表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/51

軍需産業 第二高校 情報工作科


軍需産業 第三高校で高校教師をするようになって数年


第三高校へと直行直帰する日常から研究室に戻ると

今年は大学院から研究室に来る人がいないという話


なので、一番、年下で、内輪で一番の下っ端・・・


清水寺くぅん 清水寺ー きよみー きよ


だんだん省略された呼び名になっていき、今や、


「ちょっと、きよ!」


「じゃっ、そういう事で、宜しくな、きよ」


”きよ” という通称で、誰もフルの苗字で呼びません。



でも、研究室が素晴らしい天国のような所に見えます


餓鬼地獄が繰り広げられる

第三高校の日常からしたら楽園


土日も昼も夜も無く電気がついていて

ひたすら主任研究員様が納得するまで考えるのに

つきあわされる部下や学生の誰かがつけた

不夜城という通称で呼ばれる研究棟も


その中にある仮眠室や、シャワー室さえも


1年間、第三高校で生き地獄を見た後なので

素晴らしい世界に想えます


ひょっとして、これが狙いだったのかもしれない

我々の研究室は素晴らしいと自覚するための修行


だが、しかし、研究室に常駐できるのは、

学術理論から商用技術に転嫁でき特許取得ができる

金になってる研究が出来る人だけ


・・・大学と言っても、金で動いているのです


金になる研究をして学術論文発表

その研究成果で特許をとって産学連携企業で

商用展開して貰い製品化

そして研究室には製品が売れる限り特許料がザックザク


そういった研究を期待しているので

そういう研究成果が出せる見込みのない私とかには

金になる職務もしろという指示が下されます


今年から、軍需産業 第二高校に行け

と言う事を通達されました


軍高官の御嬢様が通学する御嬢様学校な第二高校


その軍高官が娘の勉強のためと

高額の寄付を学園都市にしてくれている第二高校


ただ、少しだけ一般的な御嬢様学校とは

違っているという噂の第二高校。



内心、清水寺は想います


 第三高 歩兵科と同じような底辺学科の担当かなぁ?


 名目上は情報工作科でも、事実上は・・・?


 どうせ、歩兵科にいた ぶっとび動物 

 ワン・トリック・ポニー

(一芸だけを仕込まれたサーカスの曲芸用動物)

 の性別反転 女版みたいな生徒なんだろなぁ


などなどの言葉しか浮かびません

もう、この1年間で心が荒み切っています


 いや、違う、妙な先入観は イッカーン


自分に言い聞かせるようにして呟き

着任挨拶をしに第二高校へと向かいます。


・・・



初日の学年主任さんと担任さんからの説明


第二高校と第三高校は全日程がズレていて

入学式も始業式も授業時間も

同じ時間に同じ事はしないそうです

長年の慣例で絶対に・・・不思議な慣例です


いわゆる顧客差別化ならぬ

生徒差別化というやつなんでしょうか?


第二高校と第三高校を兼務する教職員を

存在させてしまうためなんでしょうか?


どういう思惑で誰が決めたんだ

と思いますが常識化した慣例だそうです


そういった慣例についての説明後

担当職務について説明


第三高校の時のように、あれやれ、これやれ

あー、嫌になって退職した先生が発生したので

代理で、あれもやってくれと言われ


研究室にいる時間が消えてしまった前任地とは違い

本当に週一回、情報工作科のプログラミング授業を

受け持つだけで、いいと説明されました。


ただ、昔、よっぽどな事があったらしく

生徒と距離を置いて下さいと

何度も繰り返し、くどいくらいに言われます


・・・・・何が、あったんだろう?


      ストーカー事件?


何度も繰り返している禁止事項の裏を読むに


どう考えても、それっぽいです。



・・・



初回の授業、業界標準な専門用語集を配ってみました。


前任地で三歳児英語から始めないと駄目だったのと

同じかもしれないと恐る恐るな様子見モードです


「何か質問は、ありますか?」


『こんな、誰でも知っていて当たり前な事を

 わざわざ、確かめなくても大丈夫ですよ


 第二高の情報工作科にいて

 こんなレベルの用語が理解できてない人間なんか

 いるワケないじゃないですかぁ』



お勉強の出来る真面目な感じの外見

委員長さんキャラな話し方な橋田さんが発言します。



「そうですよね、いや付属小中学校で9年間、

 プログラミングの授業を受けて来たわけですものね


 システム常識として浸透している専門用語を

 知らないワケが無いですよね


 いや、これは失礼な事をしました


 念のための復習という事で眼を通して下さい」



そして学年主任から指示のあった通りに

クラス内の、この班にはコレ、あの班にはアレと

ソフトウエア部品プログラムの

製造指図書とテスト指示書を配布して


「まあ、たいした難易度では無いので

 説明とか無くてもプログラミングできると思います


 班内での作業項目内容や作業手順、作業分担は

 全員で考えても誰か独りが決めても、いいです


 進捗管理表、作業日報形式に整理して

 記録しておいてくれれば、経過は任せます


 このソフトの開発者マニュアルで

 わからない所があったら質問して下さい」


と、言って初回から実習授業を開始します。


マジで説明無しで各班が作業開始

黙々とプログラミング作業を生徒が開始します。



そんな、光景を眺めながら、ふと思います


この御嬢様達から見える世界ってのは

どんなもんなんだろうな

彼女らから見たら30近いオッサンな私が

理解できるワケが無いのだけれど


あそこにいるのなんか、御嬢様キグルミが窮屈そうだ

キグルミを脱いだ時の地は、どんな人間なんだろう

でも、学校っていう特殊な閉鎖社会で生活するには

窮屈でも、ああしてキグルミを着ているような

態度をするのが正解なのだろうなぁ・・・たぶん。


そういえば、距離を置け・・・かぁ・・・

どうやろうかな・・・


とりあえず自分が距離を置きたくなった先生


思いっきり上から目線で子供扱いしてくれた

先生の態度を真似してみるかぁ・・・


しょせん、奥深い所まで理解できるワケじゃないし

どうせ、一緒に過ごすのは短い間なのだろうから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ