6-1. 小さな策略と、素直なひと言
第六章、始まりました!
高校生らしいエピソードが続きます!
(✳︎未依沙視点)
かげちゃんと瑠飛の県選抜の試合も終わり、
緊張が抜けた頃、毎年恒例の
球技大会が近づいてきた。
私たちの学校には超絶厳しいルールがある。
それは、その球技の部活に属している人は
参加できない。
つまり、部活とは違う球技を
しなければならないというルールだ。
瑠飛はお父さんがベルギー人で、
サッカー大国だからか、
サッカーを嗜んでいるらしく…
俺はサッカー!と一択のようだった。
わたしはバスケ部だから、
バスケは選べないし、
サッカーもソフトボールも未知すぎるから
バレーを選んだ。
かげちゃんは、バスケになった。
わたしは名案が浮かんだ!
かげちゃんからバレーを習おう!
これなら自然に教わることができるはず。
球技大会まであと2週間。
わたしもかげちゃんも部活があるから、
かげちゃんの無理のない範囲で教えてもらおう。
放課後、早速聞いてみることにした。
「かげちゃん、一つお願いがあるんだけどいい?」
「どうしたの?お願いって。」
「わたし、球技大会でバレーをすることになったの。即席で上達するにはどんな練習をしたらいいか、教えてくれないかな?」
「すぐに上達したいんだったら、誰かに見てもらいながら練習するのが1番だよ。」
「確かに…独自で練習して変に癖ついたら大変だもんね。」
「俺で良かったら教えようか?」
「いいの!嬉しい。」
ごめん、かげちゃん。
かげちゃんが優しいの知ってるから、
この言葉を待ってたの…!
全て予想通りに進んでる。
でも、何で悪いことしてるみたいな
気分になるんだろう…
そうか、教えてって素直に言わなかったからか。
頭の中で、妙に納得した。
わたしからちゃんと、
かげちゃんに素直に伝えよう。
「バレーに決まった時、かげちゃんに教われたらいいなって思ってたの。だから、ありがとう。」
「そうだったんだ。瑠飛からも教われると思うけど、俺でごめんね。」
「何で謝るの?瑠飛はサッカー馬鹿だから、放っておけばいいの。かげちゃんはほんと、いつも優しいね」
わたしにしては攻めたつもり。
かげちゃんにあなたは優しいって伝えることを。
「いや、俺はスパルタでいくよ」
珍しく冗談を言っていて、
ニコっと笑う姿がなんだか可愛く思えた。
優しいねと伝えたことに対して、
急にどうしたの?と真面目に受け取られるより、
冗談で返してもらえたことに
ホッとしている自分がいる。
かげちゃんって、本当にいいな。
「さっそくだけど、今日の部活の後はどう?今日、バレー部は少し早めに終わる予定だから、待たせることもないと思うし。」
「さっそく今日から教えてくれるの!ありがとう、景虎先生」
早く部活が終わらないかな…?
今日の部活ははりきっちゃうぞ!
部活が終わるのが楽しみでしかたなかった。




