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漫画少女 上野ちゃん


 中等部の後輩が漫研に入ってきました

 つい、こないだまで初等部、つまり小学生だったワケで

 すっごーい子供に見えます。


 いっやぁー、おっ可愛ぃいですぅ

 中二病とかになったり反抗期になったりで

 数年後、変身してしまうのがいるんでしょうが


 同じ地域に数年先に生まれただけで

 偉そうに先輩面できるという学生時代だけの特権を

 満喫でき、なんか偉くなったような錯覚をする季節です。


 ほーっほーっほっほぉ


 笑い方も見本となるような上品な笑い方を

 しないといけないザマス、ザーマスっと


 ・・・ 誰が フクロウ じゃぁーい!!


 一人ボケ、ツッコミをしていては、あきまへん


 ちなみに中等部一年生からは二人が入部しました。

 中高一貫校というか、女子中等部と隣接していて

 部活動をするサークル棟が中高共有なので

 部活動は中高合同で、基本的に6年ほど一緒に活動します。 


・・・


 新しく入部してきた新入部員もグループに加わり

 漫研全員で買い出しに出かけました


 漫画を描くのに最低限、必要な道具を

 買い出しに行きながら新入部員に教えます


 全部デジタルでやるとか言ったら

 手書き用の道具は不要になりますが

 今のトコ、デジタル作画ツールをフルセット装備する

 と言い出す新入部員は出現していないし

 部費で買ってもらえる見込みは無いです


 私たちは他の多くの漫研と呼ばれるグループに

 混ざってみて同じような事をしているというだけで

 活動に何か重いテーマとかポリシーは無いです


 適当に部活動発表の意味で同人誌を発行したり

 イラストコンクールに応募したり

 漫画コンクールに応募したり

 漫画原作コンクールに応募したりしてます。


 上野は漫画原作コンクールへの応募を

 主要活動としています


 ハッシーも同じように原作を書いて応募しますが

 委員長と漫研部長をやっていて

 予算管理とか、文科部長会議とか、文化祭実行委員会

 色んな所で活仕切り役をしているので多作じゃありません

 コンクールへの応募は、完成が間に合った時だけです


 私は中学へ入学して漫研に入部してから

 今までの原作コンクールに皆勤賞で参加しています


 なんだ、御前、暇なんだな


 そんな、ツッコミが聴こえてきそうですが

 時間はあっても、無為に過ごすと時間は無くなります

 それなりに皆勤するというのには努力が必要です。


 他の皆はカッコイイ王子様とかを描けるようになりたい

 といった感じの作画中心な人が多く


 最近、流行している、異世界ファンタジー恋愛物語

 というジャンルのテンプレート・ストーリー


 ”王国追放聖女や、パーティ追放魔女が

  追放先で、新しい王子様やパーティと出会って

  新しく出会った世界で仲間に恵まれ楽しく冒険


  昔は仲間だった追放した奴等はザマアされ滅んで

  最後には、追放された主人公が真実の幸せを手に入れる”



 という内容の細かい所を変えただけの漫画で


 誰が一番、カッコイイ王子、強そうな仲間の冒険者、

 カワ(・∀・)イイ!!聖女、綺麗な魔女を描けるかとか


 ちょっとした小ネタギャクや、ボケ&ツッッコミを

 どれだけ盛り込められるとか


 を競うように書いています


 部活動発表で発行している同人誌には


  部員の大多数が最新流行の面白い

  テンプレート・ストーリー


 と承認したものを元にしているので

 似たような、あらすじですが、結構に違うものが

 ズラと並んでいます。


・・・


 と言うわけで、買い物に出かけます。


 ある意味、修行僧尼の求道精神のような伝統的部活が

 我が校には多いのですが


 ”楽しくないと書く作品も楽しくならない”


 という活動スローガンの元、享楽主義と批判されそうな


 ”楽しければいいんじゃね精神”


 で漫研は運営されております。


 部室で私服に着替えて、買いものに、ゴーです

 買いものはすぐに終わり、一度学校の前まで来て解散


 上野は一緒に遊んでいる同じ学年の二人と

 ゲームセンターに寄る事にして

 いつもの無駄話をしながら歩いていると

 叫び声が聞こえてきました。


「誰かぁーっ、助けてくれーぇ!」


 声の聴こえた方を見ました。近くにある公園からです。


「行くぞぉ! 御前等ぁっ!」


 女子プロレスラーのような外見の大志摩さんが言いました。

 え? そんなスポ根な熱血キャラだったっけ?


「ボケッとしないで! 行くよ!」


 校内の格闘術大会で優勝した子供の頃から武術を親しんでいるのに

 何故か漫研な、女子ボクサーのような外見の吉村さんも言いました。


 二人のダッシュに置いて行かれながらも後を追いました。


 公園に着くと学生三人が二人を囲んでいました

 囲まれている二人は、男子中等部の

 勉強だけは出来そうなヨワヨワ体型メガネ生徒です


 そして囲むのは、ガラの悪さが顔に出ている第三高制服の三人!


 まあ、初遭遇ですが、話し合えばわかるはず、同じ人間です

 話しかけようとしたのを遮るように吉村さんが叫びました。


「貴様らぁ、中等部相手に恐喝だとぉ、それでも軍産生かぁ!」


 そして相手が、何かを言い返そうとするのを遮るように

 問答無用に、正義の味方ヒーロー キッーク!

 いきなりの先制攻撃を開始しました!!!


「よし! お前らは学校へ行って教師に知らせろ!」


 中等部を逃がしました。吉村さん カッコイーイ!

 アクションシーンしか書けない格闘バカだけどカッコイイ!

 私のような、地味子とは大違いです。


 吉村さんが筋肉隆々な腕をムキムキにして

 威圧感を大々的に出して威嚇します。


「ナニサマジャ コノ クソアマ オンナノ クセニッ!!!」


 近くにいた三高所属らしき、謎の生き物が叫びます


「ナンジャ イキナリ コラァッ! ナメトンノカァッ!」


「オラ テメエラ ヤッチマエ!」


 謎の生き物が増殖しました。さらに後ろから声がします。


「ふざけんじゃねえぞ コラァッ!!!」


 中等部が格闘部の皆さんに助けて下さいと声をかけたようです。


「こんなのに舐められんな! 次が無いように、やっちまえ!」


 格闘部さんが全身凶器っぷりを発揮しようと突っ込んでいきます。


 あーあ、知らね…… 逃げよっと……


 と、思った時は、時すでに遅く


 ぱーぷー ぱーぷー ぱーぷー ぱーぷー


 パトカーでした。パトカーが来ました

 学校外だから近所の人が呼んだのかもしれません

 私たちは悪くありません、中学生を助けただけです

 近づいてきた警察の人に言います。


「あのぉ中学生がカツアゲされていた助けたんですがぁ……」


「大人しくしろ!」


 そう言うと腕をつかまれました。え? ちょッ! なに?

 拘束されました。 え? ちょっとなんで? たいーほ……

 警察に捕まりました。普通の補導扱いなようです。


 第三の仲間な、軍幹部親族経営な店の毒婦や地雷女と

 判定されたようです。私服で制服を着ていなかったので


 よっぽど、ここらへんで第三高生が毒婦や地雷女と

 色んな悪事を働いて警察が何度も出動しているのでしょう


 前例を参考に行動している公務員様は

 前例通りに、悪事を働く奴等の内輪もめと判定したようです。


「名前は?」


 窓のない取り調べ室内に全員が並べられます


 マフィアにしか見えないパンチパーマのオッサンに

 第三高生が最初に尋問をされます


「ぼっくっはー、田中くぅんでぇーすっ♪」


 三高生は、ふざけた言い方で答えます。


 ぱっこぉーん!!!


 次の瞬間、人間打楽器な音が響きました


 目の前のパンチパーマは顔色一つ変えません

 言っても無駄だとばかりに、とりあえず暴力です。


「これは完全に違法取り調べだが、しかたが ねえだろぉ。

 御前等には言葉で何か言っても、聞いちゃいねえだろーし

 頭が悪いから殴られないと悪い事したって理解しねぇんだろーし

 いいから、聞かれたコトに応えろやぁ、コラァ!!」


 言うことを聞かせるには挨拶代わりに殴って力関係を示すしか

 強い俺様達の言う事は聞けと言うしか方法が、ない

 と判断しているのでしょう


「名前は?」


「明智です」


「なにが、あった?」


「中等部の生徒が、三高のくせにだの

 年上に敬意が無かったんで注意したんです。

 そしたら、恐喝と勘違いした二高生徒が乱入してきて

 さらに仲間を呼んで収拾がつかなくなったんですよ」


 びったぁあーん!!!!!


 今度は逆のホッペをビンタです。

 てめえ、嘘つくんじゃねえぞ、嘘なら承知しねえぞの確認暴力です

 でもさすがにムカついたようで明智という男が言い返します。


「今の暴力は刑事訴訟法何条による暴力の執行ですかね?」


「舐めてるともっと痛い目に遭わすぞ。コラ! なんだテメエ その顔。」


「そういう態度ならXX法律事務所のXX先生が来るまで話しません」


 嫌なガキですね。弁護士さんと知り合いのようです。

 途端にパンチパーマ刑事の表情が変わりました

 馬鹿だから、どんな雑なマネをしても殴っても

 社会的交渉をする知能はないと判断されていたに違いありません

 二、三発殴って説教してリリースしようとか考えていたのでしょう。


 この部屋に押し込めたのも怖がらせて

 反省を促そうとか余計な事を考えていたに違いありません

 マニュアルすら存在してたかもしれません。


 熱血教師ごっこがしたいなら他でやれとでも言いたそうな

 冷たい目をする明智にパンチパーマは言いました。


「本官も職務なので、横暴な態度は悪かった、申し訳ない」


 訴訟可能性が出た途端に態度が丁寧になりました。


「ところで、我々の職務として事実を報告する必要があるので

 正直に事実を話していただきたい、何があったのですかな?」


 パンチパーマの穏やかな言い方・・・不気味です。


「中等部の生徒が、三高のくせにだの言ってきて

 年上に敬意が無かったん注意したんです

 そしたら、恐喝と勘違いした二高生徒が

 仲間をスマホで呼んで収拾がつかなくなったんですよ」


「そうかあ、そうでしたかー

 今、学校の担任教師に連絡をとっているので

 もう、しばらく待機していて下さい」


 そう言って、パンチパーマは出て行きました。


 このあと担任を含めた教師たちが来て

 私たちは警察署の尋問室から釈放されました。


・・・


「それで? どうして? こうなった? 上野?」


 学校に戻ると担任に聞かれました

 それは私の台詞です。


「いや、だから、何度も言ってますが中等部の後輩が

 三高に絡まれていたので……私が三高と交渉しようとしたら

 吉村が飛び蹴りかましたんです」


「それで上野はどうした」


「大志摩が仲間を呼んだので傍観ですよ!」



「ちょっと待て! 俺は、お前らが

 三高の昆虫のようなアフォを言いくるめて遊ぶ

 毒婦や地雷女の世界に引き釣り込まれて


 中等部を仲間に引きづりこもうとしたって聞いたぞ!

 もう電話で中等部に謝罪したんだぞ!」



「知りませんよ! どんな勘違いですか?

 それって警察の人の予想でしょ?

 なんで事実確認しないで、とりあえず謝ったんですか?」


「だって警察に

 第二高の生徒にも毒婦や地雷女がいるんですねえ

 って言われたんだぞ! しょうがないじゃないか?」


「そんなワケないでしょ? とんでもない決めつけ濡れ衣です

 誰が毒婦や地雷女ですか? それにですね

 そもそも、心理操作実習で実験用モルモットに使っている

 第三歩兵科と関わりたいと思うワケが無いでしょう?


 遠隔心理操作実験とかを仕掛けて観察する対象ですよ?」


 そう言うと先生も納得してくれました。


・・・



 三高の群衆心理操作モルモット


  群衆心理操作実習の授業で

  集団ヒステリーを発生させての疑似革命扇動実験をしました

  歩兵科の中の一人を誘導心理操作して



 心理遠隔操作モルモット(シンクロニシティ実験)


  心理遠隔操作実習の授業で

  苗字が同じだけの三高の現役生徒とOBに

  遠隔操作情報メールを送信して

  全然違う日常を送る、別人なのに

  心理状態だけを無理やり同じような精神状態になるか?


  というシンクロニシティ現象の実験をしました


  三高の現役、OBのどちらが

  自分の今まで通り、いつも通りの日常を

  維持するために必要な何かが壊れてオカシクなるか?


  それともシンクロしながらも日常を維持できるか?


  結果の予想は2パターンでしたがケースによって違いました



 あんな心理操作実習で使ったモルモットと一緒にされた

 というか、あんなのの仲間と思われるなんて


 嫌だぁ! そう思われた事が恥だ! プライドが許せないぃ!


 という叫びたくなるような想いが

 しばらく、消えませんでした。


・・・


 しかし、数週間という時間が流れ

 警察に所属する皆様の職務というものについて

 少し勉強してみた上野は想います。


 警察には警察官を監視する監視サーバーがあり

 それは我が国にある監視サーバーの中で

 最上級性能な監視性能を誇り

 不祥事を起こした警官が発生するたびに

 監視機能を追加しているそうです

 不祥事再発を防止するために・・・

 そして要監視対象と判定された警官は

 年中無休24時間稼働する監視サーバーによって

 全ての行動、発言、電話連絡、誰かとの交流を

 監視されるそうです。



 というワケで、警官である自分達が

 厳しく監視されている日常を送る内に


 マフィアとか、一般市民に紛れた危険人物などに

 監視対象を広げた監視サーバーに登録された

 要監視対象への監視の眼は厳しいものになるワケです


 あの時に遭遇した第三高校の生徒は

 監視対象として登録されている人間だったのでしょう

 そして、その監視対象と交流?してしまった我等も

 要監視対象と判定されてしまった・・・


 そういう事なようです。


 警察で監視サーバー設定職務をしている先輩から

 こっそりと聞き出しました。


 ”我々から見て、どう見えたか? それが我々真実だ”


 そんなスローガンを言い切る管理職もいるそうです

 なんだかなぁ・・とも思えましたが

 それで当たり前なそうです。しょうがないですね。はははっ。


 我々の職務のための必要悪


 というやつなんでしょう。あのマフィア警官の暴力も。



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