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シューティングスター


 今日の最初の授業は対戦シミュレーション授業です



 戦場設定は、アメカと華国との代理戦争をしている紛争地帯


 敵側の組織の設定は

 30年間以上に渡り軍独裁政権を維持してきたが

 前時代の遺物のような強権恐怖政治体系であったため

 指導者交代を望んだアメカ支援によるクーデターで

 権力を失った元政府軍


 味方をする組織の設定は、クーデターで成立した新政府軍




 戦場設定は


 今まで、ひとつの国だったものが

 新政府軍の統治地域と、元政府軍の統治地域に

 現在は分割されてしまっており

 元政府軍が不法に占拠している地域を奪取するための戦争が

 延々と継続している紛争国の


 両軍の境界地域を挟んで攻撃を仕掛けているという設定





 今回の授業での暗殺ターゲット設定は


 華人軍国防大学に留学して訓練を受け

 華国に人脈を築いて、軍需システム投資案件を提案して

 元政府軍が勝利した暁には投資資金を数倍にして償還しますと

 宣伝して元政府軍のための戦争資金を集金している責任者


 責任者というか、大勢の人間に呼びかけて

 とても上手に戦争資金を集めすぎたので

 敵側に存在されると、とても邪魔な存在



 なので、任務の設定は


 遠隔操作の攻撃ドローンを操縦して

 自国領空に侵入した攻撃ドローンを撃墜するための

 防空システムが発射する迎撃ミサイルをの攻撃をすり抜け

 ターゲットと、その取り巻きを暗殺するという任務が設定されています。


 アメカ軍の軍規というかルールに従って行動しなくては、ならなくて


 攻撃ドローンが撃墜されたらゲームオーバーで

 暗殺に成功したらゲームクリアです。



 攻撃ステルス空爆ドローンを遠隔操縦する

 ドローン・オペレーターと


 航空管制レーダーや偵察衛星からの情報を見て

 ドローン・オペレーターの攻撃支援をする

 ナビゲーター二人一組になって出撃します。



 高校生にもなって空爆シミュレーションゲームが

 どっちが上手かを競うという授業です。


 世も末だなと、お年寄りの嘆く声が聞こえてきそうです

 実際、この話をすると勇猛な軍人として

 若い頃に地上戦を戦った親戚は嘆きます

 なので、一回、嘆きの声を聴いてからは行ってません。


「橋田ちゃん……ラーメン好き?」


 今回、コンビを組んだ上野ちゃんが言います。


「あのラーメンは、マズイので絶対に食べたくありません」


 そう、昼食が何になるかが決まるのです



 ゲームオーバーとなったコンビは


 学食のメニューの中でも、何故にメニューにあるんだと

 疑問に思えるほどに


 食べさせられるのが罰ゲームな

 激マズラーメンが昼食になります


 麺はグニョグニョで、のびたような食感で

 市販されている安い麺よりマズイ最悪な感じ


 スープは、なんか、デタラメに安い中華ダシを使いました

 ってな、なんか変な成分を感じさせる風味


 マズイモン食いたさの度胸試しに食べる

 という最悪なラーメンがあるのですが、それを食べさせられます。


 絶対に勝つぞおおっ! どりゃああああ!



「やっぱ、高級鍋だよねー?」



 ピクリ。橋田の耳が動きます。


 ゲームクリアすれば、スッゲー高い鍋コースが無料です。

 んふふ、じゅるり。


「はあ、はあ、も、もうやっだなー

 そんな食い意地だけで生きているわけじゃないよー

 はあ、はあ、んっふっふー」


「上野は、強い勝てる子が好きだなー」


「いえっさぁあー! 何がなんでも勝つぞーい!」


「ほーっほっほっほ」


 誰が、フクロウじゃーい。


 くどいよ、その一人ボケツッコミ? そっすか


 でも橋田は、この一人ボケツッコミが最近、気に入ってます。



 そのボケツッコミに、ちなんでコンビのコードネームは

 「フクロウ」という名前に設定してあります


 闇を切り裂くフクロウのように

 恰好よく、獲物を闇夜に狙うわけです。

 シミュレーション内の戦地は

 時差で真夜中な設定な事ですし


 変なテンションになってます。

 毎回、この授業では、この変なテンションになります。

 子供がシューティングゲームで遊ぶ感覚に近いからでしょうか



 そして、橋田あんど上野は無事クリアしました。


 るんたったーるんたったー♪ もう上機嫌です。

 お高い お高い鍋ですものー♪。うふ。うふふ。


 休憩時間にシミュレーション教室から戻ると

 RPGゲームの地獄の門を潜らないといけない

 冒険者みたいな顔になった生徒がいました。


 ゲームオーバーとなってしまったコンビ

 山形あんど青森です。敗者に声をかけません

 それが暗黙の了解だからです。


 私が素通りしようとすると

 山形ちゃんが私の手をつかみました。がっつり。



「……なんですか」


「今回は負けたけど、次は勝ちたいんだよね」


「え? そうだね、たまたまだよ、今回は運が悪かったね」



 実際には、うまくいったら私のおかげだーと

 図にのって調子にのり


 失敗したら、その時にペアを組んでいた人間のせいと叫んで

 何故に失敗したかを顧みずもせずに何度も同じ失敗をしているから


 次も絶対にゲームクリアできないだろうなと

 内心は想っていますが、そんな本音を顔には出しません


 ポーカーフェイスが出来ているかな

 ひょっとして、高い御鍋への喜びが出ているかもです。



「そう……だよね……」


「そうです、運が悪かっただけですよ」



 ふー。よかった面倒なことにならなかった。


 どんな、八つ当たり御前のせいじゃ絡みが始まるか

 わかったもんじゃないから大変です。



 と思ったら、がっつり。またつかみやがった……



「んもー、なんですかぁ?」


「同じ戦闘中毒と見込んで頼む。なにか間違えてる?」


「あのなッ! 何それっ! 同じ戦闘中毒って!

 一緒にしないでよっ!」


 たぶんゲーム中の表情のせいだと思います。


 そうコンビを組んだ上野ちゃんが目で語ります


 いや、それは、ただテンション、アゲアゲにしただけです

 別に戦闘中毒ってワケじゃ・・・ブチブチ。



「いいでしょ。ねぇ、仲間じゃない? 教えてよ。

 ゲームクリアした後、見てたんでしょ?

 何か、決定的なミスしてなかった?」


「してませんよ? 運です運」


「本当だな? 信じるぞ!」


 相手が喜ぶ言ってほしいはずの嘘を言ってあげましょう


 山形ちゃんは私の言葉を信じてガッツポーズして叫びます。


「よっしゃあああッ! 次は勝つぞぉおおっ!」



 ふっバカめ!!! 私はほくそ笑みました。うひょひょひょ。


 こうして私は嘘をついて


 ”御前のせいじゃ、私のおかげだ”


 と叫ぶだけで、失敗から何も学ばない山形の性格を指摘しません


 たぶん指摘しても


「いや私は悪くない間違ってない

 たまたま、運が悪かっただけだ。いや一緒に行動した誰かのせいだ。」


 と言って、自分に言い聞かせるだけな性格なので

 言っても無駄なのを理解しているので、そのままにしておきます。





「おっなべ♪ おっなべ♪」


 お鍋を食べてました。ヒャッハー!!! 勝利の味は最高ですね。


「鍋おいしい?」


「はいー♪」


 ムッチャ、うんめー!!!


「じゃあ橋田ちゃんも、心はテロリストなワケね」


「い、今なんと?」


「テロリスト♪」


 エロリスト? とボケられないのが残念です

 大勢の人がいる学食なので。


「ところで……山形ちゃんか何か言ってなかった?

 ひょっとしたら、次、コンビ組まされるかもだし・・」


「いえ、それは私のポリシーに反するので……」


 今回は相棒とはいえ


 次回は対戦シミュレーションで敵になるかもだし

 教えないもんねー。


「追加注文してもいいよ。焼き鳥とか奢るよ。」



「はい! 山形ちゃんは責任転嫁できる誘惑を用意すると

 果てしなく責任転嫁しまーす


 それのせいだと叫んで全てを忘れて

 何度も同じ失敗をしてコンビを組んだ人間のせいにしまーす


 なので、なんとかしてコンビを組まなくてすむようにしてまーす!


 コンビを組まされそうな日は体調不良な事にして休み魔ーす」



「なんじゃ、そりゃ、本人に指摘しろよ!」


 と言いたくなるかもしれません。


 でもここでハッキリしておかねばなりません。


 私は山形ちゃんと一緒に学ぶ仲間であっても

 共通の利害を持っているわけじゃありません


 冷たい? 指摘しても自己正当化して聴かないんだから

 自分で気づかせるしか無いと思いますが。



 そして、一緒に鍋を食べる上野ちゃんが言います。


「さってと、シメは、なんにしよっか?」


「雑炊で!!!」



 任務達成した達成感を感じながら食べる雑炊はおいしいでーす


 負けた山形あんど青森コンビが少し離れた席で

 マズイ罰ゲームラーメンを啜りながら

 ジト目で恨みがましく見てきます。


 私も上野ちゃん戦闘中毒者だと勝手に思われてのでしょう


 つか誰が戦闘中毒者じゃーい!!!

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