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一番近くて、一番遠いーネット越しの恋を、君とー  作者: りなる あい
第八章:初夏の風と、二つの想い

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8-2. 外野同士の答え合わせ

(*瑠飛目線)


未依沙が昴と離れて

他の女子の輪に混ざったのを見て、

俺は今だ、と昴の隣に歩み寄った。


「昴、ちゃんと食べてるか?」


「お気遣いありがとうございます。しっかり食べてます」


フレンドリーな笑顔と声が心地いい。

こいつ、天然か?狙ってか?


「瑠飛先輩はこれ、何本目ですか?」


「一本目。てかこれ、お酒じゃないし。」


「飲み方が様になってたんで、てっきりお酒だと思ってました。」


「多分だけど、俺、父親がベルギー人でめっちゃお酒強いから、飲める方なんだよね。」



「うわ〜。羨ましい。俺はきっと飲めない方です。」


昴は俺の顔を一瞬見た後に言葉を続けた。


「…未依沙さんとさっき少し話したんですけど、お三方、幼馴染なんですね。」


「そう、小学生のころからずっと一緒。」


「瑠飛先輩、大人ですね」


なんで、コイツは急に

こんなことを言うんだろう…


「俺が?大人かなぁ〜…?」


「俺だったら、難しいかもしれないっす。…しかも、未依沙さん、わかりやすすぎですし」


苦笑いを浮かべる昴の意図が、

まだわからない。


「何がわかりやすかったの?」


お兄さんのように余裕のある感じで聞いてみた。


「未依沙さんの想い人、すぐにわかっちゃいましたよ。」


あ、わかった。

昴ってイケメンだけど笑うと

目が細くなって親しみやすいんだ。

目の前の昴は、嬉しそうにくくくっと笑ってる。

笑顔とは裏腹に、口では鋭いことを言っているが…


「へぇ〜、わかったんだ。それは未依沙に伝えた?」


「いや、伝えてません。でも、多分合ってると思います。俺、意外と鈍感ではないので」


「いや、君は全然鈍感じゃないでしょ!」


素早くツッコミをいれた。

鈍感とは、かげみたいな人を言うんだよ…


「瑠飛先輩、あんな魅力的な幼馴染がいたら、彼女選び、大変じゃないですか?」


なぜか、昴から同情の目を向けられて

俺は急に居心地が悪くなった。


「どういう意味だよ」


俺は苦笑いで答えた。


「いや、そのまんまの意味ですよ。選ぶ基準が高くなるというか…。あと、2人を温かく見守ってて、何か大人だな〜って思いました。」


なんだ…コイツには全て

お見通しだったのか。

なぜか肩の力が抜ける。

俺の状況をわかってくれてる人が

1人でもいるって、なんか嬉しいもんだな。


「昴、一年で入ったばっかりなのに、いろいろ見えてるんだな。」


「そうですね…まあ、最初は未依沙さんいいなって思ってたんで、ちょっと観察してました」


イタズラっぽく小声で言う

目の前の男のことを、

敵に回したくないとその時直感した。


また普通の表情に戻って、


「まあ、すぐにわかっちゃったので、追いかけるのはやめましたけど。女の子が惚れてるパターンだったんで。」


ツラツラ、サラサラとよくもまあ言うもんだ。

ここまで潔いと、逆に好感が持てる。


「そんなにオープンに俺に話しちゃっていいの?」


まわりでは部員たちが

大声で笑いながら乾杯している。

その喧騒をBGMに、昴はトーンを落として言った。


「みんな酔ってるので聞いてないですよ。あと、瑠飛先輩は、信用できるって思ってるので」


不敵に笑うその表情からは

余裕が感じられて、

とても年下とは思えないほどだった。

こういうとこだよな。

人に好かれるのが上手いのは。


「昴の選択はいいと思う。俺もそばで見てるけど、鉄壁の女っていうあだ名の通りだと思うから」


互いに目を合わせて苦笑いになる。

昴という人物が、まだ何を考えてるか、

正直わからない。

でも、本当に思った通りのことを

口にしてるだけなら、とんでもなく鋭くて、

気持ちいいくらいサッパリした性格のヤツだ。


これからが楽しみだな!

変な横槍も入らないってわかったし、俺は安心だ。


俺はまた遠くの芝生を見た。

さっきよりも青空が映えて、

広々と爽やかに広がっていた。



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