表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一番近くて、一番遠いーネット越しの恋を、君とー  作者: りなる あい
第七章:鉄壁の女の恋わずらい

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
86/144

7-5. 新しいベクトル

本日は21時にも投稿します!

同じ内容を景虎&未依沙視点で

お楽しみくださいね!

(✳︎景虎視点)


「なぁ、かげ〜未依沙がバイト始めたって聞いた?」


瑠飛が何の気無しに聞いて来たけど、

俺は知らないことだったから驚いた。


「え?そうなの?聞いてない」


「カフェでバイトだって。意外だよな」


「まあ、大学生だしバイトくらいするんじゃない?」


俺たちと同い年なんだから、

バイトをしていてもおかしくないよな。

春リーグが一息ついた今も、

俺たちのバレー漬けの毎日は変わらない。

バイトなんて到底できないけど……

バイトって、なんか憧れるな…


「今日さ、今から未依沙のバイト先行かね?」


瑠飛の瞳が、いつにも増してキラキラしている。

これは、何か企んでいる時の目だ。


「うーん、未依沙は嫌がらないかな?」


「いや、別に茶化すわけじゃないから良くね?」


瑠飛は何としても行きたいらしい。

そんなに遠くではなかったから、

部活が早く終わる日の帰りに、

俺たちは未依沙のバイト先に向かった。


結構大きいカフェみたいで、

未依沙がテラスのお客さんに

接客しているのが見えた。

オシャレなオープンテラスには緑が多く、

どこかボタニカルな雰囲気の漂うお店だった。

俺たちが外の席に腰掛けると、

店員さんが注文をとりにきた。


未依沙、いつ俺たちに気づくかな?

瑠飛は愛想良く店員さんに注文している。

瑠飛のキラースマイルに店員さんも

何だか嬉しそうだ。


注文を取り終わったあと、ゆっくりしていると

未依沙がさっき注文をとってくれた店員さんと

話をしながらこっちを見ていた。


瑠飛に伝えると、瑠飛はさっと

未依沙に手を振って、未依沙もそれに応えていた。

こういうことを恥ずかしげもなく、

自然とできてしまう瑠飛が

羨ましいと思ってしまう。

イケメンはサラリとやってのけるよな。

俺は目線だけ送ったが、手は振らなかった。


——あの頃より少し大人になった未依沙が、

笑っていた。

それだけで、なんでだろう…

胸の奥が少しうずいた。




✴︎




「瑠飛、かげちゃん。来てくれてありがとう。抹茶ソイラテはかげちゃん?」


「うん、俺。ありがとう。」


「こちら、パンプキンラテです。」


「ありがとな、未依沙。バイトの制服、いい感じじゃん。バイトはどう?順調〜?」


気軽な会話の中に、しっかりと

褒めの言葉を入れるのは

きっとベルギーの血が入っているからだと思う。

瑠飛からは学ぶことがいっぱいだけど、

俺にできる気がしない…


「瑠飛がパンプキンラテを頼むの、なんだか意外だった。あと、この制服のこと、ありがとう。瑠飛にそう言ってもらえて、安心した」


幼馴染だとしても、

褒めてもらえるのは嬉しいよな。

未依沙はニコッと笑って

瑠飛と会話を続けている。


「バイトは楽しいよ。働いてる方も素敵な人ばっかりだし、よくしてもらってるよ。」


「そっか、それは良かったね。」


心配していたわけではないけれど、

その言葉を聞いてどこかホッとした 。


「今、友達の紹介で、忙しい時期で手伝ってるんだけど、3ヶ月だけだからわたしもちょっとお試しみたいな感じなんだ〜。あ、もう行くね。ゆっくりしていってね。」


バイトという経験をしている未依沙が

眩しく見えた。

俺はきっとバレー一筋を続けていけば、

バイトをすることはないだろうから。


「未依沙、バイト楽しんでるみたいで良かったな。」


瑠飛が未依沙を眺めながら呟く。


「ほんとだな、なんだか一安心だ」


「俺たち、未依沙の保護者みたいだな」


「だな」


二人でくすっと笑い、

たわいもない話をして過ごした。


未依沙が隣の席を片付けに来た時、

瑠飛が未依沙に声をかけた。


「未依沙、今日のシフト何時まで?」


「今日はあと15分であがりだよ」


「家まで送ろうか?もう暗いし。」


「あ、えっと…バイト先の先輩が送ってくれるって言ってて…。でも、ありがとうね」


未依沙がなんだか気まずそうに言うから、

少し気になった。

なんだか、本当は隠しておきたかったみたいな

感じが伝わってきた。

まあ、未依沙はモテるからな、いつものことか。


「オッケー、じゃあ、気をつけて帰れよ。俺たちもそろそろ帰るか」


「そうだな。未依沙、お疲れさま」


「ありがとう。瑠飛、かげちゃん、またね。」


瑠飛は未依沙が下がった後も、

何となくそっちの方を見ていた。


「先輩って、多分あの人だと思う。」


俺もその先に視線を送ると、

背の高い、シュッとした金髪の男の人がいた 。

若くて、多分、俺たちと同じ

大学生くらいだと思った。

未依沙は美人で優しいから、

男は放っておかないよな、

と妙に納得してしまった。


「未依沙はモテるからな〜。バイトを始めたら出会いが増えるし、お客さんから絡まれることもあるだろうから、ちょっと心配はしてたんだが…」


未依沙がバイトを始めたことから、

そんなことまで考えていたのかと、

瑠飛の視野の広さに思わず感心してしまった。


「確かにな。でも未依沙は軽くないから大丈夫じゃないかな…?」


「まあ、次会った時に探り入れとくわ。」


俺たちはカフェを後にした。

きっといろんな出会いの中で

未依沙もいつか彼氏ができるんだろうな…と、

帰り道でふと思った。

俺に彼女ができるのはいつなんだろう…

人を好きになったこともないし、

経験もなさすぎるから…


そんな未来が果てしなく遠くに

感じてしまったのだった。


本日21時は未依沙視点でおおくりします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ