6-10. 絶対に行く!
今回で高校編最後です!
(*未依沙視点)
「かげちゃんのお母さん、こんにちは」
買い物をしているかげちゃんのお母さんを
発見してすかさず声をかけた。
もうすぐ大学受験。
かげちゃんが行く大学が万が一にでも、
直前で変わったら大変だから…
「あら、未依沙ちゃん、こんにちは。元気?」
「はい、元気にしてます。お元気でしたか?」
「我が家もみんな元気にしてるわよ。」
「かげちゃん、そろそろスポーツ推薦の面接ですよね?風邪ひいてないみたいでよかったです。」
「そうなのよ、もうすぐ面接があって、今は面接の練習を先生にしてもらってるみたい」
かげちゃんのお母さんは
ピッと閃いたのか、言葉を続けた。
「最近、あの子(景虎)なんだか楽しそうというか、やる気満々なのよ。未依沙ちゃんのおかげかしら?」
ポロっとそんな言葉がもれた。
『未依沙ちゃんのおかげ』という言葉を聞いて、
いやいや、かげちゃんのおかげで…
と伝えなきゃと思った。
「あ、そういえば…この前、わたしが体調が悪い時に、かげちゃんに色々してもらって…本当に助かりました。かげちゃんの優しさが身に染みました。」
「その時、夜遅くなるって連絡くれてたのよ。未依沙ちゃんが心配だったのね。助けになってよかったわ。」
「はい、本当にありがとうございます。ところでなんですけど、大学は変わらず至誠館大学の予定ですか?」
「そうみたいよ、あの子はその大学しか考えてないみたいで…推薦落ちたらどうするのかしらね…」
「かげちゃんだったら、大丈夫ですよ!」
「そうだといいんだけどね。未依沙ちゃんはどこの大学を受けるの?」
「実はわたしも至誠館大学を狙ってるんです。ただ、かなり難しいです。合格できるように、もっと勉強しないと」
「あら、あの子も喜ぶわね」
かげちゃんのお母さんは、
口元を隠しながら控えめに、
でも嬉しそうに微笑んだ。
「そうだといいんですけど…わたし、頑張りますね!」
かげちゃんのお母さんに、
私はガッツポーズを見せた。
自分へのエールでもあった。
スポーツ推薦のかげちゃんに、
学力試験で追いつく。
それが今の私にできる、
唯一の『隣に立つ方法』だから。
絶対合格するぞ!
私は目の前のことに集中して取り組んだ。
明日からは大学編が始まります!




