7-10. 鉄壁の女、始動します
未依沙、めっちゃ頑張ってる回です!
(*未依沙視点)
瑠飛との作戦会議を終えた直後、
わたしは校舎を出たかげちゃんを、
反射的に追いかけていた。
今までなら、ここで足を
止めていたはずなのに。
――見つめるだけの恋は、今日で終わり。
わたしは「押す」ことを選んだ。
このまま気づかれないなんて絶対に嫌。
他の誰かにかげちゃんを取られるなんて、
もっと嫌!
かげちゃんを想う気持ちなら、
誰にも負けないんだから……!
部活へ向かうかげちゃんを見つけて、
すぐに駆け足になる。
まさに、わたしは今、恋に突っ走っている。
「かげちゃんっ」
後ろから駆け寄って、
わっ、と声をかけると同時に、
その逞しい右腕を後ろから
ちゃっかり掴んでみせた。
「うわっ、ビックリした。未依沙か!」
もう片方の腕でとっさに
不意をつかれた顔を隠している。
その姿が可愛くてキュンとした。
いやいや、私がキュンとしてる
場合じゃないのよ!
なんとかしてこの鈍感君をときめかせたい…
「もー、もっと驚いてくれてもいいじゃん? 」
と笑いながら肩に触れる。
――なんて、自然に
ボディタッチができているわけではない。
「ははは。いや、かなり驚いたし!なんか、今日の未依沙、ご機嫌じゃん!いいことあったの?」
かげちゃんに会えたからです!
って伝えられたらいいのに…
でも、この言葉はこれから
伝えていけばいいんだもん。
今の状況に焦るでもなく、
悲しむでもなく、
楽しめている自分が好きだった。
なんでもできる気がする。
「いいことあったよ?」
含みを込めた言葉だけど、
深掘りされることはなかった。
でも、この一言が、
かげちゃんの中で、
まったく別の“答え”を導き出してしまうなんて……
そのときの私は、まだ気づいていなかった。




