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081.「」


 本当に、どうしてこうなってしまったのか。

 置かれた今の境遇が、自分でも不思議に思えて仕方がない。


 仲間を探して旅立ち、群生地を見つけたはいいものの、結局そこに擬人化マンドラゴラはいなかった。


(そっか、ここには居ないのか……。残念)


 気を取り直し、再び旅路に着こうとしたのだが。


 まぁいろいろあって仲間たちから引き止めにあい、しばらくのあいだ彼らを庇護ひごしてやることになる。



「っと、すまない。いきなり押しかけて。ああ警戒しないでくれ、戦いに来たわけじゃないんだ。ただちょっと話がしたいだけで。聞いてもらえないか?」



 マンドラゴラたちを一箇所に集めたあと、最初にやって来たのはライナルトだった。


 両手をあげて、ニヘっと笑顔。

 そろりそろりとこちらの顔色を伺うように。


「人間が何の用です? 言っておきますがここはもう私の居住地なので、不用意な立ち入りはご遠慮を。お引き取りください」


「その、マンドラゴラを……」


「マンドラゴラ……? 何言ってるんですか。ここにはありませんよ、そんなもの。――では、お引き取りください」


 追い払った。


 次にやってきたのはセレビネラだ。

 木花の姿を模した彼女が扱うのも、アルメリアと同じ植物系統の魔法であるらしい。


 おかげで何かと分かりやすかったし、危機察知も容易だった。


「アンタがどうやってアタシの攻撃を見切ってるのかは知らないけどね、どの道これで終わりよ……! さぁ、死にたくなかったら……!」


 最終的には頭に種と根っこの食い込んだ魔獣をたくさん従えやってきたが。


「グシュウ!」

「はい、どうぞ。ご飯の時間ですよー」


 追い払った。


 その頃にはすっかり、森に棲みついた『荊の魔女』扱いされてしまったが。


 ジルクリフ、ムシウル。

 追い払った。


 で、最後にやってきたのが。


「さてはオメェ、ただのジャリじゃねぇな?」





 ――と、そんな懐かしい日々のことを思い返しながら。


 アルメリアはいま、いったん休憩している。

 ギルダに言われた通り、会場入りするとすぐに冒険者たちに見つかり、わちゃわちゃと取り囲まれてしまった。


「おや、もしかしてアルメリアちゃんか? いやぁ、いつもと雰囲気が違うから分からなかったよ」


「こりゃまた見違えたな! まるでいいとこのお嬢様みたいじゃないか!」


「いつものエプロン姿もいいけどな。これはこれでまた似合ってるぞ」


 寄せられる言葉はおおむね好意的なものばかりで、思わずタジタジもしてしまったが。



「ありがとうな、あんたのおかげで助かったよ」



 差し出された握手や感謝の言葉には、ひとつひとつしっかりと応じ、答えた。


 とはいえ、あまり続くと参ってしまう。


「あっちょっと私、飲み物取ってきますねー」


 テキトウな言い訳で抜け出し、そさくさと避難したのは大きな酒樽の設置されたドリンクバーコーナーのまえ。


「疲れたー」


 これでようやく一息付けると安心していたところ。


「やれ、まったくだよな」


 すぐ隣にいた人物を見て、ギョッとする。


「ライナルトさん!?」

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