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気まぐれしょうもナイト【更新不定期】  作者: すっとぼけん太
28/30

028 誰でも使える言葉①(会社で使うとだいたい怒られるやつ)

これは――

どなたにでも使うことができる言葉です。


・今回の言葉

「難易度:★★★★★(危険)」


※だから、ちゃんと覚えておいてください。


■ 部下が深刻な顔で相談してきた


三月。


資料をまとめていると、

あるチームリーダーの部下、塚本くんが、

珍しく真面目な顔でやってきた。


「レイジさん……ちょっといいですか」


(あ、このトーンは軽いやつじゃないな)


小会議室へ移動。


ドアが閉まる。

沈黙。


そして――


「実は……今の案件なんですけど……」


・スケジュール遅延

・人手不足

・お客様のプレッシャー

・チームの空気が重い


……うん、フルコース。


(あー、これはちゃんと聞くやつだな)


と思いながら、最後まで聞いた。


塚本、うつむく。


「正直……どうしたらいいか分からなくて……」


――ここで普通の上司なら、


・優先順位を整理して

・リソース再配分して

・リスクを洗い出して


……みたいな話をするところだが。


俺の中の“ドントコイ上田”が、

静かに目を覚ました。


■ そして放たれる禁断の一言


俺は、ゆっくり頷いてから言った。


「……塚本」


「はい」


(――来るか、正論)


「そんなに、くよくよすんなよ」


「……え?」


一拍。


「あと少し待ってればいい」


「はぁ?」


さらに一拍。


「春一番が吹けば――

 ぜんぶ吹き飛ばしてくれるからさ!!」


……沈黙。


エアコンの風の音だけが、やけにうるさい。


塚本、完全停止。



は~い、そこの皆さんもご一緒に!


(せーのっ)


「春一番が吹けば――

 ぜんぶ吹き飛ばしてくれるからさ!」


いいですねぇ~!


後ろの人、言ってましたか~?

悩みは吹き飛びましたか~?


(※飛んでない人はもう一回どうぞ)


■ でも、不思議と


この会議室の、

さっきまで重かった空気が――


少しだけ、軽くなっていた。


塚本も、さっきより顔が上がってる。


「……とりあえず、

 明日やること整理します」


「それでいい」


「あと……すみません、ちょっと元気出ました(笑)」


「まあ、春一番だからな」


「それ、関係ないっすよね(笑)」


■ 今日の教訓


・正論は解決するが、空気は変えない

・しょうもない一言が、人を救うこともある

・元気はつけるが、考える余地は残しておけ

・そして――その場で一番ヒヤヒヤしているのは、だいたい言った本人


<使用上の注意>


あの、うちの期待の新人・星くんを教育している女子に言ったら――


……無言でメモ取られました。


(三日間、口きいてくれてません)


ぅわ 逃げちまぇぇぇ~!!


【了】

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