのはレドックスの方だった。

 まるで生まれ持った本能を解き放つかのように、獣性をむき出しに。

 荒れ狂う野獣のごとく、牙を突き立て爪を振るい、そのままイズンを圧倒していく。


 このままではまずい。

 想定を上回る力に、イズンは内心で焦りを覚えたのだろう。


 やがて始められたのは、荊に絡め取ったアルメリアからさらなる血の収奪だ。

 すると一気に力を増し、今度は逆にレドックスを追い込んでいく。


 喉が潰れてまともに声を出せず、アルメリアはその状況をレドックスに伝えることができなかった。


 もういいから逃げてと、そう訴えることさえも叶わない。


 そして――。


『口ほどにもないねぇ』


 ついにレドックスが捕らわれ、首で持ち上げられたとき。

 勝敗は決してしまったものとアルメリアは疑わなかった。


 このまま彼がどうなってしまうのか。

 結末を思うと恐ろしくて、とても直視できず。


(レド……!)


 顔をそむけかけた、そのときだ。



「チッ、しゃあねぇな。さすがに飛ばしすぎだろーが、こうなったらやるしかねぇ。――まァ、いけんだろ。多少なり荒っぽくはなんだろうが……」



 握っていた錆刀、それをレドックスが高々と持ち上げたのは。


『はァん? 何をさっきからブツブツと……遺言ゆいごんかい?』

『ウダウダうっせぇ。オメェも気張れ、腹くくれ』


 いぶかしげにしているイズンの問いかけに低く唸るように告げ。



「――ぶちかませ、シャンバラ」



 それが決着の合図となった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ