山梨ちゃん パフォーマンス・アートを観る
山梨が住んでいる場所は
軍需産業大学と付属高校、小中学校がある学園都市です
隣接する地域にあるのは巨大な軍基地
軍需産業の研究所、グローバル軍需大企業
が並ぶという街並みが繰り広げられています
ここで生まれて育ってきて、両親ともに海軍基地の軍人
自分も同じような軍人になるのだろうなぁと想っていました
ところが、この学園都市にも美術専門学校がありました
美術大学の学園都市への出張所のような専門学校です
そこの学生さんとバイト先で関わった事から
軍需産業大学へと進学し立派な軍人になるコースから外れ
第二高校を卒業した後は、私も美術専門学校に行く予定です。
美術専門学校の学生さん曰く、才能のあるエリートは
スポンサーやパトロンを見つけて
国際的に名の通った海外の有名美術大学に
付属中学や高校の段階から留学して
そこで数年間、芸術漬けの生活をおくるそうです
他の事、バイトなんてしている暇は無く
パトロンを見つけたら画家になる人とかは
絵筆だけを握る毎日を送っていると語ります
そんな話に感化されてアートの世界に行く事を決め
軍需産業大学都市にいる自分にはアート世界への入口は
美術専門学校へ進学する事だけです
内輪ではアートオタクというか芸術に造形が深いと言っても
しょせんは軍需産業大学の付属小中学校、高校と過ごした
独学での趣味レベル・・・色んな意味で周回遅れです
パフォーマンス・エロティック・アート
で飛び道具のような作品を作れば金になるらしいのですが
そこらへんはマフィアの資金源になっているので無理
暇な金持ちド変態が金を撒いて作らせている
グロテスク・アート
アフォな、ガキ丸出しな同じ高校の内輪でうけるので
エロアートや、グロアートのパロディを
専門学校の学生さんからの聞きかじりで語ってますが
それらのアート作品の一部は我が国の法律では
所持しているだけで逮捕されるらしいので
法律に抵触しない表現な作品しか見た事は無く
その世界では有名な芸術家も、その作品も
名前を聴いた事があるだけです
ようするに、評論を語っているだけで
本物を見た事が無いんです
山梨は、耳年増な処女のような存在なんです。
そんな日々を送っていたワケなのですが
夏休みになって、バイト先で専門学校の学生さんに誘われ
美術学生な皆様の溜まり場へと行って
ワケのわからないパフォーマンス・アートを見ました
どんなアートか? それは、とてつもなく過激な光景でした。
・・・
結構、広めな金持ち御子息の住処がパフォーマンス会場です
パフォーマンスは突然に始まります
まず、とある作品の複製がスライドで壁に表示され
その作品をグロアートだと語る人と
エロアートだと語る人が口喧嘩を始めます
各自が恋人らしき人を呼び、男女二人一組になって
解釈を語りながら、だから、こういう事だろうと
論争を始めます
その内、論争では無く、パフォーマンスを二人組が始めます
作品を解釈したエロアート・パフォーマンスと
グロアート・パフォーマンスです
公の場所で公開して真面目な人がいたら通報されるような
過激で退廃的な良い子は見ちゃいけませんパフォーマンスです
いかにして常識から逸脱した表現を出来るかを競い出しました
パフォーマンスが4人の心の中から常識という二文字を
少しずつ消していくかのように過激さが増していきます
ある程度、過激さがエスカレートした所で
悪魔と書かれたTシャツを着た人間がドアを開けて入場
エロアート・パフォーマンスと
グロアート・パフォーマンスを繰り広げる
二組男女の組み合わせを入れ替えるように指示します
そして相手を変えて再び、みんなの前で
パフォーマンスを始めます
悪魔Tシャツを着た人間が色んな御題を言い出します
「人間花瓶」
「開脚体操第一」
「四人一緒に合体ロボット」
その掛け声に応え四人がパフォーマンスをしていきます
バイト仲間さんが悪魔Tシャツの人の噂を小声で言います
我が国で一番有名な美術大学の卒業生にして
パフォーマンス・アートの一人者
超絶エリートらしいです
バイト仲間さんは悪魔Tシャツを賛美します
悪魔崇拝の信者になったかのようです。
悪魔Tシャツが客席というか見学している人々の中に混ざって
色んな人に御題を聴いていきます
その内の気に入ったのをやれと言って
しばし、アドリブ・パフォーマンスが繰り広げられた後
もう一人、何も書いて無い、真っ白なTシャツを来た男が
ドアを開けて入場してきます
「や、や、やあ・・・こんにちはぁ」
下を向き、人と目を合わせらない人な態度で
オドオドしながら、4人に話しかけます
「ぼ、ぼ、ぼくは……
あれ? 何を言いたかったのか?
わからなくなった……のか?
ぼくは自分が無いんだ
誰でも、いいから、僕が何をすればいいのか教えて」
真っ白Tシャツから発せられるのは圧倒的な弱者のオーラ
寂しいと死んじゃう系の生き物です
「んふふふふふ……」
パフォーマンスしていた4人が妖しく笑います
「連中はエログロアート世界に引き込み
一緒にパフォーマーとして生きさせられると感じた」
客席の悪魔Tシャツがナレーションを入れます
「「「「ようこそ! 君は今夜のオミコシだ」」」」
4人が声を揃えて叫び、真っ白Tシャツを
エログロアート・パフォーマンスに引き釣り込みます
4人は、自分がされた事を順番に全て真っ白Tシャツにしていきます
最後には4人がかりで真っ白Tシャツに
エログロアート・パフォーマンスなアレコレを
同時にしている光景を作り上げます
そして、しばらく静止した後に
真っ白Tシャツを4人が御神輿のように持ち上げます
「よし行くぞ!!!」
「わっしょい! わっしょい! わっしょい! わっしょい!」
4人は真っ白Tシャツを揺さぶります
「わっしょーい! おっしょい! わっしょーい! おっしょい!」
「さあ、みんなも一緒に!!」
見学していた人も一緒になって神輿状態の白Tを、かつぎます
「わっしょい! どぉっしょい! わっしょい! どぉっしょい!」
かつげない人は、白T神輿の周りで踊りだします
「わっしょい! らっしゃい! わっしょい! らっしゃい!」
アドリブも含めて全パフォーマンスを動画撮影している人に
カメラ目線で決めポーズを数人がとります
「わっしょい! わっしょい! わっしょい! わっしょい!」
ワケのわからない一体感が場を包んだ時、悪魔Tシャツが叫びます
「そして、突然に彼は神輿では無くなったー!!!」
真っ白Tシャツを持ち上げるのをやめ、下に降ろして離れ
真っ白Tシャツがドアを開けて部屋から出て行きます。
・・・
ここまでで、今夜のパフォーマンス・アートは終わったようです
ですが、変なテンションは消えず、二人一組になって次々に
部屋から消えてゆきます。
男女二人組、男二人組、女二人組
男二人&女一人、男一人&女二人・・・色んな組み合わせで
なんか、異様な空気になったのでバイト仲間さんと帰りました
もちろん、二人きりでのエロアート・パフォーマンスはしなかったです
健全でマジメな軍需産業大学付属、第二高校の高校一年生ですから。




