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アンセクシーガールズ 家庭内権力を語る


 青森さんと山形は小中高と同じ学校な友達です

 暇な二人が集まれば恋バナが始まります

 ですが、アンセクシーで残念な外見である哀れな二人なので

 始まるのは当然のようにエア恋バナ

 空想上の生き物を脳内に作り上げて語るだけです。



 最近、語るパターンは、3パターンです

 高校1年生の6月中旬には

 同じような話の繰り返しに固まってしまいました


 青森さんが語るのは

 空想上の生き物であるスーパーダーリンが

 もしも、こんな感じだったら話


 山形さんが語るのは

 スーパーダーリンと一緒に過ごす自分が

 数人の内輪でとはいえ女王様になったら話


 そして、二人で語る共通の話は・・


 リ  ア  充   爆  発  し  ろ  話



 今日は青森さんのターンなようです

 話を切り出しました。


・・・


「国営放送の朝ニュースのキャスター、かっこいい


 同じ年齢で金が無い、女を相手するための知識も経験も無い

 やりたがる下手くそにしか見えない馬鹿なクソガキより

 ああいう金持ってそうな色々と上手そうなオッサンがいい」



 40代です。青森さんはイケオジ好き上級者ですが、

 好みなオッサンは、たいがいが過激なスキャンダルとかで

 テレビに映らなくなってきたので、語るのは

 国営放送のキャスターさんについてと、なってます


 流石、セクハラオヤジ、痴漢、露出狂などの

 一部の変態に熱狂的に近寄ってこられるほどに

 何かを発射している変態ホイホイ状態から


 どうせ、こんなのしか視界に入らないのならと開き直り

 変態おっさん生態研究家になっているだけあります。


「○●みたいな男が好きなんだ」


 何度考えても○●は恋愛ドラマには出演する役者ではありません

 重いテーマな作品で存在感ある脇役を演じるオッサン役者です

 若い女が好みと言うのは一般的ではないと思えます。


「○●と過激な夜遊びして、起きたら何していいかわからなくて、

 とりあえず二人で暴れてホテルを滅茶苦茶にして

 そんな破天荒な無茶しそうな男って刺激的でしょ? ……」


 どんな脳内妄想してんだよ

 てか、そんな刺激的日常を送っている人だったら

 スキャンダルで、テレビに映らない人になってるよ


 でも、この地域の条例では未成年の女性に成人男性が近寄って

 大人の交際をしたら、男の方は犯罪者になってしまうのでは?


 いや、だめだ!

 青森さんワールドに馴染むと発想が馬鹿げてくる!


「XXは……好き?」


 山形は話題を変えました。かろうじて知っているアイドルです。

 名前とグループ名くらいしかわかりません。


「なんか、みんな同じような髪型で同じような中性顔で

 同じような、アイドル・スマイルで

 顔と名前が一致しないんだよねー!

 それに……ケツの青いガキなんて」


 青森さんは渋い顔をして言いました。

 あなたも、ガキじゃね? おまいう?

 顔は・・オバちゃん顔・・ですけど。


・・・


「それで 弁論大会 校内予選での原稿ですが……」


 しかたなく、山形はアイドルから

 我が校の恒例行事な弁論大会へ話題を変えました。


 青森さんは、7月に開催される弁論大会の

 校内予選出場を命じられていました。


 その弁論原稿は誰かと共同製作で良いとの事なので

 一緒に製作しているのです。



「審査員のオッサン好みな内容を、

 審査員のオッサン好みな表現でしゃべったのが

 勝ち抜けるんでしょ? どうせ、そんなもんだよねー」



 大学都市のある地方都市予選大会で、そして全国大会で

 優勝者や上位入賞者を毎年のように出している我が校


 目立ちたがりな、オシャベリが多い学校

 と言えるかもしれませんが


 でも、今年は駄目なんじゃないかと疑問の声が

 PTAからの正式抗議という形で噴き出しました。


 それで学校側も「今年も優秀な弁論者はいます」

 というアピールがしたくなったのです。


「それで弁論のテーマは何だっけ?」


「『未来について』ですよ。


 ”どうせ、女のくせ”とか

 ”しょせんは、女なんだから”しか言わない


 差別主義者に近い、予選審査員が

 未来についての意味なんて考えているとは思えないなぁ


 それに何を言おうが・・・ねぇ?」



「……そうだよね、何を言おうが・・・だよね……」



 どうせ、我々の未来なんて結婚相手もしくは親次第です

 努力は関係無く、どんな人間に相手にされるかで

 未来が決まってしまいます



「世界ってのは頭のいい人が考えてるんだっしー。

 そのうち良くなるでしょ」



「頭のいい男が、男のポジショントークでしか語らない男が


 女である我々に有利となる頭の良さを

 発揮してくれるとでも思ってるんですか?


 審査員する教師なんか。


 どうせ女は結婚したら、子育てや家事や人づきあいを

 旦那に押し付けられて仕事なんかしなくなるんだから

 理想とする家族や家庭を考えれば いいんだよ


 とか考えてやがるに違いありません。


 たぶん恐妻家で家庭内権力が無いから

 外で女にヤツ当たりしているんでしょうけどぉ!!」



「屈折しまくってるねー…いっやー…ほんとーにぃ……」



 オッサンなんて、どうせ、そんなものです。 おっほん!



「全くネガティブ全開だね……って、ん? ……ねえ」


「なんですか?」


「それを語れば、いいんじゃない?」


「なにを?」


「家庭内権力を手に入れた女王様生活な未来のためにって」


「……え?」


 思わず目をぱちくりしました。


「女であるポジショントークって

 やっぱ、そうなんじゃないの?」





というワケで、高校弁論大会 校内予選の当日が、やってまいりました。


(中略)


弁論大会の結果ですか?


”家庭内権力”という単語が含まれる弁論は

今後、発表禁止な事が決定してしまいました。


いっやー、残念、残念、山形は残念でなりません

全国大会まで勝ち抜いて夏休みを過ごしてみたかったなー。


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